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『フレンズ』シーズン4第2話では、チャンドラーとジョーイが、ジョーイの手作りの大きなテレビ台を売りに出します。売ると決める場面から、値段を付け直す場面、現金の代わりに交換を持ちかけられる場面まで、二人の掛け合いが続きます。
不要になったものを手放すときは、話の切り出し方や値段の伝え方に迷いがちです。売り手の側から使える言い回しを、場面の順に見ていきます。
「How ‘bout we sell it?」手放す話を切り出す
二人の部屋で、寝室から出てきたチャンドラーがコートを破ってしまいます。ジョーイに「向きを変えて滑るように通るんだ」と言われたチャンドラーは、「そんなものは捨てろ」と返します。そこからのやりとりです。
Joey: Well, we’re not throwing it out. I built this thing with my own hands.
(いや、捨てないぞ。こいつは俺がこの手で作ったんだ。)
Chandler: All right. How ‘bout we… how ‘bout we sell it?
(分かったよ。じゃあさ……売るってのはどうだ?)
Joey: All right. But you’re going to have to tell them.
(いいよ。でも、あいつらにはお前から言えよ。)
Chandler: Do you mind if we stick you in a different cabinet? They seem all right with it.
(別の棚に移ってもらってもいいかな? 平気そうだぞ。)
Friends Season4 Episode2(The One With the Cat)
throw it out は「捨てる」という意味の句動詞です。ジョーイの We’re not throwing it out. は進行形を使い、「捨てたりはしない」とこれからの予定をはっきり打ち消しています。続く with my own hands は「自分のこの手で」と、手作りであることを強める言い方です。
チャンドラーの How ‘bout we ~? は How about we ~? のくだけた発音です。後ろに主語と動詞を続けることで、「(二人で)〜するのはどう?」と相手を巻き込んで提案する響きが出ます。捨てるか残すかで意見が分かれたところに、売るという第三の案を出す流れです。
ジョーイの言う「あいつら」は、テレビ台の中で暮らしているひよことアヒルのことです。チャンドラーは二羽に向かって Do you mind if we ~?(〜してもかまわない?)と声をかけ、ジョーイには「平気そうだ」と伝えます。相手の都合を確かめる丁寧な形を、ペットに向けて使っている場面です。
「I’m changing it to $50 or your best offer」値段を付け直す
場面はカフェのセントラルパークに移ります。ロスが新聞に載った二人の広告を読んでいて、フィービーは「テレビ台を売るの?」と驚き、レイチェルは「あれ、好きなのに」と言います。チャンドラーが「ほしい?」と聞き返すと、二人とも断ります。広告の値段を見たチャンドラーとジョーイのやりとりです。
Chandler: $5,000? Are you insane?
(5,000ドル? 正気か?)
Joey: Hey, the ad alone cost 300 bucks.
(おい、広告だけで300ドルかかったんだぞ。)
Chandler: All right, look. I’m changing it to $50 or your best offer.
(分かった、いいか。50ドルか応相談に変えるからな。)
Joey: What kind of profit is that? And you call yourself an accountant?
(それでどんな儲けが出るんだよ? それでも会計士か?)
Friends Season4 Episode2(The One With the Cat)
Are you insane? は「正気?」と強く驚く言い方で、親しい相手には冗談まじりに使われることもあります。the ad alone の alone は名詞の後ろに置かれ、「広告だけで」と範囲を限る役割です。
I’m changing it to ~ は進行形で「〜に変えることにする」と、その場で決めたことを伝えます。or best offer は売り出しの広告で希望価格に添えられることの多い表現で、「この値段、または買い手が出せる額で相談に応じる」という意味合いになります。略して OBO と書かれることもあります。ジョーイの What kind of profit is that? は、値下げへの不満を示す反語的な問いです。
別の場面では、ロスが having any luck ~ing(〜はうまくいっている?)の形で、テレビ台の売れ行きを尋ねます。ジョーイは電話が何本か来たものの work out(うまくいく)しそうにないと答え、チャンドラーは「ジョーイの買い手の審査はとても厳しい」と皮肉を返します。ロスの問いにある get rid of は、get rid of のフレーズ記事が詳しい解説の場です。
「Would you be willing to trade for it?」交換を持ちかけられたら
二人の部屋に、テレビ台を見に、買い手候補のトニーとピーターがやって来ます。
Tony: Wow. That’s, uh… that’s pretty nice.
(へえ。これは、その……なかなかいいね。)
Joey: Pretty nice?
(「なかなか」?)
Chandler: You’ll have to pardon my roommate. He wanted to marry this.
(ルームメイトを許してやってくれ。こいつ、これと結婚したかったくらいなんだ。)
Tony: We don’t have 50 bucks. But would you be willing to trade for it? We got a canoe.
(50ドルはないんだ。でも、交換でもいいかな? カヌーがあるんだけど。)
Friends Season4 Episode2(The One With the Cat)
Would you be willing to ~? は「〜していただけますか」と、相手にその気があるかを丁寧に確かめる形です。trade for ~ は「〜と交換する」で、現金の代わりに物で支払えないかという持ちかけです。チャンドラーの pardon my roommate は、同居人の失礼を代わりにわびる言い方です。
Chandler: You know, I… I really don’t think we need a canoe.
(あのさ、俺……カヌーはほんとにいらないと思うんだ。)
Tony: You got to take the canoe.
(カヌーは引き取ってもらわないと。)
Chandler: All right, just… just take the entertainment center and then when you get home throw the canoe away.
(分かった、じゃあ……テレビ台は持ってっていいから、家に帰ったらカヌーは捨ててくれ。)
Peter: We’re not throwing it away. I built that canoe.
(捨てたりしないよ。そのカヌーは僕が作ったんだ。)
Joey: Good for you!
(えらいぞ!)
Friends Season4 Episode2(The One With the Cat)
I really don’t think we need ~ は、need を直接打ち消すより don’t think を前に出すことで、断りの響きを少しやわらげる形です。トニーの You got to ~ は have got to のくだけた言い方で、「〜してもらわないと困る」と条件を譲らない姿勢を表します。
ピーターの返しは、冒頭のジョーイの言い分と同じ We’re not throwing it ~ の形で、作り手として手放さない意思を示します。ジョーイの Good for you! は帰りかけたピーターに向けた言葉で、「よく言った」と相手の言い分に賛成しています。
まとめ|家具を売りに出すときの英語
How ‘bout we sell it? で切り出し、or best offer で値段の幅を示し、交換の申し出には I really don’t think we need ~ でやわらかく断る流れを見てきました。売り手の英語を知っておくと、ものを手放す場面でも話を進めやすくなります。
手作りの家具をめぐる二人の言い合いを観ながら、売り買いの英語に親しんでいきましょう。
この回のほかのコラムやフレーズ記事では、同じエピソードの別の場面の英語を取り上げました。


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