「save someone the trouble of」の意味と使い方|『Friends』S06E21で学ぶ英会話

「save someone the trouble of」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

誰かが動いてくれれば自分の面倒が減る、と思いながら、それをわざと皮肉まじりに口にしたくなる場面が、誰にでもあるはずです。

そんな場面で使える「save someone the trouble of」を、『フレンズ』シーズン6第21話の中盤、ロスをほめるレイチェルに、恋人エリザベスの父ポールが皮肉で返すシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「save someone the trouble of」の意味とニュアンス

save someone the trouble of
意味:(人)が〜する手間を省く

save someone the trouble of は、ある行動によって、相手がしなくてもよくなる面倒を取り除く、という意味の表現です。save は「省く、取っておく」、trouble は「手間、面倒」という基本の意味で、直訳すると「人に〜する面倒を省かせる」になります。

形は save + 人 + the trouble of + 動名詞です。人の位置には me や you が入り、of のあとには killing のような動名詞が続きます。作中では save me the trouble of killing him の形で、someone の位置に me が入っています。

使い方には、大きく二つの向きがあります。ひとつは、こちらが先に動いて相手の手間を省く、親切な言い方です。もうひとつは、相手の行動によって自分の手間が減る、という言い方で、作中のように皮肉を込めて使うこともできます。どちらも、手間を「省く」という中身は同じで、誰の手間を、誰の行動で省くのかが違います。

日本語にすると、「手間が省ける」「面倒をかけずに済む」「わざわざ〜しなくて済む」など、場面によって訳が変わります。共通しているのは、本来かかるはずだった面倒が、なくなるという点です。手間をかけずに済むという結果に、話し手の親切も皮肉も乗せられるのが、この表現の使い勝手のよいところです。

【ここがポイント!】

  • 「save someone the trouble of」の核は、相手の面倒をあらかじめ取り除くこと
  • 形は save + 人 + the trouble of + 動名詞で、人の位置に me や you が入る
  • 親切にも皮肉にも使えるので、前後の流れで向きを読み取るのがコツ

『フレンズ』S06E21のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

鍵をなくしたポールを手伝ったレイチェルが、ロスは本当にいい人だと伝える場面です。ポールはロスの恋人であるエリザベスの父で、作中ではロスとエリザベスの交際に反対する立場です。レイチェルの言葉に対して、ポールは物騒な冗談まじりに返します。

Rachel: Um, I just wanted you to know that, you know, Ross really is a great guy.
(あの、ただ知っておいてほしかったんです。ロスは本当にいい人だって。)

Paul: Well, maybe you could date him, then. That would save me the trouble of killing him. Are you okay?
(それなら、君が彼と付き合えばいい。そうすれば、私が彼を殺す手間が省ける。大丈夫か?)

Rachel: You just don’t look old enough to have a 20-year-old daughter.
(だって、20歳の娘さんがいるほどの年には見えなくて。)

Paul: Well, we were very young when we had her.
(私たちは、とても若かったんだよ。あの子を授かったときはね。)

Friends Season6 Episode21(The One Where Ross Meets Elizabeth’s Dad)

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シーン解説と心理考察

レイチェルの言葉は、ロスをほめて、ポールの印象を変えようとするものです。ポールはそれを受けて、「なら君が彼と付き合えばいい」と返します。ロスをほめるのなら、ほめる本人が付き合えばいい、という皮肉で、自分の娘とロスの交際を認めていない立場がにじみます。

続けて、ポールは「そうすれば私が彼を殺す手間が省ける」と言い添えます。殺すという物騒な言い方ですが、本気の話ではなく、ロスへの不満を誇張して包んだ皮肉と読み取れます。save me the trouble of の形は、「そうしてくれれば自分の手間が減る」という皮肉の理屈を、そのまま言葉にしたものです。

冗談のあと、ポールは「大丈夫か?」と声をかけます。レイチェルは話題を娘の年齢に向け、ポールは、若いころに授かった子だと答えます。ロスをめぐる話題が、ポール自身の話へと移っていく流れです。皮肉で切り込んだ直後に話題が変わるため、ポールの一言だけが浮き上がって耳に残ります。

この場面でのポールの一言は、相手の面倒を省いてあげるという親切な向きではなく、自分の手間が減るという向きで使われています。同じ形でも、誰の手間が省かれるのかを見ると、言葉の温度がまったく違って響きます。皮肉の切れ味は、省かれる手間の中身が「ロスを殺すこと」という、あり得ない大きさであることから生まれています。

『フレンズ』流・覚え方のコツ

相手の前に置かれるはずだった「面倒」という荷物を、横から先に取り上げて片づけてしまう様子を思い浮かべてみましょう。荷物が消えるので、その人の手間が省けます。

ポールの言い方は、自分の前に置かれるはずの荷物を、レイチェルが持っていってくれれば軽くなる、という絵に重なります。取り上げる荷物が「ロスを殺す手間」という物騒なものであるところが、この場面の皮肉の効いたところです。荷物を取り上げる動きと、of のあとに続く荷物の中身、の2つで覚えておくと、形も一緒に思い出せます。

例文で覚える「save someone the trouble of」

日常の手伝い、職場の段取り、気持ちの面での先回りまで使える表現を、3つの例文で確認していきましょう。皮肉まじりに自分の手間が減ると言う使い方は、作中の場面で見た通りです。

Let me carry these boxes to save you the trouble of making two trips.
(2往復する手間が省けるように、この箱は私が運ぶよ。)
荷物を運ぶ相手を手伝う場面です。こちらが先に動いて相手の手間を省く、親切な向きの使い方になります。

A: Should I book the meeting room?
B: No, I already did. That saves us the trouble of looking for a free room later.
(A:会議室を予約しようか?)
(B:ううん、もう取ったよ。あとで空いてる部屋を探す手間が省けるでしょ。)
職場で会議の準備を分担する会話です。動詞が saves に変わっても、あとに続く形は変わりません。

If you tell her now, you’ll save yourself the trouble of worrying all week.
(今彼女に話しておけば、一週間ずっと気に病む面倒を避けられるよ。)
言い出せずに悩んでいる友人の背中を押す場面です。人の位置に yourself を置くと、自分で自分の手間を省く言い方になります。

あわせて覚えたい関連表現

spare someone the trouble
(人の手間を省く)
spare someone the trouble は、save someone the trouble of と近い意味で、動詞が spare に入れ替わる言い方です。

go to the trouble of
(わざわざ〜する)
go to the trouble of は自分から手間をかける側を表し、save someone the trouble of は手間を省く側を表します。

take the trouble to
(わざわざ〜する)
take the trouble to は動詞の原形を続ける形で、of のあとに動名詞を続ける save someone the trouble of とは、あとに続く形が異なります。

Note|save someone the trouble of は、人の位置に入る語で、誰の手間が省けるかが決まる

save someone the trouble of は、人の位置に入る語によって、誰の手間が省かれるのかが決まる形です。作中のポールの一言も、この位置に何が入っているかを見ると、向きがはっきりします。

人の位置に you が入れば、相手の手間を省く言い方になります。I’ll call the client to save you the trouble. なら、省かれるのは you の手間で、こちらが先に動いて相手を助ける形です。人の位置に me が入れば、自分の手間が省ける言い方になります。That would save me the trouble of waiting. なら、省かれるのは me の手間です。yourself のような再帰の形を置くと、自分で自分の手間を省く言い方になり、先の例文にあった save yourself the trouble of worrying all week のように使えます。

of のあとには動名詞が続き、何の手間なのかを動作として示します。killing のように、省かれる手間の中身が動きで表されるため、「何をしなくて済むのか」が、聞き手にそのまま伝わります。

作中のポールは、人の位置に me を置き、of のあとに killing him を続けました。省かれるのはポール自身の手間で、その中身が「ロスを殺すこと」という極端なものです。人の位置と、of のあとの中身の2か所を見るだけで、誰の手間を、何の動作で省くのかが読み取れます。

まとめ|誰の手間が省けるのかを、人の位置で決める一言

save someone the trouble of は、相手が、あるいは自分が、しなくても済むようになる面倒を取り除く表現です。形は save + 人 + the trouble of + 動名詞で、人の位置に入る語によって、誰の手間が省かれるのかが決まります。

親切に相手の手間を省く場面でも、皮肉まじりに自分の手間が減ると言う場面でも使えるので、前後の流れから向きを読み取る目が、そのまま表現の使い分けにつながります。

人の位置を入れ替えるだけで、相手のための言葉にも、自分のための言葉にもなる、そんな一言です。

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