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友人の子どもの誕生日会や、知り合いの結婚式の話を聞いて、「そこまでやるんだ」と驚いたことが、誰にでも一度はあるはずです。
そんな「そこまでやる」様子を表す「do it up big」を、『モダンファミリー』シーズン6第9話の前半、蝶ネクタイ姿のジェイがマニーに、犬の誕生日会を開く人たちの事情を説明する場面から、一緒に見ていきましょう。
「do it up big」の意味とニュアンス
do it up big
意味:盛大にやる、派手にやる
do it up big は、パーティーやお祝い事を控えめにせず、思い切り派手に行うときの表現です。do up には、飾りつけて念入りに仕上げるという意味があり、そこに big が加わって、「大がかりに、盛大に仕上げる」という意味になります。
it の部分には、やる対象が入ります。今回のセリフでは、誕生日会がその対象です。do the wedding up big や do the party up big のように、対象を do と up の間に置く形もあります。対象がはっきりしているときは it に置き換えて、do it up big と短くまとめられます。
意味の中心は、規模や派手さにあります。費用や手間を惜しまずに、周りの目を引くほど大きくお祝いする、という感覚です。誕生日会、結婚式、記念日の食事など、特別な日を祝う場面で使われます。
似た表現と比べると、力点の違いが見えてきます。go all out は、力や費用を惜しまず全力を出すことに重点があり、祝い事以外にも使えます。do it up big は、祝い事の規模や派手さに重点があります。
【ここがポイント!】
- 「do it up big」の核は、大がかりに、盛大に仕上げるというイメージ
- it にはお祝いなどの対象が入り、名詞を do と up の間に置く形もある
- 力点は全力よりも、規模や派手さにある
『モダンファミリー』S06E09のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
ジェイがマニーに「どう思う?」と尋ねると、マニーは蝶ネクタイのことを引き合いに、皮肉まじりの感想を返します。ジェイは、バーンバウム家の事情を説明するなかで、do it up big を使います。そのあと、マニーがなぜ不機嫌だったのかも明らかになります。
Jay: But now that I got you here, what do you think?
(さて、こうして連れてきたが、どう思う?)Manny: That you wore cargo shorts to my middle-school graduation, but you’re putting on a bow tie for some dog’s birthday party.
(思うのはね、僕の中学の卒業式にはカーゴパンツで来たのに、どこかの犬の誕生日会には蝶ネクタイをつけるんだな、ってことだよ。)Jay: It’s all good fun. The Birnbaums can’t have kids. They like to do it up big for Buster.
(楽しいもんだろう。バーンバウム家には子どもがいなくてな。バスターのために盛大にやるのが好きなんだ。)Manny: I had my fifth birthday in a break room of a Der Wienerschnitzel, but good for Buster.
(僕の5歳の誕生日はDer Wienerschnitzelの休憩室だったけど、バスターにはよかったね。)Jay: Why are you so cranky?
(なんでそんなにむくれてるんだ?)Manny: This kid at school ripped me off for 40 bucks in a pyramid scheme.
(学校のやつにネズミ講で40ドルだまし取られたんだ。)Modern Family Season6 Episode9 (Strangers in the Night)
シーン解説と心理考察
この会話の出発点は、マニーの皮肉です。卒業式にはカーゴパンツで来たジェイが、犬の誕生日会には蝶ネクタイをつけている。マニーは、目に見える違いをそのまま指摘するだけですが、その言い方には小さな不満がにじんでいます。
ジェイは、その指摘に正面から答えず、「楽しいもんだろう」と受け流します。バーンバウム家には子どもがいないこと、バスターのために盛大にやるのが好きなことを、事実として並べていくだけで、蝶ネクタイの件には触れません。do it up big は、誕生会を手を抜かずに派手にやる、という意味でここに置かれています。
マニーは、そこで自分の5歳の誕生日の話を持ち出します。「バスターにはよかったね」という一言は、祝ってもらえる犬を素直に喜びきれない気持ちが混じった言い方です。盛大な会と休憩室の誕生日の対比が、この一言に重なっています。
そのあとジェイが「なんでそんなにむくれてるんだ?」と聞くと、マニーは学校でお金をだまし取られた話を打ち明けます。誕生日会への皮肉の裏に、別の理由があったことが、最後の一言で見えてきます。会話の温度が、皮肉から本音へ移る場面と言えます。
ジェイとマニーのやり取りは、どちらも相手の言葉を正面から受けず、少しずらして返す形で進みます。皮肉にも受け流しにも、互いを遠ざける響きはなく、軽口のやり取りとして続いていきます。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
do it up big は、do it up と big に分けて思い浮かべてみましょう。do it up は、飾りをつけて、ひとつずつ仕上げていく動きです。そこに big が重なると、風船や飾りが次々と大きくなっていく絵になります。
ジェイのセリフで、盛大にされる側にいたのは、犬のバスターでした。バスターのために飾りつけも料理も大きくしていく。そんな会場の絵を頭に置いて do it up big を読むと、「盛大」の感覚が伝わります。
覚えるときは、大きな風船とケーキが並んだ会場の絵と、do it up big をセットにします。小さな集まりではなく、思い切り大きくやる。その規模の大きさを、絵と一緒に思い出せるようにしておくと、使う場面が見えてきます。
例文で覚える「do it up big」
お祝いの場面で使える do it up big を、3つの例文で確認していきましょう。
They always do it up big for the kids’ birthdays.
(あの家では、子どもたちの誕生日をいつも盛大に祝う。)
近所の誕生日会の様子を話す場面です。always と組み合わせると、毎回そうしているという習慣が伝わります。
A: How was the wedding?
B: They did it up big — a live band, fireworks, everything.
(A:結婚式はどうだった?)
(B:盛大だったよ。生バンドに花火、何でもあった。)
結婚式の感想を話す会話です。ダッシュのあとに具体的な中身を並べると、どれほど大がかりだったかが伝わります。
We decided to do the anniversary dinner up big this year.
(今年は記念日のディナーを盛大にやることにした。)
記念日の計画を話す場面です。do と up の間に名詞の the anniversary dinner を置く形で、it を使わない言い方になります。
あわせて覚えたい関連表現
go all out
(全力を尽くす、思い切りやる)
go all out は、全力を出し切ることを表す言い方です。do it up big は、派手さや豪華さに重点があります。
pull out all the stops
(あらゆる手を尽くす)
pull out all the stops は、成功のために持てる手段をすべて使うという意味です。do it up big は、祝い事の規模や派手さを表す言い方です。
go big
(思い切り大きくやる)
go big は、規模を大きくする姿勢を短く表します。do it up big は、「それを盛大に仕上げる」と、やる対象が入る形で使います。
Note|big を「大きい」と訳して外れる理由、do it up big の big の役割
do it up big の big を、そのまま「大きい」と訳すと、意味が少しずれます。ここでは、big がこの表現の中でどんな役割をしているのかを、構成語の文字どおりの意味から整理します。
big の基本の意味は、「大きい」という形容詞です。a big party なら「大きなパーティー」と、名詞のパーティーを修飾します。ところが do it up big の big は、it を修飾しているわけではありません。「どのようにやるか」を表す、副詞に近い使い方です。
そのため、「それを大きい状態でやる」ではなく、「大がかりに、盛大にやる」と訳すとおさまりがよくなります。do up は飾りつけて仕上げること、big はその大きさの程度を表します。組み合わせると、「大きく飾りつけて仕上げる」から「盛大にやる」へと意味が広がります。
ジェイのセリフの do it up big for Buster も、「大きなバスター」ではなく、「バスターのために盛大にやる」という意味です。big が名詞にかかっていない点に目を向けると、訳の外れを避けられます。
big が「どんなふうにやるか」を表す位置にあるとき、意味は「大きい」ではなく「盛大に」に寄ります。
まとめ|盛大にやる、その一言を引き出しに
do it up big は、パーティーやお祝い事を、控えめにせず盛大にやるときの表現です。do up の「飾りつけて仕上げる」に、big の「大きく」が加わって、規模と派手さを表します。
対象は it に置き換えたり、do と up の間に名詞を置いたりできます。誕生日会、結婚式、記念日の食事など、特別な日の様子を語る場面で、会話の幅を広げてくれます。
ジェイが犬のバスターの誕生日会について、do it up big を使って説明した場面と、マニーのとげのある返しの対比は、この表現の規模感がよく見える一場面でした。祝い事の話題が出たときに、引き出しから出してみてください。


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