海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『メンタリスト』シーズン6第2話には、職場の同僚どうしが、上司の様子を聞いたり、新しい案件の割り振りを口にしたりするごく短いやりとりが出てきます。
質問も返事も一言ずつと短く、そのぶん近況の聞き方や引き受け方の形がはっきり見えます。会話の流れに沿って、使われている表現がそれぞれどんな働きをしているのかを、場面ごとに順に整理していきます。
「How’s the boss?」様子を聞き、形容詞を並べて返す
最初は、上司の近況をめぐるやりとりです。質問と返事が短く続きます。
— How’s the boss?
(ボスの具合はどうだ?)
— Awake and cranky.
(起きてるけど、不機嫌だ。)
— Are they releasing her today?
(彼女は今日、解放されるのか?)
— Yes, I guess.
(ああ、たぶんな。)
The Mentalist Season6 Episode2 (Black-Winged Redbird)
How’s the boss? は How is the boss? の短縮形で、人の様子や調子を聞く質問です。boss は職場の上司を指す語で、親しみのある呼び方として使われることがあります。
返事の Awake and cranky. は、She’s awake and cranky. から主語と be 動詞を省いた形です。awake は「目が覚めている」、cranky は「機嫌が悪い」を表す形容詞で、二つを and でつなぐだけで状態を伝えています。会話では、主語が明らかなときに、こうして形容詞だけで答えることがあります。
次の質問の Are they releasing her today? は、現在進行形で近い予定を尋ねています。they は特定の誰かを名指しせず、漠然と「向こう側」を指す言い方です。release は「解放する」という意味の語で、ここでは her を目的語にしています。
返事の Yes, I guess. は、Yes と肯定しながら、I guess で断定を弱めています。「そうだと思う」程度の確かさを示す短い返しです。
「Who’s in charge ~?」留守の責任者を確かめ、「Look out.」で注意を促す
続けて、同じ会話の少しあとのやりとりです。こちらも質問と返事が続きます。
— Uh-oh. Look out.
(おっと。気をつけろ。)
— So who’s in charge until Lisbon gets back?
(じゃあ、リズボンが戻るまで、誰が指揮を執るんだ?)
— I am, sir.
(私です。)
The Mentalist Season6 Episode2 (Black-Winged Redbird)
Uh-oh. は、何か具合の悪いことに気づいたときに出る声です。続く Look out. は「気をつけて」と注意を促す短い言い方で、何に気をつけるのかは、この台詞だけでは分かりません。
後半の So who’s in charge until ~ gets back? は、留守の間の責任者を尋ねる形です。in charge は「責任者で」「担当で」、until ~ は「〜まで」です。時を表す節の中では未来のことでも現在形を使うため、gets back と書かれています。文頭の So は、話題を切り替えて確認に入る合図として働いています。
返事は I am, sir. と短く答えています。Who で聞かれたときは、I am in charge. の in charge を省いて I am. と言えます。この形では I’m と縮めず I am と言う、というのも語法上の決まりです。文末の sir は、丁寧に呼びかける言い方です。
質問が長めでも、返事は I am. の2語で足ります。
「We’ll get on it.」「I’ll ~」と分担を口にし、「You, ~?」と水を向ける
新しい案件の知らせを受けたあとは、役割分担のやりとりになります。
— We’ll get on it.
(取りかかります。)
— Yeah, I’ll, uh, go with him.
(ああ、私は彼と一緒に行きます。)
— I’ll check with the P.D. See what they dug up.
(警察に確認してくる。何をつかんだか聞いてみる。)
The Mentalist Season6 Episode2 (Black-Winged Redbird)
get on ~ は「〜に取りかかる」で、it は受けた知らせを指しています。We’ll と主語を複数にして、自分たちで引き受ける意思を示す形です。
続く I’ll go with him. は go with ~ で「〜に同行する」、I’ll check with the P.D. は check with ~ で「〜に確認する」です。どちらも I’ll で始まり、その場で自分の担当を決めて口にしています。uh の入る言いよどみも、会話らしさを作っています。
See what they dug up. は命令文の形で、see what ~ が「〜を確かめる」です。dig up は「掘り出す」から「見つけ出す」へ広がる表現で、dug はその過去形です。P.D. は police department の略で、会話ではこう呼ばれることがあります。
分担が決まったあと、名指しで水を向けるやりとりが続きます。
— You, Jane?
(君はどうする、ジェーン?)
— Oh, I’m, uh, busy.
(ああ、ええと、忙しくて。)
— No doubt.
(そうだろうな。)
The Mentalist Season6 Episode2 (Black-Winged Redbird)
You, ~? の形は、名詞だけで「あなたは?」と問いかける形です。呼びかける名前を後ろに添えています。返事の I’m busy. は、断るとは言わずに、理由を述べる形です。
最後の No doubt. は「疑いない」が元の意味で、相手の言葉を受けて返す相づちとして使えます。口調が分かる場面では皮肉にも聞こえることがありますが、この台詞だけでは判断できません。
ここまでの表現を整理すると、次のようになります。
| 表現 | 働き |
|---|---|
| How’s the boss? | 人の様子を聞く |
| Who’s in charge until ~? / I am. | 留守の責任者を確かめる・名乗り出る |
| We’ll get on it. / I’ll go with ~. | 引き受けと担当を口にする |
| You, ~? / No doubt. | 名指しで聞く・短く受ける |
まとめ|聞く・確かめる・引き受ける短い一言
How’s the boss? で近況を聞き、Who’s in charge ~? で責任者を確かめ、We’ll get on it. や I’ll ~ で担当を口にする。職場の会話に出てくる短い形が、一つの流れの中に並んでいました。
次回も『メンタリスト』と一緒に、場面ごとの英語を見ていきましょう。
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