海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン4第21話では、ロスの結婚式の招待状がレイチェルにも届きます。招待する側にも、招待される側にも、すぐには言い切れない場面があり、その迷いが英語のやりとりに表れています。
「来てくれるよね?」と念を押されて即答できないとき、英語ではどう返せばいいのか。招待する側の遠回しな懸念と、招待された側の返事を、三つの場面から見ていきます。
「It’s absolutely your decision.」懸念を伝えて、判断を相手に返す
ロスの部屋で、ロスとエミリーが招待状の宛名を書いています。封筒を見ていたエミリーが、ロスに確かめます。
Emily: Oh. So you invited Rachel, then?
(あら。じゃあ、レイチェルも招待したのね?)
Ross: Sure. Why not?
(もちろん。いけない?)
Emily: Really?
(本当に?)
Friends Season4 Episode21(The One with the Invitation)
So you ~, then? は、平叙文の形に so と then を添えて「じゃあ〜したのね?」と確かめる言い方です。ロスの Sure. Why not? は「もちろん。いけない?」と、問題はないと軽く返す答えです。
ロスとレイチェルは、以前付き合っていた間柄です。このあと、ロスはエミリーにこう聞き返します。
Ross: Do you think maybe we shouldn’t invite her?
(彼女は招待しないほうがいいと思う?)
Emily: Oh, no, no, Ross. You know I absolutely adore Rachel. It’s just that…
(ううん、違うの、ロス。私がレイチェルのことを大好きなのは知ってるでしょ。ただ……)
Emily: Well, I thought it might be a bit awkward for you.
(あなたにとってちょっと気まずいんじゃないかと思ったの。)
Emily: But it’s absolutely your decision.
(でも、決めるのはもちろんあなたよ。)
Friends Season4 Episode21(The One with the Invitation)
Do you think maybe we shouldn’t ~? は、maybe を入れて「〜しないほうがいいと思う?」と相手の考えを探る問いです。エミリーはまず「違うの」と否定し、It’s just that… で前置きしてから本題に入ります。
It might be a bit awkward for you. は、might と a bit で言い方を二重にやわらげ、さらに for you で「あなたにとって」と相手の立場から話す形です。最後の It’s absolutely your decision. は、懸念を口にしたうえで、決める権利は相手にあると返す一言です。お茶を勧めるやりとりのあと、ロスは Invite whoever you want.(呼びたい人を呼んで)と答えています。
「You’re going to come though, aren’t you?」念を押されて即答できないとき
場面が変わり、モニカとレイチェルの部屋に、届いた招待状を開けていたモニカたちがいます。レイチェルが部屋に入ってくると、皆が招待状を隠そうとしますが、レイチェルは郵便物の中から自分あての招待状を見つけます。
Rachel: Oh, no, no. Guys, come on. You don’t have to do that.
(ちょっと、やめてよ。ねえ、みんな。そんなことしなくていいって。)
Rachel: I’m happy for him. I am. I really… I’m… I…
(彼のことはうれしいの。本当よ。ほんとに……私は……私……)
Rachel: I’ll work on it.
(これから頑張る。)
Friends Season4 Episode21(The One with the Invitation)
You don’t have to do that. の that は、皆が招待状を隠そうとしたことを指しています。be happy for + 人 は「〜のことを喜ぶ」という意味です。言葉に詰まったあとの I’ll work on it. は「努力する」「これから取り組む」で、I’m happy for him. を言い切れなかったあとに続けた一言です。
このあと、モニカが念を押します。
Monica: Rachel, you’re going to come though, aren’t you?
(レイチェル、でも来るわよね?)
Rachel: Oh, honey, I don’t know. I…
(うーん、わからない。私……)
Chandler: This isn’t one of those, you know “she doesn’t come, we don’t come,” right? Because I already bought my ticket…
(これってあれじゃないよな、ほら「彼女が行かないなら俺たちも行かない」ってやつ。だって俺、もうチケット買っちゃったんだけど……)
Monica: You know what would be real weird… is if you weren’t there.
(ねえ、何が本当に変かって……あなたがいないことよ。)
Monica: Just say you’ll think about it, okay?
(考えてみるって言うだけでいいから、ね?)
Rachel: No, I’ll think about it. Yeah.
(ううん、考えてみる。うん。)
Friends Season4 Episode21(The One with the Invitation)
モニカの問いは、though で「それでも」を添え、aren’t you? の付加疑問で「来るわよね?」と念を押す形です。レイチェルは I don’t know. と答え、即答を避けています。You know what would be ~? Is if ~. は「何が〜かって、〜だったらよ」と答えを後ろに回す言い方で、「いないほうが変」と背中を押しています。最後は「考えてみる」の一言で、話がいったん収まります。
「It’s just going to be too hard.」行けない理由を伝える
カフェのセントラルパークで、レイチェルは式に行くかどうかを考えています。本当に行かないのかと聞かれ、レイチェルはこう答えます。
Rachel: It’s just going to be too hard.
(つらすぎると思うの。)
Rachel: You know, I mean, it’s Ross.
(だって、ほら、ロスなのよ。)
Rachel: How can I watch him get married?
(彼が結婚するのを、どうやって見ていられる?)
Rachel: You know, it’s just, it’s for the best, you know? It is. It’s…
(ほら、これでいいの、わかるでしょ?そうなの。これで……)
Friends Season4 Episode21(The One with the Invitation)
It’s just going to be too hard. は、going to で先のことを見通し、too hard で「つらすぎる」と理由を短く伝える形です。just が入ることで、細かい説明を省いて結論だけを言う響きになります。
「ロスなのよ」の it’s + 名前 は、名前だけを挙げてそれを理由にする形です。説明を足さなくても、聞き手が事情を知っているときに通じる言い方です。How can I ~? は「どうやって〜できる?」という形で、ここでは「〜なんてできない」という気持ちを問いの形で表しています。
It’s for the best. は「これがいちばんいい」と、選んだ道をよしとする一言です。続く It is. は、直前の自分の言葉を短く繰り返して念を押す形で、It’s… と言いさしたところで言葉が途切れています。このあとレイチェルは、フィービーの手伝いも理由に挙げます。
まとめ|即答できないときの返し方
It’s absolutely your decision で判断を相手に返し、I’ll work on it で即答を避け、It’s just going to be too hard で理由を伝える言い方を見てきました。言い切らない返し方を知っておくと、誘いへの返事にも幅が出ます。
招待状一通をめぐって揺れる会話を観ていると、言い切らない英語の使いどころが分かります。
この回のほかのコラムやフレーズ記事では、同じエピソードの別の場面の英語も取り上げています。


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