海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン6第21話では、ロスがカフェのセントラルパークで、恋人エリザベスの父親ポールに紹介されます。名前で呼ぶか、Mr.+名字で呼ぶかという問題が、この回の会話のあちこちに顔を出します。
初対面の相手やその家族をどう呼べばいいかは、英語でも迷いやすいところです。紹介のあいさつ、本人を前にした呼び方、名前で呼ぶことを許すひと言の順に見ていきます。
「It’s great to meet you, Paul」名前で呼んだあいさつと言い直し
カウンターでコーヒーを飲んでいるロスのところへ、エリザベスが父親を連れてやって来ます。まずはエリザベスが二人を引き合わせます。
Elizabeth: This is my father, Paul Stevens. Dad, this is Ross Geller.
(こちらが父のポール・スティーブンス。パパ、こちらがロス・ゲラーよ。)
Ross: It-it-it’s great to meet you, Paul.
(お、お会いできてうれしいです、ポール。)
Friends Season6 Episode21(The One Where Ross Meets Elizabeth’s Dad)
This is my father, ~. と Dad, this is ~. は、間に立つ人が双方を紹介するときの基本の形です。家族の側は名前と名字をそろえて伝え、呼びかけの Dad で父親に向き直ってから相手を紹介しています。紹介されたロスは、It’s great to meet you に名前の Paul を添えてあいさつします。
このあいさつに返ってきたのが、次のひと言です。
— I usually prefer Liz’s boyfriends to address me as Mr. Stevens.
(リズのボーイフレンドには、ふだんミスター・スティーブンスと呼んでもらうほうがいいんだがね。)
Friends Season6 Episode21(The One Where Ross Meets Elizabeth’s Dad)
prefer ~ to address me as … は「〜には…と呼んでもらうほうがいい」と、呼び方の希望を伝える言い方です。address はここでは「呼びかける」という意味の動詞で、address me as ~ で「私を〜と呼ぶ」になります。usually が入ることで、その場かぎりの思いつきではなく、ふだんからの決まった希望として伝わります。名前で呼んだ直後に、名字で呼んでほしいと返された形です。
Ross: Well, of course, of course, Mr. Stevens.
(ええ、もちろんです、もちろん、ミスター・スティーブンス。)
Friends Season6 Episode21(The One Where Ross Meets Elizabeth’s Dad)
ロスは of course を重ねて受け入れ、すぐに Mr. Stevens と呼び直します。Mr. は名字と組み合わせて使うのが一般的とされ、初対面の目上の人や恋人の家族に対して使われることの多い呼び方です。
「When does Liz’s father get here?」本人を前にして「〜のお父さん」と言うとき
ロスがみんなのコーヒーを運んできたところへ、遅れてレイチェルがやって来ます。レイチェルは遅れたことを謝ってから、こう尋ねます。
Rachel: When does Liz’s father get here?
(リズのお父さんはいつ来るの?)
Paul: I’m already here.
(もう来ているよ。)
Rachel: Ross is so great.
(ロスって本当に最高なの。)
Friends Season6 Episode21(The One Where Ross Meets Elizabeth’s Dad)
Liz は Elizabeth を短くした呼び方です。When does ~ get here? は「〜はいつ着くの?」と到着を尋ねる言い方で、get here は「ここに着く」で、待ち合わせの場で相手の到着を気にするときにも使える組み合わせです。~’s father のほうは、本人がいない場で第三者として話すときの言い方にあたります。
その質問に、目の前の本人から返ってきたのが I’m already here. です。already を入れるだけで「もう来ている」と伝わり、相手の思い違いを短く正す返しになります。レイチェルはそこで、ロスをほめる言葉を続けます。
本人を前にしたときは、~’s father のように第三者として呼ぶより、紹介を受けてから Mr. +名字で呼びかけるほうが落ち着く場面が多いとされます。この場面では、本人と気づかないまま、到着を本人に尋ねる形になっています。
「Oh, sorry, Mr. Paul」敬称と名前が混ざったとき
場面が変わり、カフェのセントラルパークにレイチェルが一人でいるところへ、ポールが置き忘れた鍵を探しにやって来ます。鍵が見つかってお礼を言ったポールを、レイチェルが呼び止めます。
Rachel: Yeah– wait! Oh, sorry, Mr. Paul, Mr. Paul.
(ええ……待って!あ、ごめんなさい、ミスター・ポール、ミスター・ポール。)
Paul: Just call me Paul.
(ポールでいいよ。)
Friends Season6 Episode21(The One Where Ross Meets Elizabeth’s Dad)
レイチェルの Mr. Paul は、敬称の Mr. に名字ではなく名前の Paul を続けた形です。Mr. は名字と組み合わせるのが一般的とされるので、丁寧に呼ぼうとする形と、名前での呼び方が混ざった言い方と読み取れます。
それに対する Just call me Paul. は「ポールでいいよ」と、名前で呼んでかまわないと伝える言い方です。call me ~ で呼び方を示し、just を付けることで「敬称はいらない」という気軽さが加わります。英語圏では、目上の人のほうから Call me ~. と名前で呼ぶことを許す流れがよく見られると言われます。
呼び方に迷ったときは、まず Mr. +名字で呼び、相手から Just call me ~. と言われたら名前に切り替える、という順番で考えると整理しやすくなります。
まとめ|相手の家族をどう呼ぶか
This is my father, ~. の紹介から、Mr. +名字への言い直し、When does ~ get here? と本人を前に尋ねてしまう場面、Just call me ~. と名前で呼ぶことを許すひと言までを見てきました。呼び方の希望を伝える言い方と受け止める言い方をセットで押さえると、初対面の場面で慌てずにすみます。
紹介の場面に注目しながら観ると、この回の会話がまた違って見えてきます。
このエピソードのほかのコラムやフレーズ記事でも、同じ回の別の場面の英語を取り上げています。


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