「stick it out」の意味と使い方|『モダンファミリー』S03E22で学ぶ英会話

「stick it out」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

つらい時期を耐え抜いた先に、今の穏やかな暮らしがつながっていたのだと、振り返って気づいた経験はありませんか。

そんな感慨にぴったりの「stick it out」を、『モダンファミリー』シーズン3第22話の終盤、昔を振り返るジェイが、当時の自分を語る回想の締めくくりから、一緒に見ていきましょう。

目次

「stick it out」の意味とニュアンス

stick it out
意味:(つらくても)最後までやり通す

stick it outは、つらい状況や困難な期間でも、途中で投げ出さずに最後まで耐え抜くことを表す口語表現です。stickは「くっつく」「張り付く」という意味の動詞で、itという対象にぴったりとくっついたまま離れない様子を思い浮かべると、意味がつかみやすくなります。

itが具体的に何を指すのかは、多くの場合はっきりと示されません。それでも、その場の状況から「その困難な状態」を指していることが自然に伝わるのが、この表現の特徴です。きつい仕事や環境、うまくいかない人間関係などを、我慢しながら最後まで続けた(続ける)ことを語る場面で使われます。これから耐え抜く決意(I’ll stick it out)にも、耐え抜いた経験の振り返り(I stuck it out)にも使えます。

【ここがポイント!】

  • 「stick it out」の核は、対象にくっついたまま離れずに耐え抜くイメージ
  • itが何を指すか明示しなくても、状況から自然に伝わる柔軟な言い回し
  • これからの決意にも、耐え抜いた経験の振り返りにも使える表現

『モダンファミリー』S03E22のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

その日帰宅したらディーディーに別れを切り出すつもりだったものの、子どもたちと一緒にいることを選んだと語る、「リンカーンの一件」を巡るジェイの回想が、ひとつの区切りを迎える場面です。回想の結びの言葉の合間に、グロリアの「一緒にジャグジーに入らない?」という誘いの声が挟まり、そこから場面は、ルークが父のフィルとジェットコースターに乗り込むところへ切り替わります。次の一言に、フレーズがそのまま登場します。

Jay: So I stuck it out until they were grown
(だから、俺は子供たちが大きくなるまで、そのままやり通したんだ。)

Gloria: Jay, you want to join me in the jacuzzi?
(ジェイ、一緒にジャグジーに入らない?)

Jay: And the universe rewarded me.
(そうしたら、この世界がちゃんと俺に報いてくれたのさ。)

Luke: Here we go! Hey, dad, roller coaster fist bump.
(さあ行くぞ!ねえパパ、ジェットコースターのゲン担ぎでグータッチしよう。)

Modern Family Season3 Episode22 (Disneyland)

シーン解説と心理考察

「だから、俺は子供たちが大きくなるまで、そのままやり通したんだ」というジェイの一言は、結婚生活を続けたことにひとまず区切りをつけた述懐です。振り返る言葉は、当時の苦労を誇るのではなく、淡々と過去の選択を認めるものです。

語りの合間にグロリアの「一緒にジャグジーに入らない?」という声が入り、ジェイは「そうしたら、この世界がちゃんと俺に報いてくれたのさ」と締めくくり、あの時の選択が今の暮らしにつながっていることを短く示します。続く場面では、ルークが父のフィルに「さあ行くぞ!ねえパパ、ジェットコースターのゲン担ぎでグータッチしよう」と声をかけます。ジェイの回想から、ジェットコースターに乗り込む親子の場面へ一気に切り替わるテンポも見どころです。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

何かにぴったりとくっついて、途中で離れずに最後までその場にとどまり続ける様子を思い浮かべてみましょう。接着剤のように張り付いたまま、簡単には剥がれない感覚が、stick it outの芯にあります。

ジェイが「そのままやり通したんだ」と語っていた回想も、つらい状況からすぐに離れず、そこにとどまり続けたことの証でした。離れずにくっついている、というシンプルなイメージで覚えておくと、耐え抜いた経験を語りたいときにすっと言葉が出てきます。

例文で覚える「stick it out」

stick it outは、つらい状況でも途中で投げ出さずに最後までやり通す場面で使える表現です。3つの例文でその使い方を見ていきましょう。

The job was tough, but she decided to stick it out for another year.
(仕事はきつかったが、彼女はもう一年やり通すことに決めた。)
忍耐して働き続ける場面です。for another yearのように期間を添えると、あとどれくらい耐え抜く決意なのかが伝わります。

Even when the training got painful, he stuck it out until the end.
(トレーニングがつらくなっても、彼は最後までやり通した。)
努力を語る場面です。until the endという言葉が、途中で投げ出さなかった過程をはっきり示しています。

A: Do you regret staying in that town?
B: Not really, I’m glad I stuck it out.
(A:あの町にとどまったこと後悔してる?)
(B:いや、最後までやり通してよかったと思ってる。)
過去の選択を振り返る会話です。glad(嬉しい)という言葉が、耐え抜いた結果に納得している気持ちを伝えています。

あわせて覚えたい関連表現

see it through
(最後までやり遂げる)
see it throughは物事を完了させる「達成」に重点がある表現で、stick it outが持つ困難に「耐える」忍耐の焦点とは少し異なります。

tough it out
(苦しくても我慢し抜く)
tough it outはstick it outよりも、身体的・精神的な苦痛への耐久をより強く強調する言い方です。

hang in there
(くじけずに頑張る)
hang in thereは励ましの言葉として単独でも使われますが、stick it outは特定の状況を最後までやり抜くという文脈で使われます。

Note|離れない”stick”が”やり通す”に変わる比喩

stickという動詞は、本来「くっつく」「張り付く」という物理的な動作を表す言葉です。糊やテープが何かにぴったりとくっついて離れない様子を思い浮かべると、この動詞の芯にあるイメージがつかみやすくなります。

このstickにitとoutが組み合わさると、意味は物理的な接着から離れ、「困難な状況にくっついたまま、最後まで離れずにいる」という、忍耐を表す比喩に変わります。itが具体的に何を指すのかは、文の中にはっきりと書かれません。それでも、stickという「くっつく」動詞とoutという「最後まで」を示す言葉の組み合わせから、「その困難な状態から離れずに、最後までとどまり続けた」という意味が自然に浮かび上がります。似たような形の表現にstick with itがありますが、こちらはwithという前置詞を挟むことで「それに寄り添い続ける」という、やや穏やかな継続のニュアンスが強くなります。それに対してstick it outは、itを直接くっつける形を取ることで、より粘り強く踏みとどまるという、耐え抜く力強さが前面に出る言い方になっています。

ジェイが語っていた「そのままやり通したんだ」という一言も、つらい状況から離れず、ぴったりとくっついたまま最後までとどまり続けたという、stickという動詞の芯にあるイメージそのものでした。

くっついて離れないという、たった一つの物理的なイメージが、耐え抜くという人の生き方そのものを言い表す比喩として働いている、それがstick it outという表現です。その場を離れずにとどまり続ける粘り強さが、この表現の芯にある感覚です。

まとめ|ジェイの回想が語った、耐え抜いた先にあるもの

stick it outは、つらい状況や困難な期間でも、途中で投げ出さずに最後まで耐え抜くことを表す表現です。stickという「くっつく」動詞が持つ物理的なイメージが、困難な状態から離れずにとどまり続けるという、忍耐の比喩へと姿を変えています。

itが何を指すか明示しなくても、その場の状況から自然に伝わる柔軟さも、この表現の使いやすさにつながっています。

「そのままやり通したんだ」と語ったジェイの回想にも、過去の選択を受け止める姿勢が表れていました。つらい時期を耐え抜いた経験を言葉にしたいときに、表現の引き出しに加えてみてください。

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