海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
最初は落ち着かなかった環境にも、気づけばすっかり馴染んでしまっていた、という経験はありませんか。
そんな変化にぴったりの「grow accustomed to something」を、『モダンファミリー』シーズン3第22話の前半、家族でディズニーランドへ出発する前、株式投資の課題に夢中なマニーが、今の暮らしぶりにすっかり慣れてしまったと語るシーンから、一緒に見ていきましょう。
「grow accustomed to something」の意味とニュアンス
grow accustomed to something
意味:(ある生活や状態に)だんだん慣れる
grow accustomed to somethingは、時間をかけて少しずつある環境や生活水準に馴染んでいく過程を表すやや硬めの言い回しです。accustomedは「習慣づいた」「慣れた」という状態を表す形容詞ですが、そこにgrowという動詞が加わることで、静止した状態ではなく、変化していく途中の様子が浮かび上がります。
新しい職場、新しい住まい、新しい生活水準など、最初はぎこちなかったものが徐々に当たり前になっていく状況を説明するときに使われる表現です。get used toよりも文語寄りで、日常会話よりも少し丁寧な場面や、書き言葉に近いトーンで使われることが多い言い回しでもあります。何かに追い立てられるように慣れるのではなく、時間の経過とともに自然と馴染んでいく、そんな穏やかな変化のプロセスを描く言葉です。
【ここがポイント!】
- 「grow accustomed to」の核は、時間をかけてじわじわ馴染んでいくプロセス
- 「慣れた状態」ではなく「慣れていく過程」を表す、やや硬めの言い回し
- 会話よりもやや丁寧な場面や書き言葉に近いトーンで使うと馴染みやすい表現
『モダンファミリー』S03E22のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
家族でディズニーランドへ出発する前、マニーは、自分抜きでジェイと母の二人で行ってもらえないかと切り出しますが、ジェイに主役の子供なのだからと乗車を促されます。理由を打ち明け始めたマニーは、学校で行っている株式投資の課題で自分が成績トップに立っていることを語り始めます。
Manny: Can’t you and mom go without me?
(僕抜きでお母さんと二人で行ってもらえない?)Jay: You’re the kid. I think we need you to get in.
(お前が主役の子供なんだから、ちゃんと乗ってもらわないとな。)Manny: Well, it couldn’t come on a worse day. The technology sector is tanking. We’re doing a stock market project in school, and today’s the last day. We all get a thousand fake dollars to invest, and as the market closed yesterday, I’m in the lead. I may not be the tallest or the most athletic, but someday I will be the richest, which is good because the ladies love that, and I’ve grown accustomed to a certain lifestyle.
(よりによって最悪のタイミングです。テクノロジー株が暴落しているんです。学校で株式投資の課題をやっていて、今日がその最終日なんです。みんな架空の1000ドルを元手に投資するんですが、昨日の終値の時点で僕がトップなんです。一番背が高いわけでも、一番運動ができるわけでもないけれど、いつか僕は一番のお金持ちになります。それは女の子にモテるといういい理由にもなりますし、僕はもうある程度の暮らしに慣れてしまったんです。)Jay: Do you really want girls who only want you for your money?
(金目当てで寄ってくる女なんて、お前は本当に望んでるのか?)Manny: I’d like to have that option.
(その選択肢はあってもいいと思いますけど。)Modern Family Season3 Episode22 (Disneyland)
シーン解説と心理考察
自分は行かずに、ジェイと母の二人で出かけてほしいというマニーの頼みは、ジェイにあっさり却下されます。テクノロジー株が暴落する中、株の課題の最終日に自分がトップに立っていることが、残りたい理由でした。一番背が高いわけでも、一番運動ができるわけでもないと自分の限界を冷静に認めながらも、いつか一番の金持ちになるという野心を語る口ぶりには、年齢に不釣り合いな大人びた自負がにじみます。
「僕はもうある程度の暮らしに慣れてしまったんです」という一言は、子どもでありながら、すでに一定の暮らしぶりに慣れきっていると言ってのける一言です。ジェイが「金目当ての女なんて本当に望んでいるのか」と冷やかしても、マニーは「その選択肢はあってもいい」と切り返します。突飛な理屈を語り続けるマニーの姿と、それに軽く応じるジェイのやり取りから、この家族らしい掛け合いの空気が伝わってきます。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
木の苗が少しずつ枝を伸ばしていくように、時間をかけてじわじわと生活のリズムに馴染んでいく様子を思い浮かべてみましょう。最初はぎこちなかった暮らしも、いつの間にか当たり前になっている、という緩やかな変化のイメージです。
マニーが株の課題の成績に自信を持ち、今の暮らしぶりにもう慣れてしまったと語っていたのも、その暮らしが彼の中で当たり前になっていることの表れです。grow accustomed toという言葉の芯にあるのも、まさにこの「気づけば根を張っていた」という時間の感覚です。
例文で覚える「grow accustomed to something」
grow accustomed to somethingは新しい環境や生活水準について語るときに便利な表現です。3つの例文でその使い方の幅を見ていきましょう。
After a few months in Tokyo, she grew accustomed to the crowded trains.
(東京に来て数か月で、彼女は混雑した電車に慣れていった。)
海外生活の変化を振り返る場面です。after a few monthsのように具体的な期間を添えると、慣れるまでのプロセスがより伝わりやすくなります。
Employees gradually grew accustomed to the new remote-work policy.
(社員たちは新しいリモートワーク制度に徐々に慣れていった。)
制度変更の様子を報告するビジネスの場面です。graduallyという副詞が、少しずつ馴染んでいく過程を強調しています。
A: How’s the new job?
B: I’m slowly growing accustomed to the early mornings.
(A:新しい仕事はどう?)
(B:早起きの生活に少しずつ慣れてきたところだよ。)
転職後の様子を尋ねる会話です。slowlyという言葉が、まだ完全に馴染みきってはいない途中の状態を伝えています。
あわせて覚えたい関連表現
get used to something
(〜に慣れる)
get used toはgrow accustomed toよりも口語的で頻度が高く、日常会話で気軽に使えるカジュアルな響きの言い方です。
become accustomed to something
(〜に慣れるようになる)
grow accustomed toとほぼ同じ意味ですが、becomeでは、growが持つ「徐々に」という時間の経過のニュアンスが弱まります。
adjust to something
(〜に順応する)
adjust toは環境の変化に自分から働きかけて適応していく「行動」に重点がある表現で、accustomed toが表す「慣れた状態」そのものとは焦点が異なります。
Note|「身についた」ではなく「馴染んでいく」、grow accustomed toの和訳のずれ
accustomedという語を辞書で引くと、「習慣づいた」「慣れた」という意味が最初に出てきます。この形容詞だけを直訳すると、「すでに身についた状態」という、動きのない静止したイメージになりそうです。
ところが、grow accustomed to somethingを文全体で見ると、意味はそこから少しずれます。growは「育つ」「成長する」という動詞で、静止した状態ではなく、変化の途中であることを表す言葉です。この動詞がaccustomedという形容詞の前に置かれることで、「すでに慣れた状態」ではなく「慣れていく途中の過程」という、時間の流れを含んだ意味に変わります。同じ「慣れる」でも、be accustomed to(すでに慣れている)とgrow accustomed to(だんだん慣れていく)とでは、動詞の選び方一つで指している時点がまったく異なるのです。日本語に訳すときも、「身についた」という結果だけを表す言い方ではなく、「だんだん慣れていく」「馴染んでいく」という、変化の途中を表す言い方を選ぶ方が、この表現の芯をより正確に伝えられます。
マニーが語っていた「もうある程度の暮らしに慣れてしまったんです」という一言も、現在完了のI’ve grown accustomed toなので、時間をかけて少しずつ慣れていった結果、今ではすっかりその暮らしが当たり前になっている、という到達点を表しています。
grow accustomed to somethingは、結果だけを切り取る言葉ではなく、変化のプロセスそのものを描く表現です。
まとめ|「もう慣れてしまった」というマニーの背伸びから
grow accustomed to somethingは、ある生活や環境に時間をかけて少しずつ馴染んでいく過程を表す表現です。accustomedという「慣れた状態」を表す形容詞に、growという「変化していく」動詞が重なることで、結果ではなく途中経過を描く言葉になっています。
新しい職場や住まい、新しい生活水準など、最初は落ち着かなかったものがいつの間にか当たり前になっていく場面で、この表現はすっと馴染んできます。
株の課題の成績を誇らしげに語り、今の暮らしぶりにすっかり慣れてしまったと語るマニーの背伸びした一言にも、この「今ではすっかり当たり前になっている」という感覚が重なっていました。日々の変化を言葉にしたいときに、表現の引き出しに加えてみてください。


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