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『フレンズ』シーズン5第6話では、レイチェルが同じ建物の階下に越してきたダニーと、見た目をめぐって言い合いになります。謝りに行った玄関先から始まり、互いの決めつけを指摘し合い、最後は思いがけない誘いで話が終わります。
人を見た目で判断してしまったと認める言い方と、相手の決めつけに言い返す言い方を、三つの場面に分けて、場面の順に見ていきます。
「It just doesn’t really seem like you mean it.」謝罪の受け止め方に食い下がる
地下の物置で、モニカとレイチェルはダニーを不審な男だと思い込み、騒ぎになってしまいます。二人はそのことを謝りにダニーの部屋を訪ねますが、ダニーは Okay. とだけ答えてドアを閉めます。レイチェルがもう一度ドアを叩いても、返事は同じでした。
三度目にドアを叩いたレイチェルは、こう切り出します。
Rachel: Hi. Uh, sorry to bother you but I don’t think that we can accept your acceptance of our apology.
(どうも。あの、邪魔してごめんなさい。でも、私たちの謝罪を受け入れてくれたこと、受け入れられないと思うの。)
Rachel: It just doesn’t really seem like you mean it.
(本気でそう思ってるようには見えないのよ。)
Friends Season5 Episode6(The One With The Yeti)
accept your acceptance of our apology は、accept(受け入れる)と acceptance(受け入れること)を重ねた言い回しです。「謝罪を受け入れた、というあなたの返事を受け入れられない」という意味で、謝る側が相手の許し方に注文をつけるという、あべこべの形になっています。
It just doesn’t really seem like you mean it. の mean it は「本気で言っている」という意味です。doesn’t seem like ~ と組み合わせると、「〜のようには見えない」と、相手の態度に感じた違和感を伝える言い方になります。just と really が入ることで、責めるというより「どうしてもそう見えてしまう」という含みが加わります。
ダニーの返事は、ここでも一言の Okay. でした。Okay は同意を表す言葉ですが、話を広げないまま会話を終える返事として働くこともあります。ダニーはそのままドアを閉め、モニカは感じの悪い人だと口にします。
「Some people are just into appearances.」遠回しな決めつけと言い返し
場面が建物のロビーに移ると、髪とひげを切ったダニーが郵便受けの前にいます。買い物袋を抱えて入ってきたレイチェルは、初めは相手がダニーだと気づきません。レイチェルが改めて謝り、あの見た目でなければ、と言いかけたところで、ダニーはこう返します。
Danny: Absolutely. Some people are just into appearances.
(そうだよね。見た目を気にする人っているから。)
Danny: That’s cool. That’s cool.
(いいんだ。いいんだよ。)
Friends Season5 Episode6(The One With The Yeti)
be into ~ は「〜に夢中だ、〜を大事にする」という意味で、into appearances で「見た目を気にする」となります。Some people と主語をぼかしていますが、目の前のレイチェルを指していることは流れから読み取れます。That’s cool. は「別に気にしていない」と示す返しで、ここでは話を切り上げる働きもしています。
レイチェルはすぐに言い返し、買い物袋とカタログが話題にのぼると、さらにこう続けます。
Rachel: So, uh, from that, you think you’ve got me all figured out?!
(それで、そんなことで、私のこと全部分かった気でいるわけ?)
Rachel: Well, you don’t. You know, I could have toys for underprivileged kids in here.
(分かってないわよ。ねえ、この中に恵まれない子どもたちへのおもちゃが入ってるかもしれないじゃない。)
Danny: Do you?
(入ってるの?)
Rachel: Well, you know, if kids like to play with Capri pants.
(まあ、子どもがカプリパンツで遊ぶのが好きならね。)
Danny: Okay.
(わかった。)
Rachel: And stop saying that. I hate that.
(それと、その言い方やめて。大嫌いなの。)
Danny: Okay.
(わかった。)
Friends Season5 Episode6(The One With The Yeti)
figure ~ out は「〜を理解する、見抜く」という意味で、You think you’ve got me all figured out? は「私のことを全部分かったつもり?」と、決めつけに抗議するときの言い方です。ただし袋の中身は自分の服だったと、レイチェル自身が冗談で認めています。
「I judged you.」決めつけを認めて、相手にも言い返す
ダニーが部屋へ向かうと、レイチェルはあとを追ってドアを叩きます。開いたドアの前で、レイチェルは自分の非を認めたうえで、言い返します。
Rachel: Fine. I judged you.
(わかったわよ。決めつけたわよ。)
Rachel: I made a snap judgment, but you did it, too
(とっさに判断した。でも、あなたもそうでしょ)
Rachel: And you’re worse, because you are sticking to your stupid snap judgment.
(しかもあなたのほうがひどい。そのくだらない決めつけにしがみついてるんだから。)
Rachel: You can’t even open up your mind for a second to see that you might be wrong. What does that say about you?
(自分が間違ってるかもって、一瞬も考えようとしないじゃない。それって、あなたがどういう人だってことになるわけ?)
Danny: That pizza place across the street any good?
(向かいのピザ屋って、うまいの?)
Friends Season5 Episode6(The One With The Yeti)
judge は「判断する」という意味ですが、人を目的語にすると「決めつける、見た目などで評価する」という含みで使われることが多い語です。snap judgment の snap は「パチンと一瞬で」というイメージで、よく考えずに下した判断を指します。stick to ~ は「〜にこだわり続ける」、open up your mind は「考えを広げてみる」という意味です。
レイチェルは Fine. I judged you. で先に自分の決めつけを認め、but you did it, too で相手も同じだと指摘しています。認めてから返すという順番が、言い返しに筋を通しています。What does that say about you? は「それはあなたについて何を物語っている?」が直訳で、相手の態度がその人の性格を表していると突きつける問いかけです。
ダニーの返事は、言い合いとは関係のない That pizza place across the street any good? でした。Is ~ any good? の is が落ちた形で、「〜っておいしい?」と気軽に聞く言い方です。そのあとダニーは、ピザに誘いながら、言い足りないなら続けていいと付け加えます。
Danny: I’m hungry. Want to get some pizza? You can keep yelling if there’s more.
(腹減ったな。ピザ食べに行く? まだ言い足りないなら、続けていいよ。)
Rachel: Okay.
(いいわよ。)
Rachel: Okay.
(いいわ。)
Danny: Stop saying that. I hate that.
(その言い方やめて。大嫌いなんだ。)
Friends Season5 Episode6(The One With The Yeti)
Want to get some pizza? は Do you want to ~? の頭が落ちたくだけた誘い方です。誘いに応じたレイチェルの Okay. に、ダニーは先ほどレイチェルが言ったのと同じ言葉を返します。立場が入れ替わり、言い合いはここで終わります。
まとめ|決めつけを認める英語と言い返す英語
doesn’t seem like you mean it で態度への違和感を伝え、into appearances や you’ve got me all figured out で決めつけをめぐってやり合い、I made a snap judgment, but you did it, too で認めてから返す流れを見てきました。
一言の Okay が最後に向きを変えて返ってくるところまで、ふたりの言葉の応酬を追いながら観ると、この場面の英語がより立体的に見えてきます。
この回のほかの場面の英語は、同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事で扱っています。


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