海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『メンタリスト』シーズン4第21話には、「ちょっと待って」にあたる英語が、場面を変えて何度か出てきます。この記事では、席を外す言葉のあとに呼び止める場面、不利な点を挙げられて割り込む場面、会わせてほしいという求めに短い一言が続く場面の三つを取り上げます。
同じ「待って」でも、言葉の選び方と、その場で担う働きが違います。短い台詞ばかりですが、それぞれの違いを順に見ていきます。
「Hang on a minute」席を外す言葉のあとで呼び止める
最初の場面では、舞台の幕開けが近いことが語られたあと、席を外す言葉と、それを止める声が続けて出てきます。
— If you’ll excuse me, the stage is calling.
(失礼します。舞台が呼んでいますので。)
— Hang on a minute. Did you see anybody in the alley?
(ちょっと待ってください。路地で誰か見ませんでしたか?)
The Mentalist Season4 Episode21 (Ruby Slippers)
If you’ll excuse me, ~ は、「失礼しますが」と断ってから用件を述べる前置きです。続く the stage is calling は、舞台を呼び声にたとえた言い方で、出番が迫っているために席を外す、という断りになっています。
そこへ入るのが Hang on a minute. です。hang on は「少し待つ」という意味の句動詞で、a minute は実際の一分間というより「少しの間」を指す言い方と読めます。この場面では、立ち去る言葉のすぐ後ろに置かれ、止めたあとで Did you see anybody in the alley? という質問へつながっています。
呼び止める言葉は、用件を切り出す前の合図の役目を果たしています。Hang on a minute. の直後に、Did you see anybody ~?(〜を見ませんでしたか)という問いが一続きで出てくるため、待たせる時間そのものより、これから聞くことへ相手の注意を向ける働きが目立ちます。
「Hey, wait a minute now」不利な点が重ねられる流れで割り込む
場面が移ると、今度は不利な点が次々に挙げられる流れの中で、同じ a minute を使った言い方が出てきます。直前には、アリバイがないという指摘と、さらに不利な事実が重ねられていきます。
— Hey, wait a minute now.
(ちょっと、待ってください。)
The Mentalist Season4 Episode21 (Ruby Slippers)
先ほどの Hang on a minute. は、あとに質問が続く呼び止めでした。こちらは、話の途中に入って流れを止める一言です。文頭の Hey は、相手の注意を引く呼びかけです。wait a minute は hang on a minute と同じく「少し待って」にあたり、末尾の now が、勢いよく進む話の調子をいったん止めるように添えられています。
この now は「今」という時間の意味ではなく、語気を整えて間を作る役割の語と読めます。台詞としては五語で終わる短さですが、前の発言を最後まで言わせずに止める形になっています。声をかけて注意を引き、待つよう求め、語気を整えるという三つの要素が、一息の中に収まっています。
先に見た呼び止めとの違いは、止める目的にあります。Hang on a minute. は、質問を差し込むために相手を止めていました。Hey, wait a minute now. は、次々に挙げられる話の流れそのものを止めようとする言い方として使われています。
「Hold on.」短く言い切る「待って」
三つ目の場面では、依頼人に会いたいという求めと、それに続く短い一言が出てきます。
— Well– attorney for Rick Hughes. I’d like to talk to my client, please!
(ええと……リック・ヒューズの弁護士です。依頼人と話をさせてください!)
— Hold on.
(待ってください。)
The Mentalist Season4 Episode21 (Ruby Slippers)
前半の台詞は、attorney for ~ で「〜の弁護士です」と立場を名乗り、I’d like to talk to ~, please! で、丁寧な形のまま要求を押し通しています。文末の感嘆符から、語気が強いことも読み取れます。client は弁護士にとっての依頼人を指す語です。
その直後に置かれるのが Hold on. です。hold on も「待つ」という意味の句動詞ですが、この台詞には a minute も now も付かず、二語で言い切られています。理由や条件を足さずに止める短さが、この場面での特徴です。長い要求のあとに、飾りのない一言が置かれる並びです。
三つを並べると、場面ごとの働きが見えてきます。Hang on a minute. は、呼び止めて次の質問へつなぐ言い方でした。Hey, wait a minute now. は、話の途中に割り込む言い方でした。Hold on. は、短く言い切って待つよう伝える言い方です。ここで見たのは作中の用法に限られるので、三つの語感の差は、場面での使われ方として整理するのが安全です。
まとめ|「待って」を場面で言い分ける
Hang on a minute で呼び止め、wait a minute now で割り込み、Hold on で短く言い切る。この回では、「待って」の言い方が三つの場面で分けて使われていました。
どの場面で、何のために止めているのかに注目して観ると、短い言葉の働きがより身近に見えてきます。
同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事でも、この回の別の場面の英語を扱っています。


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