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『メンタリスト』シーズン5第6話には、話し合いを後回しにしたいという申し出が、理由を添えてはっきり退けられる場面があります。同じやりとりは折れる言葉で終わり、少し前には、条件をつけて折れる言葉も出てきます。
どれも短い言葉ですが、場面に応じて働きが少しずつ異なります。後回しの申し出への返し方と、折れるときの言い方の違いを、場面ごとに順を追って見ていきます。
後回しにしたい申し出を、理由を添えて断る形
ドアを破るかどうかをめぐって、やりとりが続きます。令状を取る時間がないという説明が出て、それに対して、局長のバートラムがこの件の扱いをとても気にしている、という応答が返ります。続けて、家族にはとても穏やかに接する必要がある、とも挙がります。
— Breaking down the door is not my first option, but I don’t have time to pull a warrant.
(ドアを壊すのが第一の選択肢ではありませんが、令状を取る時間がありません。)
— That may be the case, but Director Bertram is very concerned about the way we handle this one.
(そうかもしれませんが、バートラム局長は、この件の扱い方をとても気にしています。)
— We need to be very gentle with the Goodwin family.
(グッドウィン家には、とても穏やかに接する必要があります。)
— We’ll discuss this later.
(この話は、あとにしましょう。)
— No, we can’t. Do you see those press vans pulling up?
(いいえ、それはできません。報道のバンが集まってきているのが見えますか?)
The Mentalist Season5 Episode6 (Cherry Picked)
We’ll discuss this later. は、discuss の後ろに about を置かず、discuss this と目的語を直接つなぐ形です。later は文末に置かれ、いまではなく後で、という意味を添えます。
これに対する No, we can’t. は、No, we can’t discuss this later. の後半が省かれた形と読めます。申し出の中身を繰り返さなくても、直前の発言を受けていることが分かるため、短く返せます。理由は文を改めて、Do you see those press vans pulling up? という疑問文で示されます。see の後ろに those press vans と pulling up が続く形で、「報道のバンが近づいて止まるところが見える」という意味です。
断る言葉のあとに根拠を疑問の形で置くと、相手に目の前の状況を確かめさせる働きが出ます。述べるだけでなく、「見えますか」と問いかけるところが、この返しの特徴です。
なお、先に出てくる That may be the case, but … は、「そうかもしれませんが」と一度受け止めてから話を進める形です。very concerned や very gentle では very が重ねられ、局長の関心の強さと、穏やかに接する必要性が強調されています。
互いの事情を並べ、前置きをして動き、折れる形
同じやりとりは、さらに続きます。ここでは、言い分を並べる言葉、前置きを置いてから動く言葉、そして折れる言葉が順に出てきます。
— You’ve got your problems, I’ve got mine.
(そちらにはそちらの事情があるでしょうが、こちらにもあります。)
— Well, then I’m sorry to do this to you, Teresa.
(それなら、こんなことをするのは申し訳ないのですが、テレサ。)
— What are you doing?
(何をしているんですか?)
— Calling Director Bertram.
(バートラム局長に電話をかけているところです。)
— Fine. Uh, uh, y-you win.
(わかりました。あ、あなたの勝ちです。)
The Mentalist Season5 Episode6 (Cherry Picked)
You’ve got your problems, I’ve got mine. は、have got が have の口語的な形で、「持っている」という意味です。your problems と mine を並べることで、事情があるのは自分だけではない、という線の引き方になります。
I’m sorry to do this to you は、sorry to の後ろに動詞を置いて、これからすることへの申し訳なさを先に述べる形です。この前置きのあとで行動が示されるため、相手が受け取る気持ちの準備ができます。
Calling Director Bertram. は、I’m が省かれた短い言い方で、いましていることをそのまま伝えています。
最後の Fine. は、反論をやめるときに置かれる言葉です。You win. と続くことで、相手の言い分を通すと認める形になります。
条件をつけて折れる「Fine. I’ll stay. But …」
少し前に出てくる、携帯電話をめぐるやりとりにも、折れる言葉があります。ここでは、同じ Fine. でも、そのあとに条件がつきます。
— You are not leaving this house with that phone.
(その電話を持って、この家を出ることは認めません。)
— Fine. I’ll stay. But nobody’s touching my phone.
(わかりました。残ります。ただし、私の電話には誰にも触らせません。)
The Mentalist Season5 Episode6 (Cherry Picked)
You are not leaving … は、are not leaving という進行形の否定で、家から出ることを認めない、と伝えています。
これへの返事は、Fine. でいったん受け入れ、I’ll stay. と自分の動きを示します。ところが、But のあとに nobody’s touching my phone が続きます。nobody’s は nobody is の短縮形で、「誰も触らない」という意味です。But をはさむことで、受け入れた部分と、譲れない部分が分かれます。
先ほどの Fine. … you win. は、言い分を通すと認めて終える形でした。一方で Fine. I’ll stay. But … は、折れながらも、守りたい点を言い残す形です。同じ Fine. から始まっても、あとに続く言葉によって、折れ方の中身が変わります。
まとめ|後回しを断る形と、折れる二つの形
We’ll discuss this later. には、No, we can’t. と理由を添えて返す形があります。折れるときは、Fine. … you win. と認める形と、Fine. I’ll stay. But … と条件をつける形に分かれます。
次回も『メンタリスト』と一緒に英語を学んでいきましょう。
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