「hear myself think」の意味と使い方|『モダンファミリー』S07E15で学ぶ英会話

「hear myself think」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

家の中が騒がしくて、考えをまとめたいのに落ち着ける時間がない。そんな日があります。やっと静かになった途端に、頭の中でぱっと答えがつながることもあります。

そんな瞬間に似合う「hear myself think」を、『モダンファミリー』シーズン7第15話の後半、ヘイリーが考える余裕をくれたあとのフィルがクレアの一日の用事を計算し直す語りの出だしから、一緒に見ていきましょう。

目次

「hear myself think」の意味とニュアンス

hear myself think
意味:落ち着いて考える、静かに自分の考えに集中する

hear myself think は、周りの騒音や話し声に邪魔されず、自分の頭の中の考えがはっきり聞こえるくらい静かな状態で考えることを表します。hear は「聞く」、myself は「自分自身」、think は「考える」で、文字どおりには「自分が考えているのを聞く」という言い方です。

否定形の I can’t hear myself think. は、「うるさくて考えがまとまらない」という意味で、騒がしさの程度を強調する言い方になります。反対に、肯定形で使うと「やっと静かに考えられる」という意味になります。

myself の部分は、主語に合わせて変わります。主語が you なら yourself、he なら himself、they なら themselves です。同じ表現でも、誰が考えるのかによって形が入れ替わる点を押さえておくと、文を組み立てやすくなります。

【ここがポイント!】

  • 「hear myself think」の核は、静けさのおかげで自分の考えがはっきり聞こえる状態
  • 否定形は「うるさくて考えがまとまらない」、肯定形は「やっと落ち着いて考えられる」
  • myself は主語に合わせて yourself や himself などに入れ替わる

『モダンファミリー』S07E15のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

フィルが、クレアが今日こなしたことになっている用事を、時間で並べ直していく場面です。ヘイリーがやっと考える余裕をくれたあと、フィルはクレアがアシスタントを使っているのではないかと思い当たり、用事をひとつずつたどり直して時間を計ることにします。hear myself think は語りの出だしに置かれ、そのあとに時間の計算が続いていきます。

Phil: When Haley finally gave me a chance to hear myself think, it hit me.
(ヘイリーがやっと落ち着いて考えさせてくれたら、ピンときたんだ。)

Phil: Could Claire be using an assistant? I decided to retrace every errand she allegedly ran today and time it out.
(クレアはアシスタントを使ってるんじゃないか? 俺は、今日クレアがこなしたことになっている用事を全部たどり直して、時間を計ってみることにした。)

Phil: She was in meetings from 9:00 A.M. to 1:30, leaving her a 90-minute window to buy Haley’s dress, see Stan at Best Buy for Alex’s present, then speed home, where she could start baking the cupcakes, drag the churn in from the garage, churn, wrap, and frost, leaving her a scant eight minutes at school pick-up time to race back for her 3:00 staff meeting.
(クレアは午前9時から1時30分まで会議だった。つまり使えるのは90分の空き。その間に、ヘイリーのドレスを買い、アレックスのプレゼントのためにベストバイでスタンに会い、車を飛ばして帰宅して、カップケーキを焼き始め、ガレージから攪拌機を引っ張り出して、攪拌して、包んで、フロスティングをする。そうすると、学校のお迎えの時間には、3時のスタッフ会議に駆け戻るための猶予がわずか8分しか残らない。)

Phil: Even if all 14 traffic lights on her route were green, this task would be Impossible.
(たとえ道中の14個の信号が全部青でも、こんなの不可能だ。)

Modern Family Season7 Episode15 (I Don’t Know How She Does It)

シーン解説と心理考察

フィルの語りは、考える余裕を得たという話から始まります。ヘイリーがやっと考える時間をくれたら、ピンときた。it hit me という言い方には、考えがまとまった瞬間のひらめきが表れています。

語りの出だしに hear myself think が置かれていることで、考える余裕を得たことと、ひらめきが結びついているのが分かります。

そのひらめきの中身が、クレアはアシスタントを使っているのではないか、という疑いです。フィルは、今日クレアがこなしたことになっている用事をたどり直して、所要時間を計ることにします。allegedly(こなしたことになっている)という言葉には、本当にクレア自身がやったのかを疑う気持ちがにじんでいます。

続く長い語りでは、数字が次々と並びます。会議は午前9時から1時30分までで、使えるのは90分の空き。その間にドレスの買い物、ベストバイでのプレゼントの用事、帰宅してカップケーキを焼き、攪拌機を出して、包んで、フロスティングまで済ませる。そこまでやると、学校のお迎えの時間には、3時の会議へ戻る猶予が8分しか残りません。用事をひとつずつ並べて、時間を足し引きしていく、理詰めの語り口が見どころです。

最後は、道中の信号が14個すべて青でも不可能だ、という結論です。Impossible と言い切る語りに、数字を積み上げた末の確信が重なっています。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

頭の中の考えを、小さな声だと思ってみましょう。周りで大きな音が鳴っているあいだは、その声はかき消されて聞こえません。音が静まって初めて、自分の声がはっきり耳に届きます。hear myself think は、その「自分の声が聞こえるようになる」瞬間を指しています。

ラジオの音量をぐっと下げると、すぐ後ろで流れていた小さな音まで聞こえてくる。あの感覚と同じです。

フィルの語りは、ヘイリーが考える余裕をくれたあとに it hit me とひらめく流れでした。音が静まる、自分の声が聞こえる、答えがつながる。静けさが先にあって、考えが動き出すのはその後です。gave me a chance to hear myself think の一文は、この三つの段階のうち、静けさが訪れて自分の声が聞こえるところまでを言葉にしたものです。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「hear myself think」

騒がしい場所での愚痴にも、静けさを求める理由にも使えるのが hear myself think です。3つの例文で、使い方の幅を確認していきましょう。

It’s so loud in here that I can’t hear myself think.
(ここはうるさすぎて、考えがまとまらないよ。)
騒がしい場所で愚痴をこぼす日常の場面です。so loud that の形で、騒がしさの程度を原因として示し、結果を can’t hear myself think で言い切っています。

With the construction next door, nobody in the office can hear themselves think.
(隣の工事のせいで、オフィスの誰もが考えに集中できない。)
職場の騒音を説明するビジネスの場面です。主語が nobody なので、myself が themselves に入れ替わっています。

A: Why did you go to the library?
B: I needed a quiet place where I could hear myself think.
(A:どうして図書館に行ったの?)
(B:落ち着いて考えられる静かな場所が必要だったんだ。)
静かな場所を選んだ理由を話す、友人同士の会話です。where の節の中に置くと、「そこで落ち着いて考えられる場所」という言い方になります。

あわせて覚えたい関連表現

collect one’s thoughts
(考えをまとめる、気持ちを落ち着ける)
collect one’s thoughts は、散らばった考えを整理する動作を表します。hear myself think が、騒音などが取り除かれて考えられる環境や状態に重点があるのに対し、こちらは考えを集める行為に目が向いています。

drown out something
(〜をかき消す)
drown out は、大きな音が別の音や声をかき消すことを表します。hear myself think の逆の状態、つまり周りの音が自分の考えをかき消してしまう様子と、対にして覚えられます。

have some peace and quiet
(静かに過ごす、静けさを得る)
have some peace and quiet は、環境の静けさそのものを指します。hear myself think は、その静けさの中で自分が考える状態まで含めて表す点が違いです。

Note|can’t hear myself think と give me a chance to hear myself think、myself が主語で変わる形

シーンの hear myself think は、前に gave me a chance to が付いた肯定の形でした。ここでは、否定形と並べて、myself が主語に合わせて入れ替わる点を整理します。

否定形の I can’t hear myself think. は、騒音を原因にして「考えがまとまらない」と伝える形です。I can’t hear myself think over this music.(この音楽がうるさくて考えがまとまらない。)のように、over のあとに騒音の原因を置けます。また With the TV on, I can’t hear myself think. のように、with で状況を先に示す形もあります。

肯定形は「静かに考えられる」状態を述べます。I went outside so I could hear myself think.(落ち着いて考えられるように外へ出た。)のように so のあとに置いたり、a chance to hear myself think のように to 不定詞で続けたりします。

myself の部分は、主語と同じ人を指す再帰代名詞なので、主語に合わせて変わります。The kids were so loud that she couldn’t hear herself think.(子どもたちがうるさくて、彼女は考えがまとまらなかった。)では herself です。

シーンでは、gave me a chance to の me と myself がどちらもフィル自身を指していて、形がそろっています。

まとめ|静けさのあとに並び直した数字

hear myself think は、周りの音に邪魔されず、自分の考えがはっきり聞こえるくらい静かに考える状態を表します。否定形なら「うるさくて考えがまとまらない」、肯定形なら「やっと落ち着いて考えられる」と、向きが変わります。

myself は主語に合わせて yourself や themselves に入れ替わり、over や with を足せば騒音の原因まで言い添えられます。騒がしい場所の様子にも、静かな場所を求める理由にも、同じ形で対応できます。

ヘイリーが考える余裕をくれたあと、フィルの頭の中で数字がひとつずつ並び直され、Impossible という結論にたどり着く。静けさが思考を動かしていく流れが、印象に残る語りです。

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