海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン11第7話は、感謝祭の一日を描いた回です。フィルはこの日、10年ぶりにジェイから模型飛行機に誘われます。ところが、10年前にフィルの顔に当たった飛行機は偶然ではなかったのでは、という疑いが持ち上がります。
「わざと」と「たまたま」を、英語ではどう言い分けるのでしょうか。on purpose と accident を軸に、昔の出来事を問いただす言い方と、謝る側の言葉を見ていきます。
10年ぶりの誘いと「塗り替えたい記憶」
感謝祭の日、ジェイはフィルを模型飛行機に誘います。誘われたときの気持ちを、フィルはこう語ります。
Phil: It’s been 10 years since Jay asked me to go model-plane flying with him, and I was, uh I was eager to replace that memory with a a be a better one.
(ジェイに模型飛行機に誘われるのは10年ぶりでさ。えー、あの記憶を、も、もっと、い……いい思い出に塗り替えたくてたまらなかったんだ。)
Modern Family Season11 Episode7 (The Last Thanksgiving)
It’s been 10 years since ~ は「〜してから10年になる」という形で、久しぶりの出来事を話すときに使える組み立てです。since のあとには過去形の文が来て、「最後にそれが起きたのはいつか」を示します。
replace A with B は「AをBに取り替える」です。ここでは replace that memory with a better one で、「あの記憶をもっといい記憶に塗り替える」という意味になります。be eager to ~ は「〜したくてたまらない」で、前向きな意気込みを表します。
フィルが塗り替えたい記憶とは、10年前、ジェイの飛ばした飛行機が自分の顔に当たった出来事です。フィル自身は、その件をずっと自分のせいだと思ってきました。この日、二人で飛行機を飛ばしている最中のジェイの一言から、その思い込みが揺らぎはじめます。
ジェイは、フィルがディランに腹を立てているのは、ディランが自分の第一子であるヘイリーを連れていったように感じているからではないか、と読みます。その見立てをきっかけにしたやりとりの中で、フィルは10年前のことに思い当たります。
「on purpose」で昔の出来事を問いただす
Phil: Is that what you were thinking 10 years ago? A-All this time, I thought it was my fault! I-I moved my head at the last second.
(10年前もそう考えてたってこと? ず、ずっと俺のせいだと思ってたのに! 最後の瞬間に、お、俺が頭を動かしたんだって。)
Phil: But you hit me on purpose!
(でも、わざとぶつけたんだな!)
Jay: Don’t be ridiculous! I just
(ばかなこと言うな! 俺はただ……)
Modern Family Season11 Episode7 (The Last Thanksgiving)
on purpose は「わざと、意図して」を表し、反対は by accident や accidentally(偶然に、うっかり)です。相手の行為が偶然ではなかったと責めるときは、You did that on purpose! のように言えます。
All this time, I thought ~ は「これまでずっと〜だと思っていた」で、長年の思い込みが覆ったときに使える言い方です。Is that what you were thinking ~? と過去進行形で聞くことで、「あのとき、そういう考えだったのか」と相手の当時の頭の中を問いただしています。
ジェイの Don’t be ridiculous! は「ばかなことを言うな」と相手の言い分をはねつける返しですが、言い終える前に途切れています。その後も、二人の言い合いは続きます。
Jay: He did it to himself.
(こいつが自分でやったんだ。)
Phil: Unlike last time, when you purposely flew that plane into my face.
(前回とは違ってな。あのときはわざと俺の顔に飛行機をぶつけたくせに。)
Phil: You’re a monster, Jay.
(人でなしだよ、ジェイ。)
Modern Family Season11 Episode7 (The Last Thanksgiving)
purposely は on purpose と同じく「わざと」を表す副詞で、1語で言えるぶん文の中に組み込みやすい形です。He did it to himself. は「自業自得だ」「自分で招いたことだ」という言い方で、ジェイは今回の件は自分のせいではないと弁明しています。フィルは Unlike last time と前回を持ち出し、話を10年前に引き戻しています。
「no accident」と、半分だけ認める謝り方
フィルはキャメロンに、こうこぼします。
Phil: I’ve been asleep for the last 10 years.
(この10年、俺は眠ってたようなもんだ。)
Phil: Imagine finding out the plane crash you were in was no accident.
(自分が遭った飛行機事故が、事故じゃなかったって知ったところを想像してみてよ。)
Modern Family Season11 Episode7 (The Last Thanksgiving)
be no accident は「偶然ではない」、つまり「わざとだった」「狙ってのことだった」という意味です。名詞 accident には「事故」と「偶然」の両方の意味があり、この一文では2つの意味が重なって聞こえます。模型飛行機の件を plane crash(飛行機事故)と呼ぶのは、大げさなたとえです。
その後、先に謝るのはフィルです。
Phil: Hey, Jay, um I think I overreacted earlier.
(なあ、ジェイ、えっと……さっきは大げさに騒ぎすぎたと思う。)
Phil: I want to apologize.
(謝りたいんだ。)
Jay: Forget it.
(もういい。)
Jay: If I’m being honest, maybe on some level I really did want to hit you with that plane.
(正直に言うと、心のどこかでは本当にあの飛行機をお前にぶつけたかったのかもしれん。)
Jay: I’m sorry, Phil.
(悪かったな、フィル。)
Phil: Thank you.
(ありがとう。)
Modern Family Season11 Episode7 (The Last Thanksgiving)
I think I overreacted は「過剰に反応してしまったと思う」で、自分の怒り方を省みて謝るときの前置きです。Forget it. は「もういいよ」「気にするな」と謝罪を受け流す返しになります。
ジェイは If I’m being honest(正直に言うと)と前置きし、on some level(心のどこかで、ある意味では)を添えて、わざとだった気持ちを一部だけ認めています。on purpose と言い切らず、maybe と on some level で幅を持たせる言い方は、本音を明かしつつ認める範囲を残す組み立てです。
まとめ|「わざと」と「偶然」を言い分ける
on purpose と purposely は「わざと」、by accident は「偶然に」、be no accident は「偶然ではなかった」を表します。All this time, I thought ~ や on some level と組み合わせれば、昔の出来事を問いただす言葉も謝る言葉も組み立てられます。
10年越しの模型飛行機の因縁を追うと、二人の言葉の選び方がよく見えてきます。
同じ回のほかのコラムでは、友人の間に広まったうわさや、家族への感謝を形にする英語も取り上げています。


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