「jog your memory」の意味と使い方|『Friends』S06E22で学ぶ英会話

「jog your memory」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

相手に自分のことを思い出してもらいたいのに、名乗ってもなかなか伝わらず、もどかしい思いをした経験はありませんか。

そんな場面で使える「jog your memory」を、『フレンズ』シーズン6第22話の前半、ジョーイが店の人に自分を思い出してもらおうとするシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「jog your memory」の意味とニュアンス

jog your memory
意味:(きっかけを与えて)記憶を呼び起こす、思い出させる

jog your memory は、相手が忘れかけていることに、きっかけを与えて思い出させる言い方です。jog は「軽く押して動かす」「軽く揺する」という意味の動詞で、memory は「記憶」です。すっかり消えた記憶を作り直すのではなく、しまい込まれた記憶に軽くひと押しを加えて、表に出してもらうイメージです。

形は jog + 所有格 + memory で、所有格の位置には思い出す人が入ります。相手に向けるなら jog your memory、自分が思い出すなら jog my memory、第三者なら jog his memory と、思い出す人に合わせて形が変わります。主語には、思い出すきっかけになる物や出来事が来ます。this や an old photo のように、手がかりになるものが主語に立ち、それが記憶を軽く動かす、という組み立てです。

「思い出させる」を表す remind との違いは、焦点にあります。remind は、忘れていることや予定を思い出させる一般的な動詞です。jog your memory は、記憶を軽く動かす「きっかけ」に焦点があり、「これで思い出すかも」と手がかりを差し出す場面になじみます。

【ここがポイント!】

  • 核は、記憶を「軽くひと押し」して思い出させる、きっかけの動き
  • jog + 所有格 + memory の型で、所有格の位置に思い出す人が入る
  • 主語には、思い出すきっかけになるもの(this や写真など)が来る

『フレンズ』S06E22のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

ジョーイは、壁に自分の写真をもう一度飾ってもらおうと、店を訪れています。以前は壁に写真が飾られていましたが、いまは外されていて、それを戻してほしいと頼みに来たところです。店の人に「どちら様ですか」と聞かれ、名乗ったあとに切り出すのが、今回の一言です。

Joey: Hey. So, I’m back.
(よう。で、戻ってきたぜ。)

The Dry Cleaner: Who are you?
(どちら様ですか?)

Joey: Joey Tribbiani. From the wall? Okay, maybe this will jog your memory, huh? Okay, anyway, I’m ready to go back up on the wall. I’m the star of a new TV show.
(ジョーイ・トリビアーニだよ。壁の。じゃあ、これで思い出すんじゃないか? まあいいや、とにかく、壁に戻る準備はできてるぜ。俺は新しいテレビ番組の主役なんだ。)

The Dry Cleaner: Show me in the TV book.
(テレビの番組表で見せてください。)

Friends Season6 Episode22(The One Where Paul’s the Man)

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シーン解説と心理考察

店の人の Who are you? に対して、ジョーイは名前と From the wall? だけを答えます。疑問の形の From the wall? は、相手の反応をうかがう言い方です。相手がすぐには思い出さないため、次の手として出てくるのが jog your memory です。

maybe this will jog your memory の maybe には、これで思い出してもらえるかもしれない、という控えめな期待が表れています。this will jog your memory は、this が主語です。記憶を動かすきっかけとして、ジョーイが差し出したものを指しています。名前だけでは足りなかったので、別の手がかりを添えて、もう一度思い出してもらおうとする動きです。

そのあとジョーイは、壁に戻る準備はできている、新しいテレビ番組の主役だと売り込みます。店の人の返答は Show me in the TV book. で、その番組が本当にあるのなら、テレビの番組表で見せてほしいという求めです。「思い出してもらう」段階から、「実際にあることを示す」段階へと、会話の焦点が移っています。

この場面の jog your memory は、記憶を呼び起こす手がかりを差し出す、前向きで控えめな一言として使われています。名乗るだけでは足りなかったとき、相手に思い出す糸口を渡す言い方だとわかります。

『フレンズ』流・覚え方のコツ

眠りかけた記憶の肩を、指先でとんとんと軽く叩いて起こす様子を思い浮かべてみましょう。強く揺さぶるのではなく、軽いひと押しで動かすのが jog の感覚です。すっかり忘れた記憶ではなく、奥にしまわれていた記憶が、ひと押しで顔を出す、という道筋です。

ジョーイの場面では、名乗っても通じなかった相手に、もうひとつ別のきっかけを出す流れになっていました。「これで思い出すかな」という一言は、記憶の肩を軽く叩く動きそのものです。何かを見せたり聞かせたりして、相手の記憶にそっと触れる。そんな動きを重ねて覚えておくと、思い出してほしい場面で、この一言がすっと出てきます。

例文で覚える「jog your memory」

きっかけを差し出して思い出してもらう場面で使われる jog your memory を、3つの例文で確認していきましょう。

Does this photo jog your memory?
(この写真で何か思い出さない?)
昔の写真を見せながら、相手の記憶を探る場面です。this photo が主語に立ち、思い出すきっかけとして差し出されています。

Try looking at the meeting notes if you need something to jog your memory.
(思い出すきっかけが欲しいなら、会議のメモを見てみて。)
職場で、前回の打ち合わせの内容を思い出せない同僚に声をかける場面です。something to jog your memory で、「思い出すためのきっかけになるもの」という意味になります。

A: I can’t remember where I put my keys.
B: Retrace your steps. That might jog your memory.
(A:鍵をどこに置いたか思い出せないの。)
(B:歩いた道をたどってみて。思い出すかもしれないよ。)
探し物をしている友人との会話です。That が主語で、歩いた道をたどる行為が記憶のきっかけになる、という流れです。

あわせて覚えたい関連表現

remind someone of ~
(人)に〜を思い出させる
remind は、忘れていることを思い出させる一般的な言い方です。jog your memory は、きっかけを与えて記憶を動かすことに焦点があります。

ring a bell
聞き覚えがある、ピンとくる
ring a bell は、思い出す側の「聞き覚えがある」という反応を表します。jog your memory は、思い出させる側の働きかけを表します。

refresh someone’s memory
(人)の記憶を新たにする
refresh は、記憶をもう一度はっきりさせる響きがあります。jog は、軽く動かして思い出すきっかけを与える響きです。

Note|「軽く動かす」を表す jog と、remind の焦点の違い

jog your memory の jog は、記憶以外にも使われる動詞です。文字どおりの意味は、「軽く押して動かす」「軽く揺する」です。

たとえば jog someone’s elbow は、誰かの肘を軽く突いて注意を引くという意味です。強く押すのではなく、軽くひと押しして動かす。その動きが記憶に向かうと、jog your memory になり、「記憶を軽く揺すって動かす」という比喩になります。物理的な動きの感覚がそのまま残っているため、jog は「少しのきっかけで動く」場面と相性がいい動詞です。

remind と比べると、焦点の違いがわかります。remind は「思い出させる」こと自体を表し、remind me to call him(彼に電話するのを思い出させて)のように、忘れてはいけない用件や予定に向く動詞です。jog your memory は、忘れかけた記憶に、きっかけを差し出して動かすことに焦点があります。見せる、聞かせる、示す、といった手がかりが主語に立つ場面になじむ型です。

ジョーイの場面は、この違いがよく表れています。名乗っただけでは通じなかった相手に、別のきっかけを差し出して、記憶を動かそうとする。用件を思い出させるのではなく、自分という存在の記憶に触れてもらう動きです。

軽いひと押しで記憶が動く。その感覚を、jog が担っています。

まとめ|きっかけを差し出して、記憶を軽く動かす一言

jog your memory は、忘れかけていることに、きっかけを与えて思い出させる言い方です。jog の「軽く押して動かす」という動きが、記憶に向いた形です。

作中では、ジョーイが名乗っても通じなかった相手に、「これで思い出すかな」と別の手がかりを差し出していました。所有格の位置には思い出す人が入り、主語には思い出すきっかけになるものが来ます。

remind との違いは、きっかけに焦点があるかどうかです。思い出してほしい場面が来たら、記憶の肩を軽く叩く一言として、表現の引き出しに加えてみてください。

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