海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ビッグバン★セオリー』シーズン12 第21話から、「怪しい」「うさんくさい」を表す形容詞を取り上げます。ライバルの論文盗用の疑いをめぐって、登場人物たちがそれぞれの場面で「怪しさ」を口にする回です。
shady、sketchy、sleazy はどれも辞書では「怪しい」と訳されがちですが、何が怪しいのかによって選ぶ語が変わります。劇中の3つの場面から、その違いを順に見ていきます。
手口の品のなさを表す「sleazy」
ライバルのペンバートンが論文を盗用したのではないかという話を、クリプキがシェルドンとエイミーに持ち込む場面です。本当なのかと確かめるエイミーに、クリプキは自分から証拠集めを申し出ます。
Kripke: You want proof? I can make some calls.
(証拠がほしいか?何本か電話してやってもいいぜ。)Sheldon: You’d do that for us?
(僕たちのためにそこまでしてくれるのか?)Kripke: I really don’t want to see that guy win a Nobel. I also don’t want to see you win a Nobel. Ooh, this is tricky.
(あいつにノーベル賞を取らせたくないんだよ。でも、お前らにも取らせたくない。うーん、こいつは悩ましいな。)Amy: I don’t know, Barry. It sounds a little sleazy.
(どうかしら、バリー。ちょっといかがわしく聞こえるわ。)Kripke: Well, let me know if you change your mind. Sleazy is where I thrive.
(まあ、気が変わったら言ってくれ。いかがわしいことこそ、俺の本領なんでね。)TBBT Season12 Episode21
sleazy は、やり方や雰囲気が「品がない」「いかがわしい」と感じられるときの形容詞です。違法かどうかよりも、安っぽさや下品さへの嫌悪感が前に出るのが特徴と言えます。
エイミーがこの語を向けたのは、クリプキが申し出た証拠集めのやり方そのものです。対するクリプキは、その語をそのまま受けて「それが得意分野だ」と冗談で返しています。悪口になりうる語をあえて自分から引き受ける切り返しが、この場面の笑いどころです。
もう一つ、クリプキが申し出の直後に、ペンバートンにもシェルドンたちにも賞を取らせたくないと本音を漏らしている点も、この場面の味わいです。
人に向けて使うと強い否定になりやすいので、日常会話では「そのやり方はちょっと」と手口や提案に向けて使うほうが角が立ちにくいと考えておくと安全です。
様子の「sketchy」と行為の「shady」
別の場面では、エイミーがペニーに、レナードの様子がおかしかったと話します。その少し前の場面で、エイミーにあいさつされただけのレナードが、ちぐはぐな返事をしていたのを受けた会話です。
Amy: Your husband was acting kind of weird today.
(今日、あなたの夫の様子がちょっと変だったの。)Penny: You sure you’re not thinking about your husband?
(自分の夫のことじゃなくて?)Amy: No. He was acting all sketchy. Almost like he was guilty or something.
(違うわ。なんだかすごく怪しかったの。まるで何か後ろめたいことでもあるみたいに。)TBBT Season12 Episode21
sketchy は、はっきりした証拠はないものの、振る舞いや様子が「なんとなく怪しい」「信用しきれない」と感じるときに使われます。acting kind of weird から acting all sketchy、さらに guilty へと、エイミーの表現が段階的に強まっていくのが分かります。このあとペニーは、レナードはもともと後ろめたそうな顔をしているだけだとかわしますが、逆にエイミーから「今はあなたが後ろめたそうだ」と指摘されてしまいます。
また別の場面で、レナードはシェルドンたちを前にして、自分の行動をこう言い表します。
Leonard: Well, so is you and Amy not getting the recognition for your discovery. And if that means I have to do something shady so you don’t have to, I’m okay with that.
(だったら、君とエイミーが発見を認められないのだって間違ってるだろ。君たちがやらずに済むように僕が後ろ暗いことをしなきゃいけないなら、それで構わないよ。)TBBT Season12 Episode21
shady は「日陰の」が元の意味で、不正すれすれの行為や取引について「後ろ暗い」と言うときの語です。do something shady のように、行為そのものに向けて使われることが多い語と言えます。
ほかに、エイミーがシェルドンへの仮定の質問で使った ethically murky は「倫理的にグレーな」という、やや改まった言い方です。
| 語 | 怪しいと感じる対象 | ニュアンス |
|---|---|---|
| sketchy | 振る舞い・様子 | なんとなく信用できない |
| shady | 行為・取引 | 不正すれすれで後ろ暗い |
| sleazy | 手口・雰囲気 | 品がなく、いかがわしい |
| ethically murky | 判断・行為 | 倫理的にグレー(やや硬め) |
まとめ|「怪しい」は対象で選ぶ
様子が怪しいなら sketchy、行為が後ろ暗いなら shady、手口に品がないなら sleazy と、何が怪しいかで語を選び分けるのが基本です。この区別がつくと、相手への印象をより正確に言葉にできます。
盗用騒ぎの裏で、それぞれの「怪しさ」が少しずつ表に出てくるのが、この回の見どころです。
同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、この回の会話の流れがよりはっきり見えてきます。


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