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『モダンファミリー』シーズン9第11話では、ジェイがジョーを子ども向けのゴルフ大会に出場させます。グロリアは大会を見に行かないつもりでいて、そこへ洗濯をしに来たマニーが話しかけます。
「自分が行くと、かえって負担になるかもしれない」とためらう相手には、どんな言葉を返せばよいのでしょうか。母と息子のやりとりから、行かない理由の伝え方と、背中を押す一言を順に見ていきます。
「adding more pressure」で行かない理由を伝える
場面は、グロリアがマニーの洗濯に気づくところから始まります。
Gloria: I love that you’re here, but don’t you guys have a laundry room at the school?
(来てくれるのはうれしいけど、学校に洗濯室はないの?)
Manny: It’s really humid down there, and my hair is challenging enough as it is.
(あそこはすごく湿気がひどいんだ。ただでさえ僕の髪は手ごわいのに。)
Modern Family Season9 Episode11 (He Said, She Shed)
I love that you’re here, but ~ は「来てくれてうれしいけど」と前置きしてから本題に入る、やわらかい切り出し方です。as it is は「今のままでも」「ただでさえ」を表し、challenging enough as it is で「もう十分に手ごわい」というぼやきになります。
そのあとマニーは、大会のことを持ち出します。
Manny: I thought you’d be going to Joe’s tournament.
(ジョーの大会に行くんだと思ってた。)
Gloria: No, he doesn’t need me over there.
(いいえ、あの子には向こうで私は必要ないの。)
Gloria: I would be adding more pressure.
(私が行ったら、よけいにプレッシャーをかけちゃう。)
Modern Family Season9 Episode11 (He Said, She Shed)
I thought you’d be going to ~ は「〜に行くと思っていた」と、相手の予定を意外そうに確かめる言い方です。責める響きは弱く、相手に理由を話してもらうきっかけになります。
グロリアの答えは、行かない理由を二段で伝える形です。he doesn’t need me over there で「自分がいなくても大丈夫」と言い、I would be adding more pressure で「行けば負担を増やす」と続けます。would を使うことで「もし行ったら」という仮定の響きが加わり、まだ行っていない状況にそのまま合う言い方です。
add pressure は「プレッシャーを上乗せする」で、I don’t want to add more pressure.(これ以上プレッシャーをかけたくない。)のように、気づかいから一歩引くときに使えます。
「keep a low profile」と「just because」でやんわり言い返す
マニーは、グロリアの理由をそのまま受け入れず、自分の大会のことを持ち出します。
Manny: Well, you always kept a low profile at my ribbon-dancing competitions.
(まあ、僕のリボンダンスの大会でも、いつも目立たないようにしてたもんね。)
Manny: I couldn’t even find you in the stands.
(観客席で姿を見つけることさえできなかった。)
Gloria: Ah, yeah, with the ribbon and the swooshing.
(ああ、そうね、リボンがひらひらして。)
Gloria: But Joe worries me because stress can destroy a child.
(でもジョーが心配なの。ストレスは子どもをだめにしてしまうから。)
Modern Family Season9 Episode11 (He Said, She Shed)
keep a low profile は「目立たないようにする」「表に出ないでおく」という意味です。in the stands は競技場の「観客席で」を表します。マニーは「いつも目立たないようにしていた」とまず言い、続けて「観客席で見つけられなかった」と添えています。直接「来ていなかった」とは言わず、観客席の話で同じことを伝える、遠回しな指摘になっています。
グロリアの「リボンがひらひらして」は、見つけてもらえなかった理由を演技のせいにするような、はぐらかし気味の返事です。そのうえで But と話を戻し、ジョーへの本当の心配を口にしています。
グロリアが自分の昔の話を打ち明けたあと、マニーはこう返します。
Manny: Mom, just because you freaked out doesn’t mean Joe will.
(母さん、母さんが取り乱したからって、ジョーもそうなるとは限らないよ。)
Modern Family Season9 Episode11 (He Said, She Shed)
just because A doesn’t mean B は「Aだからといって、Bとは限らない」という形です。相手の心配そのものは否定せず、その心配が当てはまるかどうかに疑問を投げかけられます。freak out は「取り乱す」「パニックになる」を表すくだけた句動詞です。マニーは続けて、来なかったことのほうがジョーの記憶に残るはずだ、とも伝えます。
「It would mean a lot to him」で背中を押す
迷いを見せるグロリアに、マニーは最後の一押しをします。
Gloria: I don’t know.
(どうかしら。)
Manny: I think it would mean a lot to him.
(ジョーにとっては、すごく大きな意味があると思う。)
Manny: I know it meant a lot to me when you cheered on me and my ribbon-dancing partner, Josh.
(僕も、母さんが僕とリボンダンスのパートナーのジョシュを応援してくれたとき、すごくうれしかったから。)
Gloria: Uh, yeah, ‘cause you guys were so great.
(ああ、ええ、だってあなたたちすごく上手だったもの。)
Manny: I danced alone.
(僕、一人で踊ってたんだけど。)
Modern Family Season9 Episode11 (He Said, She Shed)
It would mean a lot to him. は「彼にとって大きな意味がある」、つまり「きっと喜ぶ」と伝える定番の言い方とされます。would で「もし来てくれたら」という仮定を含ませているため、押しつけにならずに相手の判断に任せる響きが残ります。
続く It meant a lot to me when ~ は、過去形にして自分の体験を添える形です。相手の話ではなく自分がうれしかった記憶を差し出すことで、説得に実感が加わります。本人に向けて It means a lot to me.(本当にありがたい。)と言えば、お礼の言葉としても使えます。
ところが、グロリアが話を合わせた直後に、マニーは一人で踊っていたと明かします。パートナーがいたと信じて相づちを打ったことで、グロリアが演技を見ていなかったことが一言で分かる仕掛けです。
マニーの言葉は、母の判断を正面から否定せず、ジョーにとっての意味を示したうえで、決めるのは母に任せる運びです。その後、大会の場面で、グロリアはコースに姿を見せます。
まとめ|ためらう相手にかける英語
I would be adding more pressure で行かない理由を伝え、keep a low profile や just because A doesn’t mean B でやんわり言い返し、It would mean a lot to him で背中を押す流れを見ました。仮定の would が言葉の角を取っています。
家族の小さな説得にも使える英語が詰まっていることが、『モダンファミリー』から見えてきます。
同じ回のほかのコラムでは、スポーツの比喩で勝負を語る英語や、住宅所有者組合への申請をめぐる英語も扱っています。


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