「be one’s own person」の意味と使い方|『モダンファミリー』S10E03で学ぶ英会話

「be one's own person」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

いつも「誰々の弟」「誰々の娘」と、周りの人との関係で呼ばれてしまい、自分の名前だけで見てもらえない。そんな気持ちを抱えたまま過ごした時期のある人もいるはずです。

その気持ちを言い切る「be one’s own person」を、『モダンファミリー』シーズン10第3話の後半、マグカップをめぐるやり取りのあとで、ルークがフィルに本音を打ち明ける場面から、一緒に見ていきましょう。

目次

「be one’s own person」の意味とニュアンス

be one’s own person
意味:自分らしくいる、他人に左右されず自立した一人の人間でいる

be one’s own personは、親やきょうだい、周りの期待に引っ張られず、自分の考えと判断で生きることを表します。ownは「自分自身の」という意味で、直訳すると「自分自身の人間である」になります。誰かの付属ではなく、一人の独立した人として存在する、という感覚です。

one’sの部分は、主語に合わせてmy、your、her、theirなどの所有格に入れ替わります。I want to be my own person.なら「自分らしくいたい」、She is her own person.なら「彼女は自分というものをしっかり持っている」という訳が自然です。beの代わりにstayを使うと「自分らしさを保ち続ける」、becomeを使うと「自分らしくなっていく」という変化の方向が加わります。比べられたり影響を受けたりする関係から離れる文脈で使われる表現で、周りとの関係そのものを切るという意味ではありません。これまでは自分らしくいられなかった、という前提のある文では、finallyやat lastと組み合わせることもできます。

【ここがポイント!】

  • 「be one’s own person」の核は、誰かとの比較や付属ではなく、自分という一人の人間であること
  • one’sは主語に合わせてmy、your、herなどに入れ替わる
  • beをstayやbecomeに替えると、保つ・なっていくという方向を足せる

『モダンファミリー』S10E03のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

この回では、ルークの通う短大で、フィルが講座を受け持つことになっています。ルークが「パパ、待って」とフィルを呼び止め、マグカップをまた忘れていると伝えます。フィルは「俺がここにいるべき人間だってわからないのか」と返します。ルークは「ごめん」と前置きしたうえで、自分だけの学校を持ったことがない、と語りはじめます。

Luke: Dad, wait.
(パパ、待って。)

Phil: Yes, Luke?
(なんだい、ルーク?)

Luke: Don’t forget your mug again.
(またマグカップ忘れてるよ。)

Phil: Come on! Can’t you see I’m meant to be here?
(おいおい! 俺がここにいるべき人間だって、わからないのか?)

Luke: I’m sorry, but I’ve never had a school to myself. I was always Alex’s dumb brother or Manny’s hot nephew. Now I can finally be my own person.
(ごめん、でも僕は学校を自分だけのものにしたことがないんだ。いつもアレックスの出来の悪い弟か、マニーのイケてる甥っ子だった。今やっと、自分らしくいられる。)

Modern Family Season10 Episode3 (A Sketchy Area)

シーン解説と心理考察

ルークの言葉は謝罪から始まっていますが、中身は率直な本音です。「ごめん」と前置きしつつ、言いたいことを最後まで言い切っています。謝罪の言葉と本音が、一つの台詞の中に並んでいる形です。

ルークが挙げるのは、アレックスの弟、マニーの甥という、ほかの人との関係を通した呼ばれ方です。これまでは誰かに付いた肩書のように見られてきた、という自己紹介になっています。それに対して「学校を自分だけのものにする」という言い方は、誰とも比べられずにいられる場所を指しています。

その実感を支えているのが、finally(やっと)の一語です。「ずっとできなかったことが、やっとできる」という響きが、be my own personに重なっています。マグカップの注意というささいなやり取りから始まり、気持ちの核心へ進んでいく流れが、この場面の見どころです。ルークは「いつも」と過去を振り返り、「今やっと」と現在に切り替えています。この対比が、一続きの台詞の中に収まっています。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

名札の絵で覚えてみましょう。胸に付けた名札には「アレックスの弟」と書かれていて、その隣に「マニーの甥」の札がもう一枚。そこから他人の名前が付いた札を外していくと、自分の名前だけが残ります。名札を外す動作は、一枚ずつ外していくところまで思い浮かべると、「ずっと付いていたものがなくなる」という含みも出ます。

ルークの台詞に出てきた「アレックスの弟」「マニーの甥」という呼び名が、そのまま外す札の例です。ownは「自分自身の」ですから、他の誰の名前も付かない名札を持つ人、という絵でbe one’s own personを思い出せます。名札から手を離した瞬間のすっきりした感覚が、finallyを添えたルークの言い方に重なります。

例文で覚える「be one’s own person」

自分らしくいることを話す場面を、暮らし、仕事、会話の3つで確認します。

After moving out, she finally felt like she could be her own person.
(一人暮らしを始めて、彼女はやっと自分らしくいられると感じた。)
独立後の心境を語る場面です。finallyを添えると、ずっと望んでいたことが叶った実感が出ます。

Good leaders listen to advice but still stay their own person.
(優れたリーダーは助言に耳を傾けつつも、自分の軸を持ち続ける。)
リーダー像を語る場面です。beの代わりにstayを使うと、自分らしさを保ち続ける意味合いになります。

A: Why did you change your major?
B: I wanted to be my own person, not just my dad’s copy.
(A:なんで専攻を変えたの?)
(B:父のコピーじゃなくて、自分らしくいたかったんだ。)
進路の理由を聞かれた場面です。not just…と対比させると、何から離れたいのかがはっきり伝わります。

あわせて覚えたい関連表現

think for oneself
(自分の頭で考える)
think for oneselfは「考える」という行為に重点があります。be one’s own personは、考え方だけでなく生き方や立場全体の自立を表します。

stand on one’s own two feet
(自立する、自分の足で立つ)
stand on one’s own two feetは、経済面や生活面の自立を表すことが多い表現です。be one’s own personは、個性や人格の独立に重点があります。足を使った比喩と、人そのものを言う表現という、言い方の置き場所の違いもあります。

be independent
(自立している、独立している)
be independentは、他人に頼らず独立している状態を述べる一般的な言い方です。be one’s own personは、自分らしさの感覚を含みます。

Note|be one’s own personとbe independentの重心の違い

be one’s own personとよく並べられるのが、be independentです。どちらも「自立」と訳せる場面がありますが、言葉が重心を置くところが違います。

independentは、他人に頼らず、自分の力で動ける状態を描きます。She is very independent.と言えば、人に頼らず自分で物事を進める人だ、という性格や状態の描写です。一方、She is her own person.は、誰かの影響や期待から離れて、自分自身として存在している人だ、という意味合いになります。前者は「頼らない」ことが、後者は「自分という人であること」が中心です。主語が複数になれば、They are their own people.のようにpersonがpeopleに変わる点も、あわせて押さえておけます。ルークの台詞に当てはめると、違いがはっきりします。ルークが話していたのは、生活の自立ではなく、アレックスの弟、マニーの甥という見られ方から離れたい、という気持ちでした。I can finally be independent.とすると、頼らずに動けるという別の意味合いが強まるため、ここではbe my own personが合います。

自立を言いたいのか、自分らしさを言いたいのか。その焦点を見て、語を選べます。独立の度合いを問う文ならindependent、人格や個性を問う文ならown personと、問いの形で見分ける方法もあります。

まとめ|誰かの付属ではない、自分という人

be one’s own personは、周りとの比較や付属としての見られ方から離れ、自分自身として存在することを表す表現です。one’sは主語に合わせて入れ替え、stayやbecomeで方向も足せます。

進学や独立、仕事での役割の変化など、自分の立ち位置を言い切りたい場面で、一言で気持ちを示せる表現です。自立の事実ではなく、自分らしさの実感を伝えたいときに向いています。親元を離れたあとの心境を話すときや、きょうだいと比べられてきた過去を振り返るときにも、短い言葉でも重みが伝わります。

「やっと自分らしくいられる」という気持ちを、finallyといっしょに一言で言い切る。そんな使い方が、このフレーズの実用的な形です。

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