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『メンタリスト』シーズン4第20話には、見知らぬ相手に声をかけられたり、身分を尋ねられたりする短い会話がいくつか出てきます。どれも一言ずつは短いものの、返し方にそれぞれ違いがあり、言葉選びの差がそれぞれ見えやすい会話です。
声をかけられたときの返し方、身分をぼかして返す言い方、打ち明け話に問い返す言い方を、場面の流れに沿って順に見ていきます。
「May I help you?」声をかけられたときの返し方
この話の前半、見かけない相手に、こう声がかけられる場面があります。
— I’m sorry. May I help you?
(すみません。何かご用ですか?)
— No. No help necessary.
(いいえ。お構いなく。)
The Mentalist Season4 Episode20 (Something’s Rotten in Redmund)
May I help you? は、見かけない相手に用件を尋ねるときの丁寧な言い方です。店や受付でも使われる形ですが、ここでは居合わせた相手への声かけとして出てきます。頭に付いた I’m sorry. は、謝るためというより、声をかける前の前置きとして置かれています。
返しの No help necessary. は、直訳すると「助けは必要ない」です。I don’t need any help. のように主語を立てた文より短く、「お構いなく」に近い軽い断り方になっています。necessary は「必要な」を表す形容詞で、No help と並べることで「助けは不要」を名詞句だけで言い切っています。かしこまった語を使いながら文は短く収めているため、丁寧さと簡潔さが同居した返しです。
同じ会話の少しあとには、その場にいた理由を言い添える一言が出てきます。
— Ah, I was just admiring your set.
(ああ、そちらのセットに感心していただけで。)
The Mentalist Season4 Episode20 (Something’s Rotten in Redmund)
admire は「感心して眺める」という意味で、just が「ただそれだけ」と理由を小さく見せています。your set は相手側のセットのことで、このあとは取り組んでいる劇の題を尋ねるやり取りへ進みます。ここまでは、声かけ、断り、居合わせた理由の順に並んでいます。断りのあと、名乗りのやり取りをはさんで理由が添えられています。
「Are you one of the cops?」身分を聞かれてぼかして返す
その後の別の会話では、身分を確かめる質問と、それをぼかして返す一言が続きます。
— Are you one of the cops?
(警察の人?)
— Cop-adjacent, maybe.
(警察に近い、かな。)
The Mentalist Season4 Episode20 (Something’s Rotten in Redmund)
one of the ~ は「〜のうちの一人」、cops は警察官を指すくだけた言い方で、police officer より短く、会話向きの語です。質問は、警察の一員かどうかを yes か no で尋ねる形をしています。
返しの Cop-adjacent は、adjacent(隣り合った、近い)を使った言い方で、「警察そのものではないが近い」という距離感を一語にまとめています。-adjacent は語の後ろにハイフンで付けて「〜に近い立場の」を表す作り方で、その場で組み立てた言葉のような軽さがあります。作中ではこの形で使われている、という範囲で押さえておけば十分です。末尾の maybe が加わり、言い切らずに余地を残す返しになっています。
yes とも no とも答えず、近い言葉に置き換えるだけで、身分をはっきり言わないまま質問に応じた形になります。質問の言葉をそのまま使わずに返す作り方が、この一言から分かります。
「How’s that going for you?」打ち明け話に軽く問い返す
同じ会話の少しあとには、出演の動機を打ち明ける一言が出てきます。
— I only auditioned to meet the girls.
(女の子たちに会うためだけに、オーディションを受けたんだ。)
— How’s that going for you?
(それで、うまくいってる?)
— Not good.
(よくないね。)
The Mentalist Season4 Episode20 (Something’s Rotten in Redmund)
audition は「オーディションを受ける」という動詞としても使え、auditioned to meet ~ で「〜に会うために受けた」と目的を示せます。only が目的をその一つに絞っています。
How’s that going for you? は、直訳すると「それはあなたにとってどう進んでいる?」で、いま話題になっている事柄の経過を尋ねる聞き方です。for you が付くことで、相手の状況に焦点が当たります。気づかいにも軽いからかいにも使える聞き方のため、ここでどちらの響きになるかは台詞だけでは決まりません。
返しの Not good. は、It’s not going well. のような文を縮めた形と読めます。主語や動詞を落として短く認め、そこで話を終えています。打ち明けのほうは過去の行動(auditioned)、問い返しは現在の進み具合(going)を尋ねていて、時制が切り替わることで話題が「そのとき」から「いま」へ移っています。
まとめ|短い返しに見える距離のとり方
May I help you? への No help necessary.、身分をぼかす Cop-adjacent, maybe.、打ち明け話への How’s that going for you? を見てきました。声をかけられた場面ごとに、短い言葉でどこまで答えるかが変わっていきます。
見知らぬ相手とのやり取りに注目して観ると、短い台詞の働きがより身近に見えてきます。
同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事では、この回の別の場面の英語も扱っています。


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