海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
身近な人の恋や新しい挑戦に、「いいよ、応援するよ」と背中を押した経験はありませんか。
そんなときに使える「have one’s blessing」を、『フレンズ』シーズン6第13話の後半、ロスがレイチェルに、お返しの言葉を伝えるシーンから、一緒に見ていきましょう。
「have one’s blessing」の意味とニュアンス
have one’s blessing
意味:(人の)了承・承認を得ている、認めてもらっている
blessingは、宗教的な祝福のほか、「承認」「了承」の意味でも使われる語です。have one’s blessing は、直訳すると「その人の祝福を持っている」で、その人に認めてもらっている状態を表します。交際や結婚、計画などに対して、相手が「いいよ、賛成だよ」と認めていることを言い表す形です。
原形は have one’s blessing で、one’s の部分には my、your、his、her などが入ります。作中では one’s が my に置き換わり、you have my blessing の形で登場します。この形は、認める側が「相手は私の承認を持っている」と、相手に許可を伝える言い方です。
一方、I have her blessing のように主語を自分にすれば、「自分は彼女の承認を得ている」と、もらった側の状態を述べる形になります。誰のblessingを、誰が持っているのかを、主語と所有格で言い分ける形です。
【ここがポイント!】
- 「have one’s blessing」の核は、相手の交際や計画を認めるという、了承のしるし
- 認める側は you have my blessing、認められた側は I have her blessing のように言う
- blessing は「祝福」だけでなく「了承・承認」の意味でも使われる
『フレンズ』S06E13のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
ジルがロスを誘う話が出た流れの続きで、レイチェルとロスが言葉を交わす場面です。ロスが「君がいいって言ってくれたから」と話し、レイチェルが聞き返したあと、ロスがお返しの言葉を口にします。そこへジョーイが「And mine.」と加わります。
Rachel: Really?
(そうなの?)Ross: Yeah, but after you said it was okay, I figured, why not?
(ああ、でも君がいいって言ってくれたから、まあいいかって思ったんだ。)Rachel: Oh, so… so, not really never?
(あら、それじゃ……その、本当は絶対にないわけじゃなかったのね?)Ross: I have to say you are a much bigger person than I am. I mean, after all we’ve been through I just… I wish I had a brother to reciprocate. If you ever want to go out with Monica you have my blessing.
(言わせてもらうけど、君は俺よりずっと器が大きいよ。だって、俺たちのこれまでのことを思えば、その……お返しできる兄弟が俺にもいたらなって思うんだ。もし君がモニカと付き合いたくなったら、俺は認めるよ。)Joey: And mine.
(俺のもな。)Friends Season6 Episode13(The One with Rachel’s Sister)
シーン解説と心理考察
ロスの「If you ever want to go out with Monica you have my blessing.」は、お返しの形をとった申し出です。直前でロスは、レイチェルを「a much bigger person than I am」と持ち上げ、「after all we’ve been through」と二人のこれまでに触れ、「I wish I had a brother to reciprocate.」と続けています。認めてもらったことへの見返りを、何か差し出したいという流れです。
ところが、自分には兄弟がいません。お返しとして名前を挙げるのは、妹のモニカです。兄弟がいないという前置きのあとに妹の名前が出てくるため、お返しの申し出としてはずれた形になっています。そのずれが、この一言の印象を決めています。「もし〜したくなったら」と仮定の形にしているため、実際の交際を勧めるというより、お返しの気持ちを示す言い回しとして置かれています。
もうひとつの見どころは、ロスの「after you said it was okay」という言い方です。ロスは、レイチェルの承認をもらってから、ジルのことを「why not?」と考えた、と話しています。承認が行動の前提になっているため、そのお返しとして自分も承認を差し出す、という筋立てが、have my blessing という言葉によく合っています。もらった承認を、そのまま相手へ返す往復の形が、会話の中で組み上がっています。
レイチェルの「not really never?」は、引用より前の場面でロスが口にした「never」が本当は絶対ではなかったことを突く言い直しです。直前にロスが「I figured, why not?」と話しているため、その言葉尻を捉えて確かめる形になっています。そこにジョーイが「And mine.」と加わります。「(you have) mine」と省略した形で、ロスの言葉にそのまま乗る運びです。mine が my blessing を受けているため、短い言葉でも意味が通じます。すでに出た言葉を受けて、同じ形をそのまま重ねる言い方は、会話の中で短く賛成を示したいときにも使える形です。
『フレンズ』流・覚え方のコツ
相手が差し出した承認のしるしを、手のひらで受け取る様子を思い浮かべてみましょう。しるしを手に持っているから、前へ進んでよい。その感覚が「have one’s blessing」の芯にあります。
ロスの場面では、認める側のロスが、自分の承認のしるしを差し出す形です。「you have my blessing」と言うとき、しるしはすでに相手の手の中にあります。差し出す動作ではなく、「もう持っているよ」という状態で言い表すため、許可を出す側の余裕のようなものが言葉に乗ります。
逆に、承認をもらった側が「I have her blessing」と言えば、しるしを手に持って前へ進む側の言い方になります。手に持っているのが誰のしるしなのかを、one’s の位置で示すと覚えやすくなります。my なら話し手のしるし、your なら相手のしるし、と入れ替えるだけで、誰の承認の話なのかが変わります。
例文で覚える「have one’s blessing」
友人の交際を認める場面、往復の会話、ビジネスの場面の3つで、使い方を確認していきましょう。
If you want to date my sister, you have my blessing.
(私の妹と付き合いたいなら、認めるよ。)
友人の交際を認める場面です。認める側が you have my blessing と、承認を持っている状態を相手に伝えています。
A: Are you sure it’s okay if I ask her out?
B: Go ahead. You have my blessing.
(A:彼女を誘っても本当にいいの?)
(B:どうぞ。俺は認めるよ。)
誘う前に許しをもらう会話です。Go ahead と組み合わせると、後押しする気持ちがはっきり伝わります。
You have my blessing to move forward with the plan.
(その計画を進める許可は出すよ。)
上司が部下に了承を伝える場面です。to のあとに、認める内容を続けられます。
あわせて覚えたい関連表現
give one’s blessing
((人に)了承・承認を与える)
give one’s blessing は、承認を出す側の動作を表します。have one’s blessing は、承認をもらっている状態、または you have my blessing と伝える形で使われる点が異なります。
with one’s blessing
(〜の了承を得て)
with one’s blessing は、「了承を得て〜する」と、行動の前提を示す前置詞句です。have one’s blessing は、「了承がある」という状態を述べる点が異なります。
get one’s blessing
((人の)了承を得る)
get one’s blessing は、承認を得る動作に焦点があります。have one’s blessing は、得たあとの状態や、与える側の宣言に使われます。
Note|have・give・get・withで変わる、承認の視点
blessingを使った表現は、つく動詞や前置詞によって、誰の視点から見ているかが変わります。動詞や前置詞が変わるだけで、承認を出す側なのか、もらう側なのか、状態を述べているのかが入れ替わります。
give one’s blessing は、承認を出す側の動作です。get one’s blessing は、承認をもらう側の動作にあたります。with one’s blessing は、承認を得たうえで行動する、という前提を示します。そして have one’s blessing は、承認がある状態を表し、認める側が you have my blessing と宣言する形でも使われます。
ロスの場面は、最後の形です。認める側のロスが、「you have my blessing」と、承認を持っている状態を相手に伝えています。また、「after you said it was okay」というロスの言い方は、承認を得たうえで動く、with one’s blessing にあたる感覚と重なっています。
同じ blessing でも、動詞ひとつで視点が入れ替わります。場面の台詞を訳すときも、誰が承認を出し、誰が受け取っているのかを先に確かめると、日本語の「認める」「許す」「了承をもらう」のどれに当たるかが決まります。
まとめ|承認のしるしを、相手の手に渡す一言
have one’s blessingは、相手の交際や計画を認める、了承・承認を表す表現です。認める側は you have my blessing、認められた側は I have her blessing のように、主語と所有格で視点を言い分けます。
ロスは、レイチェルの承認をもらったお返しとして、「you have my blessing」と伝えていました。兄弟がいないという前置きと、妹の名前を挙げる申し出のずれが、この場面の見どころです。そこにジョーイが「And mine.」と乗る運びも含めて、短い言葉で意味が通じる形を示しています。
友人の交際にも、仕事の進め方にも当てはまる形なので、認める気持ちを一言で伝えたい場面の引き出しに加えてみてください。許可を伝える側にも、もらう側にも使える、了承のしるしを表す言い方と言えます。


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