海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
誰かの言動に対して、「その気持ちは分かる、責める気にはなれない」と理解を示したくなった経験はありませんか。
そんな場面にぴったりの「who could blame someone」を、『モダンファミリー』シーズン4第20話の後半、ハビエルの婚約者のトリッシュがグロリアに胸の内を話すシーンから、一緒に見ていきましょう。
「who could blame someone」の意味とニュアンス
who could blame someone
意味:誰が(その人を)責められるだろうか、無理もない
who could blame someone は、疑問の形をとった反語表現です。「誰が責められるだろうか」と問いかけながら、答えは「誰も責められない」に決まっているため、「そう思うのも無理はない」「そうしたのも当然だ」という理解や擁護を伝えます。本編では、台詞の中で「who could blame him」の形で登場しています。
形を分けて見ると、who が「誰が」、could が「〜できるだろう」、blame が「責める」に当たります。責められる相手は、blame の後ろに him、her、you、them のように置き、someone の部分がそこに入れ替わります。
疑問文の形をしているものの、実際に答えを求めているわけではありません。相手に質問するのではなく、自分の見方を言い切る一言として使うのが、この表現の特徴です。言い切りの中に、責める気持ちがないことと、その人の立場に理解があることの両方が含まれます。責める側に回らず、相手の側に立つ立場を示す言い方とも言えます。
【ここがポイント!】
- 「誰が責められる?」と問いかけて、「誰も責められない=無理もない」と伝える反語
- blame の後ろに him や you など、責められる相手を置く形
- 質問ではなく、理解や擁護を言い切る一言として使う
『モダンファミリー』S04E20のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
トリッシュがグロリアに話をする場面です。トリッシュは、マニーがグロリアのことばかり話すこと、そしてハビエルがグロリアを失ったことを後悔していると語ります。グロリアが否定しても食い下がるトリッシュの一言のなかに、who could blame him が登場します。
Gloria: Me?
(私?)Trish: How can I compete with you? All Manny talks about is how he’s got the world’s greatest mom. And I know Javier regrets losing you.
(どうやったらあなたに張り合えるっていうの。マニーが話すのは、自分は世界一すてきなお母さんがいるってことばかり。それにハビエルは、あなたを失ったことを後悔しているのよ。)Gloria: No, he doesn’t.
(いいえ、そんなことないわ。)Trish: Oh, believe me, he does. And who could blame him? I mean Look at you!
(いいえ、本当に後悔してるの。それに、誰が彼を責められる? だって、あなたを見てよ!)Modern Family Season4 Episode20 (Flip Flop)
シーン解説と心理考察
登場人物の関係を整理しておくと、ハビエルはグロリアの元夫で、マニーの実父にあたり、トリッシュはそのハビエルの婚約者です。トリッシュにとってグロリアは、婚約者の元妻であり、婚約者の息子の母という位置にいます。
会話の入口は、グロリアの「Me?」という短い聞き返しです。トリッシュはそこから「How can I compete with you?」と、張り合うことの難しさを口にします。マニーがグロリアを世界一のお母さんだと語ること、ハビエルがグロリアを失ったことを後悔していると語ること。この2つが、トリッシュがグロリアに及ばないと感じる理由として挙げられています。
グロリアが「No, he doesn’t.」と否定しても、トリッシュは「Oh, believe me, he does.」と譲りません。そのうえで who could blame him が入ります。ハビエルが後悔しているのは事実だと言い切ったうえで、そう感じるのも無理はないと、理由を添える形です。続く「I mean Look at you!」は、その根拠としてグロリアを見てほしいと促す前置きになっています。
この一言には、グロリアへの評価と自分への不安が同時に含まれています。相手をほめる言葉の裏に、自分が比べられる側に立つ気持ちがにじんでいる点が、この場面の見どころです。責めるどころか、相手の立場に理解を示す形で本心が語られています。グロリアの側から見れば、元夫の婚約者の口から元夫の話が出るという、やや複雑な位置の会話でもあります。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
人々が広場に集まって、誰かを責めようと指をさそうとする場面を思い浮かべてみましょう。ところが、あたりを見回しても、誰も手を挙げず、指を向ける人がいません。「誰が責められるだろうか」と問いかけたあとに、静まり返った広場が広がっている絵です。
疑問の形でも、答えは「誰もいない」で決まっているので、「無理もない」という意味に落ち着きます。トリッシュがグロリアに向かって「誰が彼を責められる?」と言ったときも、この広場に責める人が誰も現れないという絵を重ねると、言い回しの形と意味がひとつながりで覚えやすくなります。
例文で覚える「who could blame someone」
同じ形で、誰かの行動に理解を示す3つの場面を確認していきましょう。
He quit after the third overtime week. Who could blame him?
(彼は3週連続で残業が続いて辞めました。無理もないですよ。)
同僚の退職を話題にするビジネスの場面です。Who could blame him? を単独の一文として置くと、前の文で述べた事実を受けて理解を示す形になります。
A: She turned down the offer.
B: With that schedule, who could blame her?
(A:彼女はその話を断ったよ。)
(B:そのスケジュールなら、無理もないね。)
友人の判断に理解を示す往復会話です。with that schedule のように条件を前に置くと、無理もないと言える理由が伝わります。
If you’re tired of waiting, who could blame you?
(待ちくたびれたなら、無理もありません。)
相手の気持ちに寄り添う場面です。if で相手の状況を受けたうえで返すと、その状況なら仕方がないという共感が強まります。
あわせて覚えたい関連表現
I don’t blame you
(あなたを責めません、無理もないです)
「自分は相手を責めない」と、話し手自身の気持ちを直接伝える言い方です。who could blame you は、「誰も責められない」と反語の形で理解を強く示す点が異なります。
no wonder
(道理で、無理もない)
理由が分かって納得した、という気持ちを表す表現です。who could blame someone は、その人の行動や気持ちを擁護するという点に重心があります。
can you blame him?
(彼を責められる?)
同じ反語の形で、意味は近い表現です。can you は聞き手に「責められるか」と問いかける形になり、who could は「誰が責められるか」と広く問う形になる点が違います。
Note|blame の後ろの形と、反語の訳し方
who could blame someone は、blame の後ろに続く形を知っておくと、使える幅が広がる表現です。
基本の形は who could blame + 人です。そこに理由を添えたいときは、blame A for B の構文を使い、for の後ろに名詞や動名詞を置きます。たとえば「Who could blame him for leaving?」なら、「彼が去ったことを、誰が責められるだろうか」という意味です。blame は「A を B のことで責める」という形をとる動詞なので、責める相手を先に、責める理由を後に置きます。
本編では、「And who could blame him?」と、for 以下を省いた短い形で使われています。理由に当たる内容は、直前の「ハビエルがグロリアを失ったことを後悔している」という発言から読み取れるため、for を続ける必要がありません。
日本語にするときは、反語の疑問文をそのまま訳すのか、意味を汲んで言い切りにするのかで、印象が変わります。「誰が彼を責められる?」と疑問形のまま訳すと英語の形が残り、「彼を責める人はいない」「無理もない」と言い切りにすると、自然な会話の言葉になります。
疑問の形を借りて、責める気持ちがないことを伝える表現です。
まとめ|責める人がいないほど、無理もない
who could blame someone は、「誰が責められるだろうか」と問いかけて、「誰も責められない」と理解や擁護を伝える反語表現です。
blame の後ろに人を置く形を基本にして、for で理由を添えれば、相手の言動に寄り添う言い方を作れます。質問ではなく、自分の見方を言い切る一言だという点を押さえておけば、日常の会話でも場面に合わせて使えます。
トリッシュがグロリアに向けた一言には、相手の立場に理解を示す言葉のなかに、自分の不安がにじんでいました。誰かの行動に「無理もない」と伝えたい場面が浮かんだときの表現として、引き出しに加えてみてください。理解を示す一言を添えるだけで、相手との距離がやわらぎます。


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