海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン4第10話では、ロスが二人の女性とデートを重ね、どちらにするか決められずにいます。一人は電車で2時間かかる町に住み、もう一人はすぐ近くのアップタウンに住んでいます。
似たつづりの upstate と uptown は、どちらも場所を言う語ですが、指す範囲が違います。この二つの違いに加えて、移動にかかる時間で距離を伝える言い方や、行き帰りの道筋を言う英語を、ロスの話の流れに沿って見ていきます。
「a museum upstate」電車で出会った相手の話
チャンドラーとジョーイの部屋に、ロスが遅れてやって来ます。どこにいたのかとフィービーに聞かれて、ロスはデートの話を始めます。
Phoebe: So, where were you?
(で、どこに行ってたの?)
Ross: Oh, on a date. I met this girl on the train going to a museum upstate.
(ああ、デートだよ。北部の博物館に行く電車で、ある子と出会ったんだ。)
Friends Season4 Episode10(The One with the Girl from Poughkeepsie)
upstate は、ニューヨークの話では、州のうちニューヨーク市より北の地域を指して使われることが多い語です。ここでは a museum upstate のように名詞のあとに置かれ、「北部にある博物館」という意味になっています。副詞として go upstate(北部へ行く)のように使われることもあります。
on the train going to ~ は「〜へ向かう電車で」です。going to ~ が train を後ろから説明していて、どこ行きの電車だったかを一息で伝えられます。I met this girl の this は、「ある女の子」と話題の人物を持ち出すときの口語的な使い方です。
ロスが電車で出会った相手は、ポキプシーという町に住んでいます。このあとロスは、近くに住む別の相手とも会うようになり、二人のどちらにするか迷い始めます。博物館の名前は、作中では語られません。
「she lives right uptown」遠くの相手と近くの相手
場面はカフェのセントラルパークに移ります。今夜デートがあると話すロスは、その相手がポキプシーの人とは別の女性だと明かし、二人を比べ始めます。
Ross: Yeah, this is someone else I met and I-I can’t decide between the two of them. You know, the one from Poughkeepsie even though she’s a two-hour train ride away is really pretty, really smart, and a lot of fun but this other girl… well, she lives right uptown. Well, she’s… well, she’s, she’s just as pretty. I guess she’s smart. She’s not fun.
(うん、これは別に出会った人で、二人のどっちにするか決められないんだ。ほら、ポキプシーの子は電車で2時間かかるけど、すごくきれいで、すごく頭がよくて、すごく楽しい。でももう一人の子は……そう、アップタウンのすぐそこに住んでる。彼女は……そう、同じくらいきれいだ。頭もいいんだと思う。楽しくはないけど。)
Phoebe: If she’s no fun why do you want to date her at all?
(楽しくないなら、どうしてその人とデートしたいの?)
Ross: Well, I want to give her another chance, you know? She lives so close.
(いや、もう一度チャンスをあげたいんだ。すごく近くに住んでるしね。)
Friends Season4 Episode10(The One with the Girl from Poughkeepsie)
uptown は、街の中心部から見て北側の地区を指して使われることの多い語です。ニューヨークのマンハッタンなら、島の北寄りの地区を指すのが一般的とされています。つまり upstate が州の中の広い地域を指すのに対して、uptown は同じ街の中の一部を指すという違いがあります。she lives right uptown の right は「すぐ」と近さを強める働きです。
| 語 | 指す範囲 | 作中の使われ方 |
|---|---|---|
| upstate | 州の北部(市の外) | a museum upstate |
| uptown | 街の北側の地区 | she lives right uptown |
もう一つの注目点は a two-hour train ride away です。ride は乗り物に乗って移動すること、away は「離れて」を表し、合わせて「電車で2時間のところにいる」と、距離を移動時間で言い表しています。two-hour のように数字と単位をハイフンでつなぎ、名詞の前に置くときは hour が単数形になります。最後の She lives so close. は、近さを理由に挙げる言い方です。
「a two-hour ferry ride to Nova Scotia」行き帰りの道筋を言う
別の場面で、ロスはまだ二人のうち一人を選べていないと話します。それを聞いたフィービーが、ある提案をします。
Phoebe: You don’t really like the one uptown and you’re too exhausted from dating the one in Poughkeepsie so I say you end them both. Take a train up to Poughkeepsie and you break up with her and on your way back, you break up with uptown and then by the time you get home tonight
(アップタウンの人のことはそれほど好きじゃないし、ポキプシーの人とのデートで疲れ切ってる。だから、二人とも終わりにしちゃえばいいのよ。電車でポキプシーまで行って彼女と別れて、帰りにアップタウンの人と別れて、そうすれば今夜家に帰るころには)
Ross: You know what, you’re right. Thank you.
(そうだな、君の言うとおりだ。ありがとう。)
Friends Season4 Episode10(The One with the Girl from Poughkeepsie)
take a train up to ~ の up は、北へ、あるいは中心から離れた方へ向かう感覚で使われることがあります。on your way back は「帰る途中で」、by the time you get home は「家に着くころには」です。行きと帰りを順に並べることで、一日の動きを一続きの道筋として説明しています。
ところがロスはポキプシー行きの電車で眠ってしまいます。ポキプシーの駅で相手が窓の外から呼びかけますが、電車はそのまま動き出します。ロスが目を覚ましたのは終点のモントリオールで、隣には別の女性が座っていました。
Woman On Train: We’re at my stop but would you like to have coffee?
(私の降りる駅に着いたんだけど、よかったらコーヒーでもどう?)
Ross: Are we really in Montreal?
(ここ、本当にモントリオール?)
Woman On Train: Yes, we are. So, coffee?
(ええ、そうよ。それで、コーヒーは?)
Ross: Coffee sounds great.
(コーヒー、いいね。)
Ross: Wait. So, you live in Montreal?
(待って。じゃあ、モントリオールに住んでるの?)
Woman On Train: No, but it’s just a two-hour ferry ride to Nova Scotia.
(ううん。でもノバスコシアまで、フェリーでたった2時間よ。)
Friends Season4 Episode10(The One with the Girl from Poughkeepsie)
We’re at my stop. の stop は、電車やバスの停車駅のことです。女性の最後の答えには、先ほどの train ride と同じ形の a two-hour ferry ride が出てきます。乗り物の名前を入れ替えるだけで、移動手段と時間を一度に伝えられる形です。遠くに住む相手との話から始まったロスの話は、またしても遠くに住む相手との出会いで締めくくられます。
まとめ|住む場所と移動時間を伝える英語
州の北部を指す upstate と街の北側を指す uptown の違い、a two-hour train ride away のように移動時間で距離を言う形、on your way back や by the time you get home で道筋を言う表現を見てきました。どれも、住んでいる場所や待ち合わせの話でそのまま使える言い回しです。
ロスの遠回りな道のりを追いかけると、場所と距離を伝える英語が自然に見えてきます。
この回のほかのコラムやフレーズ記事では、同じエピソードの別の場面の英語を扱っています。


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