海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン5第7話では、住んでいた部屋を出ることになったロスが、チャンドラーとジョーイの部屋にしばらく身を寄せます。泊める側の申し出、泊めてもらう側のお礼と遠慮、そして同居で積もる小さな不満までが、一つの話の中に描かれています。
友達の家に世話になるとき、あるいは友達を迎えるときの英語は、気づかいの言葉が中心です。申し出とお礼、我慢の言葉、遠慮への返し方を順に見ていきます。
「I really appreciate you guys letting me stay here」泊める申し出とお礼
カフェのセントラルパークで、部屋を出なければならなくなったと話すロスに、ジョーイが申し出ます。
Joey: Hey, you could stay with us. We’ll take care of you.
(なあ、うちに泊まればいいよ。俺たちが面倒見るからさ。)
Friends Season5 Episode7(The One Where Ross Moves In)
you could ~ は「〜してもいいよ」と選択肢を差し出す言い方で、you can ~ より押しつけの弱い提案として使われることがあります。take care of ~ は「〜の面倒を見る」という意味です。ロスはその場で2人にお礼を言い、荷造りに向かいます。
場面はチャンドラーとジョーイの部屋に移ります。2人が帰ってくると、部屋中にロスの箱が置かれていました。
Ross: Yeah, I know, I know, it’s a lot of boxes but again, I really appreciate you guys letting me stay here.
(ああ、わかってる、わかってる、箱だらけだよな。でも改めて、泊めてくれて本当に感謝してるよ。)
Joey: Not a problem.
(どうってことないさ。)
Friends Season5 Episode7(The One Where Ross Moves In)
appreciate は感謝の対象を目的語に取る動詞で、I appreciate you guys letting me stay here は「君たちが泊めてくれることに感謝している」という形です。Thank you に比べて、相手のしてくれた行為そのものに焦点を当てた言い方として使われることがあります。ロスは it’s a lot of boxes と散らかりを自分から認めたうえで、again を添えてお礼を重ねています。ジョーイの Not a problem. は、お礼を受けて「気にしなくていい」と返す短い一言です。
「I guess I can hold out a little longer」迎え入れた側の我慢の言葉
同居が始まると、迎えた側には小さな不満が出てきます。チャンドラーはロスの空気清浄機の音を嫌がり、ジョーイは「ロスは友達で、いま俺たちが必要なんだ」となだめます。ところが、テーブルサッカーをするためにジョーイの部屋へ移ったあとは、今度はジョーイが、ロスの「静かに」という手ぶりなどへの不満をこぼします。チャンドラーはこう返します。
Chandler: All right, look, you know this may be tough, but come on, it’s Ross. I survived college with him.
(なあ、いいか、きついかもしれないけど、相手はロスだぞ。俺は大学時代をあいつと乗り切ったんだ。)
Joey: All right. I guess I can hold out a little longer. Let’s have a game.
(わかったよ。もう少しなら我慢できると思う。さあ、試合しようぜ。)
Friends Season5 Episode7(The One Where Ross Moves In)
this may be tough, but ~ は、相手のつらさを認めてから「それでも」と続ける譲歩の形です。come on, it’s ~ は、相手が誰なのかを持ち出して「あいつのことだから」と大目に見るよう促す言い方です。survive は本来「生き延びる」ですが、ここでは大学時代の同居を「乗り切った」と大げさに言う冗談めかした使い方です。
ジョーイの hold out は「持ちこたえる」「我慢を続ける」という句動詞です。I guess と a little longer が付くことで、「まあ、もうしばらくは」という控えめな約束になっています。ただ、2人はこのあとロスに小さな部屋を勧め、ロスはその部屋に申し込みますが、入居はかないませんでした。
「Are you guys sure about this?」遠慮する相手への返し方
申し込みが通らなかったと話したロスは、次の行き先も告げます。箱だらけの部屋で、こんなやりとりが続きます。
Ross: Yeah, but the good news is Phoebe said I could stay at her place for a while, so…
(ああ。でもいい知らせもあって、フィービーがしばらく泊めてくれるって言うんだ。だから……)
Joey: Well, you can’t stay with Phoebe, Ross. We’re roomies.
(フィービーのとこなんてだめだよ、ロス。俺たちはルームメイトだろ。)
Ross: Look, you guys don’t need me here taking up all your space.
(なあ、俺がここで場所を占領してたら、お前たちも困るだろ。)
Joey: We got plenty of space. There’s still some over there by that speaker.
(場所ならたっぷりあるって。あのスピーカーのそばにもまだ空いてるし。)
Chandler: Yeah.
(そうだよ。)
Ross: Are you guys sure about this?
(本当にいいのか?)
Friends Season5 Episode7(The One Where Ross Moves In)
take up space は「場所を取る」で、ロスは自分が負担になっていると遠慮を口にします。それに対するジョーイの返しは2段構えです。We’re roomies. で関係を理由に引き止め、We got plenty of space. で相手の心配そのものを打ち消しています。Are you guys sure about this? は「本当にいいの?」と相手の本意を確かめる問いです。be sure about ~ は「〜について確信がある」で、遠慮する側が最後にもう一度念を押すときに使われます。
このあと2人がそろって残るように言い、ロスは受け入れます。
話はもう一歩続きます。ロスは自分にも迷惑なところがあると認めたうえで、こう頼みます。
Ross: Tell me if something’s bothering you, okay?
(何か気になることがあったら言ってくれよ、いいな?)
Friends Season5 Episode7(The One Where Ross Moves In)
bother は「気に障る」「困らせる」で、if something’s bothering you は「何か引っかかっていることがあれば」という意味です。Tell me if ~ の形にすると、相手に話してほしいと頼む言い方になります。同居する相手に、不満を溜めずに言ってほしいと伝える一言です。
まとめ|泊める側と泊めてもらう側の英語
you could stay with us の申し出、I really appreciate ~ のお礼、hold out の我慢、We got plenty of space の打ち消しと Are you guys sure about this? の確認を見てきました。双方の気づかいが短い言葉で行き来する回です。
3人のやりとりを聞き比べると、会話の温度が伝わってきます。
このエピソードのフレーズ記事やほかのコラムでも、同じ回の別の場面の英語を扱っています。


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