アメリカのHOA(住宅所有者組合)と、庭に小屋を建てる申請の文化と英語|『モダンファミリー』S09E11で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: アメリカのHOA(住宅所有者組合)と、庭に小屋を建てる申請の文化と英語|『モダンファミリー』S09E11で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン9第11話では、クレアが裏庭に一人で過ごすための小屋を建てようと、住宅所有者組合に申請します。申請が通らなかったと受け止めたクレアは、組合の集会に足を運びます。

アメリカの住宅地には、こうした組合が暮らしの決まりを定めている地域があります。小屋の申請から集会の議事まで、劇中の言葉を手がかりに、その仕組みと英語を順に見ていきます。

目次

HOA(住宅所有者組合)の「approval」がいる暮らし

話の始まりは、クレアが組合の名前を口にする場面です。

Claire: Oh, yay, Homeowners Association.
(あら、やった、住宅所有者組合ね。)
Claire: I need their approval to put a She Shed in the backyard where the teeter-totter used to be.
(前にシーソーがあった裏庭にシーシェッドを置くには、組合の承認がいるの。)
Modern Family Season9 Episode11 (He Said, She Shed)

Homeowners Association は略して HOA と呼ばれ、ある住宅地の家の所有者が加入する組合を指します。建物の外観や庭の使い方、駐車などについて規約を定め、変更には組合の approval(承認)を求めることが多いとされます。組合の運営のために、住人が定期的に会費を払う仕組みの住宅地もあると言われます。どこまで細かく決めるかは、地域や組合によって大きく異なります。

クレアは、小屋を置くには組合の承認がいると説明します。フィルが韻を踏んだ冗談を言ったあと、アレックスが小屋の正体を尋ねます。

Alex: Yes, bravo, but what’s a She Shed?
(はいはい、お見事。で、シーシェッドって何?)
Claire: Well, it’s just a simple little structure where I can go to be alone and do yoga or meditate and nobody can bother me.
(ただのちょっとした小屋よ。一人になってヨガをしたり瞑想したりできて、誰にも邪魔されない場所。)
Modern Family Season9 Episode11 (He Said, She Shed)

She Shed は、庭に置く小屋を自分だけの時間を過ごす場所として使うときの呼び名で、she と shed の音がそろった響きが特徴です。structure は「建物」「構造物」で、規約や申請の文脈では、小屋や物置のような小さなものも含めてこう呼ばれます。クレアの説明では simple と little が重なり、小さなものだと念を押す言い方になっています。

申請が通らなかったあとの「stung」と「let go」

申請が通らなかったと受け止めたクレアに、フィルはこう声をかけます。

Phil: If it’s any comfort
(慰めになるか分からないけど、)
Phil: you’re not the only one to be stung by these people.
(あの人たちに痛い目にあわされたのは、君だけじゃないよ。)
Modern Family Season9 Episode11 (He Said, She Shed)

If it’s any comfort は「慰めになるかどうか分からないけれど」と前置きして、相手を元気づける話を始める言い方です。be stung は「刺される」から、「痛い目にあう」「手厳しい扱いを受ける」という意味でも使われます。フィルは続けて、組合の駐車の規則のせいで夢をあきらめたことがあると打ち明けます。HOA の規約は駐車できる車の種類や場所に及ぶこともあるとされ、この台詞はその一例として読めます。

アレックスは、母があきらめたものと受け取って声をかけます。

Alex: I’m really proud of you, Mom.
(ママのこと、本当に誇らしいよ。)
Alex: Letting go shows real growth.
(手放せるのは、本当に成長した証拠だね。)
Claire: I’m going to that Homeowners Association meeting, and I’m getting my She Shed.
(私はあの住宅所有者組合の集会に行って、シーシェッドを手に入れるわよ。)
Modern Family Season9 Episode11 (He Said, She Shed)

let go は「手放す」「こだわりを捨てる」で、アレックスの言葉は母の成長をほめるものです。let go of ~ の形にすると、I need to let go of the past.(過去のことは手放さないと。)のように、手放す対象を続けて言えます。ところがクレアの答えは、あきらめるどころか meeting(集会)に出向くという宣言でした。HOA では住人が集まる集会が開かれ、議題を順に審議して決める形が一般的とされます。規約に納得できない住人が意見を述べる場にもなります。

集会の議事で使われる「motion」「seconded」「permit」

集会では、住人のリサが庭に小さな堀を作りたいという申請が審議され、All in favor?(賛成の方は?)の問いに Aye!(賛成!)の声がそろいます。クレアが口をはさむと、進行役から、まだ新しい議題には入っていないと注意されます。そこでクレアは、議事の手順そのものを自分で進め始めます。

Claire: Fine.
(いいわよ。)
Claire: Motion to discuss new business? Seconded.
(新しい議題に入る動議は? 支持します。)
Claire: Recognizing Claire Dunphy.
(クレア・ダンフィーを指名します。)
Claire: Thank you.
(どうも。)
Claire: I’m not leaving here until I have my permit.
(許可が出るまで、ここを動かないから。)
— What are you talking about?
(何の話だ?)
Claire: I submitted a request to build a simple structure you can’t even see from the street.
(通りからは見えもしない、ちょっとした建物を建てたいって申請しただけよ。)
Modern Family Season9 Episode11 (He Said, She Shed)

アメリカの多くの団体の会議では、議事の決まりに沿った言い回しが使われると言われます。

表現 意味
new business 新しい議題
motion 動議(議題に入る・決めるための提案)
Seconded. その動議を支持します
recognize ~ 議長が〜に発言を認める
All in favor? / Aye! 賛成の方は?/賛成!

会議の進め方としては、動議を出す人、支持する人、発言者を指名する人は別々とされます。クレアはそれを一人でこなし、自分を指名して自分にお礼まで言っています。そのうえで permit(許可)が出るまで帰らないと言い切るのが見どころです。

最後の発言で、クレアは問い返しに答える形で申請の中身を説明しています。submit a request は「申請を出す」という手続きの言い方です。can’t even see from the street は、外から見えるかどうかを持ち出して、自分の申請が景観を損なわないと訴える言い分と読み取れます。

まとめ|HOA の承認から集会の議事まで

HOA の approval が必要な暮らし、submit a request と permit の手続き、集会で使われる motion、Seconded、recognize、All in favor? / Aye! を見ました。規約の中身は地域や組合で異なりますが、言い回しの型は会議全般に通じます。

住宅地の決まりごとをめぐる英語にも目を向けながら、『モダンファミリー』を観るとアメリカの暮らしが身近に感じられます。

同じ回のほかのコラムでは、スポーツの比喩で勝負を語る英語や、大会を見に行くか迷う家族との会話も取り上げています。

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