海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
期待しすぎないようにと自分に言い聞かせても、つい心が浮き立ってしまった経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。
そんな心の動きを言い表す「get one’s hopes up」を、『モダンファミリー』シーズン3第24話の終盤、これまでの気持ちの揺れを打ち明けるミッチェルの一言から、一緒に見ていきましょう。
「get one’s hopes up」の意味とニュアンス
get one’s hopes up
意味:期待を膨らませる
get one’s hopes upは、まだ実現していない物事に対して、つい期待や望みを高めてしまう様子を表す表現です。upが付くことで、期待の度合いが「高まっていく」という変化がはっきりと強調されます。
使われる典型的な場面は、結果が出る前の合否や当落を待つとき、まだ確定していない計画に期待するとき、何度も繰り返されてきた望みを語るときなど、期待が外れる可能性を含む状況です。実現しなかったときの落胆とセットで語られることが多い点も、このフレーズを理解するうえでの軸になります。
主語には期待している本人が来て、hopesの持ち主を示すoneの部分がその人自身を指します。「気づいたら期待してしまっていた」という感覚を伴いやすいため、Don’t get your hopes up.(期待しすぎないで)のように抑える方向の言い方でもよく使われます。
【ここがポイント!】
- 「get one’s hopes up」の核は、まだ実現していない望みへの期待が高まっていく変化
- upが付くことで期待の度合いが「上がっていく」様子が強調される表現
- 実現しなかったときの落胆とセットで語られることが多い言い回し
『モダンファミリー』S03E24のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
いつもと違う様子で歩き去ろうとするミッチェルを、キャメロンが呼び止める場面です。戸惑いながらも心配して声をかけるキャメロンに対し、ミッチェルがこれまで抱えてきた気持ちを言葉にしていく流れに注目です。
Cameron: Mitchell? Mitch–Mitchell! Where are you going?!
(ミッチェル?ミッチ…ミッチェル!どこ行くんだよ?!)Mitchell: I’m just sick of it, Cam.
(もう嫌なんだ、キャム。)Cameron: Mitchell, come back here and talk to me. There are coyotes out here and– and meth addicts!
(ミッチェル、戻ってきて話そうよ。外にはコヨーテもいるし、薬物中毒者だっているんだぞ!)Mitchell: Every time, Cam. Every time someone says that we’re getting a-a baby, I get my hopes up and then And then when it all falls apart, I We just have to go through the whole thing again.
(毎回だよ、キャム。誰かに赤ちゃんを迎えられるって言われるたびに、僕は期待してしまって、それでダメになるたびに…また同じことを一からやり直すんだ。)Modern Family Season3 Episode24 (Baby on Board)
シーン解説と心理考察
キャメロンが「ミッチェル?ミッチ…ミッチェル!どこ行くんだよ?!」と呼び止めると、ミッチェルは「もう嫌なんだ、キャム」とだけ短く答えます。いつもと違う様子に戸惑いながらも、キャメロンは「外にはコヨーテもいるし、薬物中毒者だっているんだぞ!」と、心配と軽い冗談を交えて呼びかけます。
ミッチェルはようやく本音を語り、「誰かに赤ちゃんを迎えられるって言われるたびに、僕は期待してしまって、それでダメになるたびに…また同じことを一からやり直すんだ」と打ち明けます。言葉が途切れがちな台詞回しに、これまで抑えてきた気持ちが漏れ出す様子が表れています。
「毎回だよ」という言い方からは、これが一度きりの出来事ではなく、何度も繰り返されてきた感情の波であることが伝わってきます。普段は理屈っぽく振る舞うミッチェルが、言葉に詰まりながら本音をこぼす姿には、抑え込んできた感情がようやく表に出た瞬間ならではの生々しさがあります。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
まだ確定していない望み(hopes)を、自分でどんどん上(up)へ持ち上げていく(get)イメージを思い浮かべてみましょう。持ち上げすぎた分だけ、落ちたときの落差も大きくなる、それがget one’s hopes upの持つ危うさです。
ミッチェルが「期待してしまって」と語ったように、この表現は自分の意志だけではコントロールしにくい感情の動きを指す言葉でもあります。風船を膨らませていくように期待が高まっていく様子をイメージしておくと、似たような気持ちに出会ったときにすっと言葉が浮かんできます。
ミッチェルが「毎回だよ」とこぼしたように、get one’s hopes upは一度きりの出来事ではなく、同じ経験が繰り返されるたびに使われることが多い言葉でもあります。期待して、外れて、また期待する。そのサイクルごと思い浮かべておくと、実際の会話でも自然に使いこなせるようになります。
例文で覚える「get one’s hopes up」
つい期待してしまう気持ちを表すget one’s hopes upを、3つの例文で確認していきましょう。
Don’t get your hopes up too much before the results come out.
(結果が出る前に、あまり期待しすぎないで。)
結果待ちの相手を気遣う日常会話です。too muchという語が、期待の度合いを加減してほしいという気持ちを添えています。
I tried not to get my hopes up, but I couldn’t help feeling excited.
(期待しすぎないようにしていたけど、どうしてもワクワクしてしまった。)
自分の気持ちを振り返って話す場面です。couldn’t helpという言い回しが、感情を抑えきれなかったニュアンスをよく表しています。
A: Do you think we’ll get the apartment?
B: I don’t know, let’s not get our hopes up yet.
(A:あのアパート、借りられると思う?)
(B:わからないな、まだ期待しすぎないでおこう。)
結果が未確定な相談事について話す会話です。yetという語が、まだ結果が出ていない段階であることを示しています。
あわせて覚えたい関連表現
set oneself up for disappointment
(自ら失望する状況を作ってしまう)
get one’s hopes upは期待が高まっていく「過程」に焦点があるのに対し、set oneself up for disappointmentはその先の「失望」まで含めた結果重視の言い方です。
keep one’s expectations low
(期待値を低く保つ)
get one’s hopes upは感情の高まりそのものを表すのに対し、keep one’s expectations lowは意図的にその高まりを抑える行動を表す、対義的な表現です。
build up hope
(期待を積み上げていく)
get one’s hopes upは「つい期待してしまう」気持ちの高まりに焦点があるのに対し、build up hopeは意図的な行動としても使える、より中立的な言い方です。
Note|”get one’s hopes up” と “keep one’s expectations low” が向き合う、期待の向き
get one’s hopes upとkeep one’s expectations lowは、どちらも「期待」を扱う表現でありながら、向いている方向がまったく逆になっている組み合わせです。
get one’s hopes upは、getという動詞が示すとおり、期待が高まっていく変化そのものを表しています。何かのきっかけがあるたびに、望みがひとりでに膨らんでいく様子がこの表現の中心です。一方でkeep one’s expectations lowは、keepという動詞が示すように、その高まりをあえて低く保とうとする、意図的で能動的な行動を表します。同じ「期待」というテーマを扱っていても、片方は感情の動きそのものを、もう片方はその動きを制御しようとする意志を語っているという違いがあります。何度も期待しては落胆するという経験を重ねた人ほど、後者の言い方を選ぶ場面が増えていくのも自然な流れです。
ミッチェルが語った「期待してしまって、それでダメになる」という繰り返しは、まさにget one’s hopes upという受け身の動きそのものでした。何度も同じ経験を重ねてきたからこそ、期待を抑えたいという気持ちも同時に見え隠れする場面になっています。
期待が勝手に高まるのか、それとも意図して抑えるのか。その向きの違いを意識しておくと、似たような気持ちを語る場面で言葉を選びやすくなります。同じ状況を語っていても、感情の動きそのものを説明したいのか、それを制御しようとする姿勢を伝えたいのかで、選ぶ表現が自然と変わってきます。
まとめ|「つい期待してしまう」気持ちを英語で言い当てる
get one’s hopes upは、まだ実現していない物事に対して、つい期待や望みが高まってしまう様子を表す表現です。
自分の意志だけではコントロールしにくい感情の動きを指す言葉なので、結果を待つときのそわそわした気持ちを話すときに自然に使えます。
いつもと違う様子で本音を明かすミッチェルと、心配して呼び止めるキャメロンとのやり取りには、繰り返されてきた気持ちの揺れをようやく言葉にした、張りつめた本音の瞬間が表れていました。


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