「if you must know」の意味と使い方|『Friends』S06E21で学ぶ英会話

「if you must know」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

聞かれたくないことを重ねて聞かれて、答えたくない気持ちと、つい答えてしまいたい気持ちの間で、思わず前置きをつけて話し出したことはありませんか。

そんなときに使える「if you must know」を、『フレンズ』シーズン6第21話の前半、新しい本を書き始めると話したフィービーが、レイチェルの皮肉まじりの質問に答えるシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「if you must know」の意味とニュアンス

if you must know
意味:どうしても知りたいなら言うけれど、そこまで聞くなら答えるけれど

if you must know は、相手にしつこく尋ねられたり、突っ込まれたりして、少し不本意ながら答えるときに、前置きとして添える口語表現です。if は「もし〜なら」、must は「〜しなければならない」、know は「知る」という基本の意味で、直訳すると「どうしても知らなければならないなら」になります。

本来は答えなくてもよい内容を、聞かれたから仕方なく明かす、という含みがあります。そのため、話し手の声の調子によって、冗談めかした軽い前置きにも、少しむっとした切り返しにもなります。

形は、答えの内容の前に置くのが基本です。作中でも、I have written 14 books という答えの前に置かれています。I was at the gym, if you must know. のように、文末に添える形もあります。どちらの位置でも、「聞かれたから言うけれど」という構えを先に示す働きは変わりません。

日本語にすると、「どうしても知りたいなら」「そこまで聞くなら」「言っておくけど」など、場面によって訳が変わります。共通しているのは、答えることを少しためらう気持ちと、相手に軽くくぎを刺す気持ちの両方が入っている点です。

【ここがポイント!】

  • 「if you must know」の核は、聞かれたから答えるという、少し渋々な前置き
  • 答えの前に置くのが基本で、文末に添える形もある
  • 言い方しだいで、冗談めかした前置きにも、むっとした切り返しにもなる

『フレンズ』S06E21のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

チャンドラーが、フィービーに「表紙で判断しているのか」と声をかける場面です。フィービーは新しい本を書き始めるところだと答え、レイチェルが前の本のことを問い返します。ここでフィービーが、if you must know と前置きをして返します。

Chandler: Are you judging them by their covers? ‘Cause you’re really not supposed to do that.
(表紙で判断してるのか? 本当は、そういうことはやっちゃいけないことになってるんだぞ。)

Phoebe: No, I’m just deciding which one to use. I’m going to start writing another book.
(ううん、どれを使うか決めてるだけ。もう1冊、本を書き始めるところなの。)

Rachel: B-because the last one was such a big seller?
(そ、それって、前の本がそんなに売れたから?)

Phoebe: Well, if you must know, I have written 14 books and, as I’m the only one who has read them, I can tell you that they have all been very well-received.
(そうね、どうしても知りたいなら教えるけど、私は本を14冊書いてるの。読んだのは私だけだから、どれもすごく評判がいいって私が言えるわ。)

Friends Season6 Episode21(The One Where Ross Meets Elizabeth’s Dad)

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シーン解説と心理考察

チャンドラーは、フィービーが表紙を見て何かを決めていると受け取り、そういうことは本来してはいけないと軽く指摘します。フィービーは、判断しているのではなく、どれを使うかを決めているだけだと答え、もう1冊本を書き始めるところだと続けます。ここまでは、仲間同士の気軽なやり取りです。

流れが変わるのは、レイチェルの質問からです。「前の本がそんなに売れたから?」という問いは、売れ行きを疑うような含みのある聞き方で、B-because と言いよどむ話し方が、その含みをやわらかく見せています。

フィービーはこれに、if you must know と前置きをして答えます。売れたかどうかには直接触れず、14冊書いたこと、読んだのは自分だけであること、評判はどれも上々であることを並べます。読んだのが自分ひとりだと、自分から明かしたうえで評判を語る言い方は、フィービー本人が意図した笑いに読めます。笑いの出どころは、評判がどれも上々だという言葉と、読んだのは自分だけという告白との落差です。

このシーンで if you must know は、二つの働きをしています。ひとつは、突っ込まれたから答えるという構えを見せること。もうひとつは、前置きの重さと、そのあとに続く答えの中身との落差をつくることです。「どうしても知りたいなら」という大きな前置きのあとに、読んだのが自分ひとりだけという14冊の話が続くので、前置きが大きいほど、答えの中身が引き立ちます。

『フレンズ』流・覚え方のコツ

聞かれた側が、しぶしぶ扉を半分だけ開けて、中身を見せる様子を思い浮かべてみましょう。開けたくはないけれど、そこまで言うなら見せる、という動作が、if you must know の前置きにそのまま重なります。

フィービーは、14冊という答えを見せる前に、この一言でいったん扉に手をかけました。扉を開ける前の一言、と覚えておくと、答えを言う前に置く位置も一緒に思い出せます。

例文で覚える「if you must know」

日常の詮索から、職場でのやり取り、うれしい話題をはぐらかす場面まで使える表現を、3つの例文で確認していきましょう。

If you must know, I spent the whole weekend cleaning the garage.
(どうしても知りたいなら言うけど、週末はまるごとガレージの掃除で終わったの。)
週末の予定をしつこく聞かれた場面です。答えの内容の前に置くと、聞かれたから答えるという構えが伝わります。

A: Why are you smiling at your phone?
B: If you must know, my sister just sent me a photo of her new puppy.
(A:なんでスマホを見てにやにやしてるの?)
(B:どうしても知りたいなら言うけど、妹が新しい子犬の写真を送ってくれたの。)
友人に詮索されて答える会話です。うれしい話題でも、前置きをつけると、少しはぐらかす照れくささが出ます。

I finished the report last night, if you must know.
(どうしても知りたいなら言うけど、その報告書は昨日の夜のうちに終わらせたよ。)
上司に進捗を何度も確認された場面です。文末に添える形にすると、少し得意げに打ち明けるような響きになります。

あわせて覚えたい関連表現

if you really want to know
(本当に知りたいなら)
if you must know が相手のしつこさに少し呆れる色を含むのに対し、if you really want to know は「本当に知りたいのなら」と、相手の知りたい気持ちの強さに焦点が当たります。

for your information
(念のために言っておくと)
for your information は、相手の思い違いを正すために情報を足す前置きです。if you must know は、聞かれた質問に答える前置きになります。

none of your business
(余計なお世話)
none of your business は、答えること自体を断る言い方です。if you must know は、不満をにじませながらも答えます。

Note|if you must know の前置きは、答えを拒むか、答えを添えるかで選び分ける

if you must know とあわせて押さえたいのが、if you really want to know、for your information、none of your business の3つです。どれも相手に何かを伝える前に置く言い方ですが、向いている方向が少しずつ違います。

まず、答えを拒むか、答えを添えるかで分けると、none of your business は答えを拒む言い方で、あとに答えが続かないのが基本です。if you must know、if you really want to know、for your information は、あとに答えや情報が続きます。

答えが続く3つのうち、if you must know は「知らなければならないというなら」という言い方で、聞かれたから答えるという、答える側の構えを示します。must が「そうしなければならない」という圧を含むためです。if you really want to know は「本当に知りたいなら」と、相手の知りたい気持ちの強さを確かめる形です。for your information は、相手が知らない、あるいは思い違いをしているという見方から情報を足す言い方で、質問に答えるというより「言っておくと」と補う働きになります。

作中でフィービーは、none of your business のように拒むことはせず、if you must know と前置きして答えました。答えたうえで、答えの中身で切り返すという選び方です。前置きの選び方しだいで、答える側の構えは変わります。

まとめ|前置きひとつで、答え方の構えが変わる

if you must know は、聞かれたから答えるという、少し渋々な前置きです。答えの前に置き、場合によっては文末に添えて、言い方しだいで冗談めかした軽さにも、むっとした切り返しにもなります。

詮索されたときに、答えを拒むのではなく、前置きを添えて答えを返したい場面で、この一言が会話の間をつくります。

読んだのは自分だけという告白との落差で笑いをつくったフィービーの答えは、この前置きの働きがそのまま見える場面でした。

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