「spare someone’s feelings」の意味と使い方|『フレンズ』S02E01で学ぶ英会話

「spare someone's feelings」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

相手が傷つくと分かっているから、あえて本当のことを言わずに黙っておく——そんな優しい気遣いをした経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。

その気遣いをそのまま表す「spare someone’s feelings」を、『フレンズ』シーズン2第1話、モニカに髪を切ってほしいと頼まれたフィービーが、つい本音を漏らしてしまうカフェのシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「spare someone’s feelings」の意味とニュアンス

spare someone’s feelings
意味:人の気持ちを傷つけないようにする、気を遣って本当のことを言わない

「spare someone’s feelings」は、相手が傷つかないように、あえて本当のことを言わなかったり、言い方をやわらげたりする気遣いを表す表現です。

鍵になるのは動詞「spare」です。spare には「(嫌なことや苦痛を)~に負わせずに済ませる、免れさせる」という意味があり、これが「feelings(感情)」と組み合わさることで、「相手の気持ちが傷つくのを免れさせる=気を遣う」となります。悪い知らせ、厳しい評価、不都合な真実などを、相手への配慮からやわらげたり伏せたりする場面で使われます。「I was trying to spare your feelings(あなたを傷つけたくなかったの)」のように、優しさから真実を言わなかった理由を説明するときにぴったりの表現です。

【ここがポイント!】

  • 「spare」は「苦痛を免れさせる・かばう」が核の動詞
  • 「相手の気持ちを、傷つくことからかばう」から「気を遣って言わない」になる
  • 優しさゆえの遠慮を表す一言、時に「言い訳」にもなるのが面白いところ

『フレンズ』S02E01のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

モニカに散髪を頼まれたフィービーが、「あなたって超几帳面で、信じられないくらいの仕切り魔」と、悪気なく本音をこぼします。ムッとするモニカに、フィービーはさらりと言い訳を返します。

Monica: I’m not a control freak!
(私、仕切り魔なんかじゃないわ!)

Phoebe: Well, you know, honey, I was trying to spare your feelings.
(えっと、あのね、あなたの気持ちを傷つけたくなくて黙ってたのよ)

Monica: So you all think I’m a control freak?
(じゃあ、みんな私を仕切り魔だと思ってるの?)

Friends Season2 Episode1(The One with Ross’s New Girlfriend)

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シーン解説と心理考察

フィービーに悪意はまったくなく、むしろ「あなたを傷つけたくなかったから言わなかった」という善意のつもりで「spare your feelings」を持ち出しているのが、この場面の妙です。ところがその一言で、実は仲間全員が同じことを思っていたという事実が露呈してしまう可笑しさがにじみます。相手を思って真実を伏せるという配慮が、皮肉にも図星を認める結果になっている構造が表れています。天然でありながら核心を突いてしまうフィービーのキャラクターが、この短いやり取りに凝縮されて響きます。優しさから出た言葉が墓穴になるという、フレンズらしい会話の妙が光る場面です。

『フレンズ』流・覚え方のコツ

「spare」は、「大事に取っておく」「免れさせる」というイメージを持つ動詞です。spare tire(予備タイヤ)や、「Spare me!(勘弁して!)」の spare を思い出すと、その「かばう・免れさせる」感覚がつかめます。

その spare を「相手の feelings(気持ち)」に向けると、「相手の気持ちを、傷つくことからかばってあげる」=「気を遣って本当のことを言わない」になります。このシーンでは、フィービーが「本当は仕切り魔だと思ってたけど、あなたの気持ちをかばって黙っててあげた」と言い訳します。その「かばう」しぐさと、結局バレてしまうオチをセットにして覚えておきましょう。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「spare someone’s feelings」

優しさから本音を伏せる「spare someone’s feelings」。3つの例文で、その使い方を見ていきましょう。

I didn’t tell her the dress looked bad. I was trying to spare her feelings.
(そのドレス変だよとは言わなかった。彼女を傷つけたくなかったから)
友人に気を遣って本音を伏せた場面です。シーンと同じ「was trying to spare」の形で、遠慮した理由を説明できます。

He softened the feedback to spare the intern’s feelings.
(彼は研修生を傷つけないよう、フィードバックをやわらげた)
職場で配慮しながら評価を伝える場面です。目的を表す「to spare ~」で、「~を傷つけないように」という気遣いを添えられます。

A: Just tell me honestly — was my presentation bad?
B: I don’t want to spare your feelings here, so… it needed work.
(A:正直に言って。私のプレゼン、ダメだった?)
(B:ここは気を遣わずに言うね。うん、まだ改善の余地があった)
率直な意見を求める会話です。「I don’t want to spare your feelings」で、あえて遠慮せずに本音を言う姿勢を示せます。

あわせて覚えたい関連表現

sugarcoat
(不都合な事実を口当たりよく飾って伝える)
「spare someone’s feelings」が「そもそも言わない・伏せる」方向なのに対し、「sugarcoat」は「伝えるけれど甘く飾る」方向です。伏せるか、飾って伝えるかの違いがポイントです。

break it to someone gently
(悪い知らせをやんわり伝える)
「伝える前提でソフトに切り出す」表現です。伝えないことも含む「spare someone’s feelings」とは、そこが違います。

white lie
(人を傷つけないための、罪のない嘘)
「優しい嘘」という手段を指す表現です。「spare someone’s feelings」がその嘘をつく動機や目的を表すことが多いのに対し、white lie は嘘そのものを指します。

Note|spare の「惜しむ・免れさせる」という中核イメージ

「spare someone’s feelings」を深く理解する鍵は、動詞「spare」そのものにあります。この単語は古英語の sparian(節約する、容赦する)にさかのぼるとされ、大きく二つの方向の意味を持っています。

一つは「使わずに取っておく」方向。spare tire(予備タイヤ)、spare time(空き時間)、spare change(小銭)などがこの系統です。もう一つが「(罰・苦痛・面倒を)~に負わせずに免れさせる」方向で、「Spare me the details(細かい話は勘弁して)」や、命乞いの「Spare my life(命だけは助けて)」がこれにあたります。「spare someone’s feelings」は後者の系統から生まれた表現で、「相手に感情的な苦痛を負わせずに済ませる=気持ちをかばう」という意味になります。一見バラバラに見える spare の用法も、「本来なら使う・負わせるところを、あえてそうしない」という共通の核でつながっているわけです。

この核をつかんでおくと、「spare someone’s feelings」が単なる暗記フレーズではなく、spare という動詞の自然な延長として腑に落ちてきます。

一つの動詞の奥行きが、そのまま表現の理解を支えてくれます。

まとめ|優しさゆえに本音を伏せる、その一言

「spare someone’s feelings」は、相手が傷つかないように、あえて本当のことを言わなかったり、やわらげたりする気遣いを表す表現です。

このフレーズを知っておくと、誰かに気を遣って本音を伏せた理由を説明したいときや、逆に「今日は遠慮せずに言うね」と率直さを示したいときに、そのニュアンスを的確に伝えられるようになります。フィービーのように、優しさから出た一言が思わぬ本音の露呈につながる——そんな会話の機微も、この表現を通して見えてきます。

人との距離感をやわらかく保つ言葉として、表現の引き出しに加えてみてください。

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