「get ahead of」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S01E11で学ぶ英会話

「get ahead of」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

トラブルが大きくなる前に、早めに手を打っておけばよかった、とあとから悔やんだ経験はありませんか。

今回はそんな「問題に先手を打つ」場面で活躍する「get ahead of」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン1第11話の前半、潔癖症のシェルドンが、発症もしていないのに自分の喉の細菌を培養しようとするシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「get ahead of」の意味とニュアンス

get ahead of
意味:〜に先手を打つ、(問題が大きくなる前に)先回りして対処する

get ahead of ~ は、物事が悪化したり手遅れになったりする前に、先回りして対処し、主導権を握ることを表します。対象になるのは、問題・噂・スケジュール・病気など、放っておくと進行してしまうものです。

似た形に get ahead(出世する、先んじる)がありますが、of がつくと意味が変わります。get ahead of ~ は「〜を追い越して、自分の制御下に置く」という、特定の対象に先回りするニュアンスになります。後ろに the problem(問題)、the story(報道)、schedule(予定)などを置いて使うのが定番です。

派生表現として、get ahead of oneself(先走りすぎる、早とちりする)という慣用句もよく使われます。こちらは「自分自身を追い越してしまう」=「気が急いて先走る」という、少しユーモラスな言い回しです。

【ここがポイント!】

  • 核は「問題が大きくなる前に、その前に回り込んで制圧する」イメージ
  • get ahead(出世する)と違い、of がつくと「対象に先回りする」一言になる
  • ビジネスでも健康でも「後手に回らない」と言いたいときに便利

『ビッグバン★セオリー』S01E11のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

まだ誰も発症していないのに、シェルドンはライムゼリーを培地代わりにして、自分の喉の細菌を培養しようとします。レナードに自分の喉を綿棒で採取させようとして拒まれると、感染対策の「先回り」の必要性を力説します。

Sheldon: Here, swab my throat.
(ほら、僕の喉を綿棒で取ってくれ)

Leonard: I don’t think so.
(やだよ)

Sheldon: Leonard! If I’m going to get ahead of this thing I need to find out what’s growing in my throat.
(レナード!この事態に先手を打つには、僕の喉で何が繁殖しているのか突き止める必要があるんだ)

The Big Bang Theory Season1 Episode11(The Pancake Batter Anomaly)

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シーン解説と心理考察

このシーンの面白さは、get ahead of という前向きで建設的な表現が、まったく不要な場面で全力投球されているところに表れています。本来この言い回しは、仕事のトラブルや健康リスクに「後手に回らないよう先手を打つ」という、計画性のある文脈で使われます。

ところがシェルドンが先手を打とうとしている相手は、まだ発症すらしていない、存在するかどうかも怪しい病気です。this thing(この厄介ごと)という正体不明の脅威に、培養実験という大仰な手段で先回りしようとする。その温度差が、このシーンの笑いどころとして響きます。

制御できない不安を、データ収集という「自分が支配できる作業」に落とし込もうとする姿に、シェルドンの心理がにじむ場面です。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

get ahead of は、暴走しようとしている「問題」というランナーの前に、先回りして立ちふさがる姿をイメージすると覚えやすくなります。ahead of(〜の前方へ)が示すとおり、相手の進路の前に回り込んで、これ以上進ませない、という空間的な動きが言葉の核にあります。

シェルドンは、まだ走り出してもいない「病気」というランナーの前に、全力で先回りしようとしていました。あの過剰な前のめり具合を思い出すと、get ahead of が「相手の前に出て、進行を食い止める」表現だという感覚が、自然と身につきます。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「get ahead of」

get ahead of は、ビジネスから日常まで「先手を打つ」と言いたいときに幅広く使えます。3つの場面で見ていきましょう。

We need to get ahead of this problem before customers start complaining.
(顧客が苦情を言い始める前に、この問題に先手を打つ必要がある。)
職場でよく使われる言い方です。問題が表面化して大ごとになる前に、先回りして動こうと提案する場面にぴったりです。

Health experts urged people to get ahead of flu season by getting vaccinated early.
(専門家は、早めの予防接種でインフルの流行に先手を打つよう呼びかけた。)
健康や予防の話題でも活躍します。まさにシェルドンが空回りしていた「感染への先回り」を、今度はまっとうな形で表した一文です。

A: Are you stressed about the deadline?
B: Not really. I like to get ahead of my work so I’m not panicking later.
(A:締め切り、焦ってない?)
(B:そうでもないよ。あとで慌てないように、仕事は前倒しで進めておくのが好きなんだ。)
カジュアルな会話では「前倒しで片付けておく」というポジティブな使い方もできます。先回りして余裕を作る、という前向きなニュアンスです。

あわせて覚えたい関連表現

stay ahead of
(先行した状態を保つ、リードを守る)
get ahead of が「先手を打つ(その状態になる)」という動作を表すのに対し、stay ahead of は「すでに先んじている状態を維持する」継続を表します。stay ahead of the competition(競合に先行し続ける)のように使います。

nip ~ in the bud
(芽のうちに摘む、早めに食い止める)
問題が芽生えた段階で完全に潰してしまう、という表現です。get ahead of が「先回りして主導権を握る」のに対し、こちらは「小さいうちに摘み取る」点に重きがあります。

get ahead of oneself
(先走る、早とちりする)
get ahead of の派生で、「自分自身を追い越す」=気が急いて先走ること。Don’t get ahead of yourself.(先走らないで)のように、相手をたしなめる場面で使われます。

Note|報道や広報の定番、”get ahead of the story” という言い回し

get ahead of は、英語圏のニュースや広報の世界で、ある決まった形でよく登場します。それが get ahead of the story という言い回しです。

これは、自分にとって不利な情報がメディアやSNSで広まってしまう前に、先回りして自分から公表してしまう、という危機管理の手法を指します。たとえば企業の不祥事や有名人のスキャンダルが報じられそうなとき、相手にすっぱ抜かれて受け身で対応するのではなく、自ら声明を出して情報の主導権を握る。こうした動きを英語ニュースでは get ahead of the story(あるいは get ahead of the news)と表現します。受け身で叩かれるより、先に出て流れをコントロールするほうが傷が浅い、という発想が背景にあります。

ここでも get ahead of の核である「相手より前に出て、状況を自分の制御下に置く」という感覚がそのまま生きています。対象が「病気」から「報道」に変わっても、先回りして主導権を握る、という芯はぶれません。

ニュースで聞こえてきたら、誰が何に先手を打とうとしているのか、想像してみると面白いはずです。

まとめ|シェルドンの空回りから学ぶ「先手を打つ」の一言

get ahead of は、問題や噂、リスクが大きくなる前に、先回りして対処し、主導権を握ることを表す表現でした。get ahead(出世する)と違って of がつくと、特定の対象に先回りする意味になるのがポイントです。

仕事で「後手に回りたくない」と思ったとき、健康管理で「早めに手を打ちたい」と感じたとき、この一言があると、前向きで計画的な姿勢をすっきり伝えられます。

まだ発症もしていない病気に全力で先回りしようとした、シェルドンの愛すべき空回りとセットで、会話のレパートリーに加えてみてください。

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