「taste one’s own medicine」の意味と使い方|『Friends』S06E21で学ぶ英会話

「taste one's own medicine」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

人にしたことを同じようにやり返されて、初めて相手の気持ちがわかる、という瞬間が、ドラマには時々あります。

そんな場面にぴったりの「taste one’s own medicine」を、『フレンズ』シーズン6第21話の中盤、仲間のことを本に書いていたフィービーが、モニカに同じことをやり返されるシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「taste one’s own medicine」の意味とニュアンス

taste one’s own medicine
意味:自分がしたことを、自分がされて思い知る

taste one’s own medicine は、他人にしたのと同じことを自分がされて、その味を知る、という意味の口語表現です。taste は「味わう」、medicine は「薬」、own は「自分自身の」という基本の意味で、直訳すると「自分自身の薬を味わう」になります。他人に飲ませていた薬を、自分で飲んでみる、という絵が下地にあります。

one’s の位置には、主語に合わせて my・your・his・her などが入ります。作中では have tasted my own medicine の形で、one’s が my になり、動詞は現在完了に変わっています。「自分の薬を味わってしまった」という、いま実感したところを表す言い方です。

a taste of one’s own medicine のように、名詞の形でも使えます。get a taste of one’s own medicine と言えば、「自分がしたことの味を知る」という意味になります。

日本語にすると、「自分がしたことを思い知る」「やり返されて初めてわかる」「自業自得」など、場面によって訳が変わります。共通しているのは、自分が他人にしていたことが、自分に返ってくるという点です。する側とされる側の立場が入れ替わることが、この表現の中心にあります。

【ここがポイント!】

  • 「taste one’s own medicine」の核は、自分がしたことを、自分がされて知ること
  • one’s の位置には my・your・his などが入り、名詞の形の a taste of one’s own medicine もある
  • する側だったのに、される側に回った実感を表す一言

『フレンズ』S06E21のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

フィービーが自分たちのことを本に書くのをやめてほしいと、モニカが言った続きの場面です。モニカはフィービーの言い方を真似て、フィリスのことを書くと言い出します。真似されたフィービーが、自分のしていたことの味を、口にします。

Monica: Then you know what? I will just write about Phyllis. “Phyllis is sitting in a chair.”
(だったら、私はフィリスのことを書くから。「フィリスは椅子に座っている。」)

Chandler: Ooh.
(おお。)

Phoebe: I see what you’re doing.
(何をしてるのか、わかってるわよ。)

Monica: “Phyllis sees what I’m doing.”
(「フィリスは、私のしていることがわかっている。」)

Chandler: Ooh-hoo.
(おお、おお。)

Phoebe: Ooh, I have tasted my own medicine and it is bitter.
(うう、自分が出した薬の味を知ったわ。しかも苦いのよ。)

Friends Season6 Episode21(The One Where Ross Meets Elizabeth’s Dad)

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シーン解説と心理考察

モニカは、自分たちのことを書かないでほしいとフィービーに言っていました。フィービーが、書いているのは別の人たちのことだと答えると、モニカは「だったら私はフィリスのことを書くから」と言い返します。ここでモニカがしているのは、フィービーがしていたことの真似です。言葉でやめさせるのではなく、同じことを同じ形で返して見せる、という反撃の仕方です。

モニカが書くフィリスは、フィービーを指す仮の名前です。先の場面では、チャンドラーとモニカの言い合いを、フィービーが自分の本に入れると話していました。仲間の言動を材料にする側だったフィービーが、今度は言動を材料にされる側に回ります。

「何をしてるのか、わかってるわよ」とフィービーが指摘すると、モニカは「フィリスは、私のしていることがわかっている」と続けます。フィービーの言い方を、フィリスの言葉として書き直したような文で、自分の言葉が、書かれる側に回って返ってきた形です。チャンドラーの「Ooh」という短い声が、二人のやり取りに合いの手を入れています。

そこでフィービーが口にするのが、have tasted my own medicine です。自分がしていたことを、書かれる側から味わったという実感が、and it is bitter という言葉で、苦いという味に置き換えられています。する側にいたときには見えなかったものが、される側に回ってはっきり見えた瞬間として響きます。

『フレンズ』流・覚え方のコツ

他人に飲ませようとしていた薬を、いつの間にか自分の口に運ばされている様子を思い浮かべてみましょう。飲んでみたら苦かった、というところまでが、このフレーズの絵です。

フィービーは、モニカにやり返されて、書かれる側の味を初めて知りました。薬を飲ませる側から、飲まされる側に回る入れ替わりが、そのまま言葉になった一言です。「苦い」まで含めて覚えておくと、やり返されたときの実感まで、一緒に思い出せます。薬の名前が出るたびに、飲まされる側の顔を思い浮かべるようにすると、意味も形も定着しやすくなります。

例文で覚える「taste one’s own medicine」

いつもする側だった人が、される側に回る場面を、3つの例文で確認していきましょう。動詞の形と、名詞の形の両方が出てきます。

She always interrupts people, so it was a taste of her own medicine when someone cut her off today.
(彼女はいつも人の話をさえぎるから、今日自分がさえぎられたのは、自分がしたことを思い知る出来事だった。)
会議でいつもさえぎる人が、さえぎられた場面です。a taste of her own medicine の名詞の形で使っています。

A: Did you see how she ignored Tom’s text?
B: Yeah, he’s tasting his own medicine. He ignores everyone’s texts.
(A:彼女がトムのメッセージを無視したの、見た?)
(B:うん、トムは自分がしたことを味わってるね。誰のメッセージも無視するんだから。)
友人同士の会話です。進行形の tasting を使うと、いま味わっている最中だという感じが出ます。

I used to be late all the time, and now I get a taste of my own medicine whenever my friends keep me waiting.
(私はよく遅刻していたから、今は友だちに待たされるたびに、自分がしたことを思い知るよ。)
自分の過去の行いを振り返る場面です。one’s の位置に my を置くと、自分自身のことになります。

あわせて覚えたい関連表現

serve someone right
(人にはいい薬だ、当然の報いだ)
serve someone right は、外から見て「当然だ」と評価する言い方です。taste one’s own medicine は、自分が同じことをされる側に回る様子を描く言い方です。

get what’s coming to one
(当然の報いを受ける)
get what’s coming to one は、行いに見合った結果を受ける、という一般的な言い方です。taste one’s own medicine は、同じことを返される点に絞られます。

turn the tables
(立場を逆転させる)
turn the tables は、立場や形勢が逆になる動きを表します。taste one’s own medicine は、逆転した結果を味わう側の実感を表します。

Note|taste・medicine・bitter の文字どおりの意味から、比喩の絵を組み立てる

taste one’s own medicine は、どれも基本的な単語だけでできています。3語の文字どおりの意味を確認すると、この比喩の絵が組み立てやすくなります。

taste は「味わう」、medicine は「薬」、そして作中でフィービーが続けた bitter は「苦い」です。薬は苦い、という身近な感覚がつながって、他人に飲ませていた薬を、自分が飲んだら苦かった、という絵ができあがります。ここに own が入ることで、「自分自身の」薬という向きが加わります。他人に出したはずの薬が、自分に返ってきた、という筋道です。own がなければ、単に薬を飲む話で終わってしまいます。

作中のフィービーは、taste の過去分詞の tasted を使い、「いま味わったところ」だと言いました。そのうえで、and it is bitter と、味の感想まで言い添えています。it が指しているのは my own medicine で、比喩の絵を最後まで言い切った形です。

味わうという動作と、苦いという感想がそろうことで、やり返される側の実感が、ひとつの絵になります。単語の意味をたどると、フレーズの意味も、同じ順に見えてきます。

まとめ|やり返されて知る、書かれる側の味

taste one’s own medicine は、他人にしたのと同じことを自分がされて、その味を知るという口語表現です。one’s の位置に my や your を入れ、a taste of one’s own medicine の名詞の形でも使えます。

いつもする側だった人が、される側に回った実感を伝えたいときに、味わうという動作と苦いという感想を組み合わせて、気持ちを立体的に表せます。

やり返されて初めて知る書かれる側の味を、フィービーの一言がそのまま言い表していました。

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