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『フレンズ』シーズン4第21話の冒頭では、チャンドラーとジョーイが「このままではいけない、何か大きなことをしよう」と言い出します。最初に出た案は、指摘を受けるたびに少しずつ小さくなっていきます。
大きな計画を言い出す一言、代わりの案を出す一言、そして案が消えたときの一言は、友達同士の会話にもそのまま持ち込めます。三つの場面を順に見ていきます。
「We have to do something」何か大きなことをしようと言い出す
カフェのセントラルパークで、チャンドラーとジョーイが座って話しています。ロスの結婚が決まったことなどを挙げて、ジョーイは「みんな何かしている」と言います。それを受けたチャンドラーの一言から、計画の話が始まります。
Chandler: Look, we have to do something, okay? Something huge.
(なあ、俺たち何かしなきゃだめだ、いいか?何かでっかいことを。)
Joey: We could climb Mt. Everest.
(エベレストに登るって手もあるぞ。)
Chandler: No. Not something stupid– something huge.
(いや。ばかなことじゃなくて、でっかいことだ。)
Joey: No, no, I saw an ad for this video. People climb that thing every day. We could totally do that.
(いやいや、そのビデオの広告を見たんだよ。あれには毎日みんな登ってる。俺たちだって絶対できるって。)
Friends Season4 Episode21(The One with the Invitation)
We have to do something. は「何かしなきゃ」と、行動を起こす必要を言い出す形です。続く Something huge. は名詞句だけを付け足して、どんな「何か」なのかを一段強めています。文を言い直さずに名詞だけを重ねるので、会話の勢いが保たれます。
ジョーイの We could climb ~. の could は、ここでは過去の意味ではなく「〜するという手もある」と案を出す使い方です。チャンドラーはこれを Not something stupid– something huge. と退けます。「AではなくB」を not A, B の形で並べ、退ける理由と求めるものを一度に伝えています。
ところがジョーイが、ビデオの広告で見た、毎日登っている人がいると返すと、チャンドラーは Why not? と乗り、it’s just climbing(ただの登山だろ)と続けます。Why not? は「いいじゃないか」と賛成に回るときの返事です。it’s just ~ は「ただの〜だろ」と物事を小さく言う形で、ここではエベレスト登山を「ただの登山」と言っています。チャンドラーはこのあと、エベレストに行くぞと言い切ります。
「We could ~ though」代わりの案を出す
そこへフィービーがやって来て、ジョーイが計画を伝えます。フィービーは I looked into that.(それ、調べたことがある)と切り出し、費用がおよそ6万ドルかかることと、危険が大きいことを挙げます。そのあとの会話です。
Chandler: Oh… well.
(ああ……そうか。)
Joey: We could get that Everest video though.
(でも、そのエベレストのビデオなら手に入るぞ。)
Chandler: Yeah, we could do that without, you know, risking our lives at all.
(そうだな、それなら、ほら、命を危険にさらすこともまったくないしな。)
Friends Season4 Episode21(The One with the Invitation)
look into ~ は「〜を調べる」という意味です。過去形の I looked into that. は、相手の話題について自分はもう調べたと伝える前置きになっています。
ジョーイの We could ~ though. は、文末の though が「でも」の働きをして、前の流れを受けながら代わりの案を出す形です。登るのはやめて、登山のビデオを手に入れようという案です。チャンドラーの without risking our lives at all は、without + -ing で「〜せずに」、at all で「まったく」と強めた言い方です。
この回の最後にも、似た発想が出てきます。エンディングのあと、カフェのセントラルパークで三人がロンドンの観光ガイドを読んでいます。ロンドンはロスの結婚式が行われる場所です。チャンドラーが、博物館のビデオを借りられる店があると紹介し、少しやりとりが続いたあとで、ジョーイはこう言います。
Joey: I bet we could get videos of all the sights.
(きっと観光名所のビデオも全部手に入るぞ。)
Friends Season4 Episode21(The One with the Invitation)
I bet ~ は「きっと〜だ」と見込みを言う表現です。冒頭のエベレストと同じく、出かける代わりにビデオで済ませる案が、ここでも we could で出されています。
「Oh, well.」案が消えたときの一言
エベレストのビデオの案のあと、ジョーイはビデオ店で別の映画も借りようと口にします。ところが、すぐに次のことを思い出します。
Joey: Oh, but you know what? I just remembered that Everest thing is only available through mail order.
(あ、でもさ。いま思い出したんだけど、あのエベレストのやつは通信販売でしか手に入らないんだった。)
Chandler: Oh, well.
(ああ、そうか。)
Phoebe: So you guys will stay here and hang out with me?
(じゃあ、二人ともここに残って私と一緒にいてくれるのね?)
Friends Season4 Episode21(The One with the Invitation)
I just remembered that ~. は「いま思い出したんだけど」と、話の流れを変える事実を持ち出す前置きです。only available through ~ は「〜でしか手に入らない」で、through mail order は通信販売という入手の経路を表しています。
チャンドラーの Oh, well. は、どうにもならないことを受け入れるときの短い一言で、「まあ、仕方ない」に近い響きです。この場面では、フィービーに費用と危険を指摘されたときにも、チャンドラーは Oh… well. と言っていました。案が一つ消えるたびに、同じ一言が返っている流れです。
フィービーの So you guys will stay here and hang out with me? は、平叙文の語順のまま問いかけにして、「じゃあ、ここに残るのね」と相手の答えを確かめる形です。hang out with ~ は「〜と一緒に過ごす」という意味で、特に何かをするわけではなく、同じ場所で時間を過ごすことを表します。こうして、エベレストの計画はカフェに残る話へと落ち着きます。
まとめ|大きな計画から手の届く案へ
We have to do something で計画を言い出し、We could ~ though で代わりの案を出し、Oh, well で消えた案を受け入れる流れを見てきました。案の出し方と引き下がり方の言い方を知っておくと、友達同士の計画の相談にも加わりやすくなります。
計画が少しずつ小さくなっていく三人のやりとりを観ていると、提案と引き下がりの英語が自然に見えてきます。
同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事では、招待状をめぐる場面の英語も扱っています。


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