「This is over」と「move on」はどう違う?けんかのあとで、この先も続くと伝える英語|『フレンズ』S05E05で学ぶ英会話

『FRIENDS』コラム: 「This is over」と「move on」はどう違う?けんかのあとで、この先も続くと伝える英語|『フレンズ』S05E05で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『フレンズ』シーズン5第5話では、仲間に知らせずに会っているモニカとチャンドラーが、週末の旅行でけんかをしてしまいます。帰ってきたあと、チャンドラーは「これで終わりだ」と言い出し、モニカはまったく違う受け止め方を示します。

同じけんかを「終わり」と取るか「乗り越えるもの」と取るかで、使う英語も変わります。二人の会話から、over と move on の違いを見ていきます。

目次

「I guess this is over.」先回りして終わりを口にする

モニカとレイチェルの部屋でモニカがクロスワードをしているところへ、チャンドラーがやって来ます。

Chandler: I just came over to drop off… nothing.
(ちょっと置きに来たんだ、その……何も。)
Chandler: So, that weekend kind of sucked, huh?
(で、あの週末はちょっとひどかったよな?)
Monica: Yeah, it did.
(ええ、そうね。)
Chandler: So I guess this is over.
(じゃあ、これで終わりってことだな。)
Chandler: Well, you know, you and me. It had to end sometime.
(ほら、君と俺のことだよ。いつかは終わるものだったんだ。)
Monica: Why, exactly?
(どうしてそうなるの?)
Chandler: Because of the weekend. We had a fight.
(週末のせいだよ。けんかしただろ。)
Monica: Chandler, that’s crazy.
(チャンドラー、そんなのおかしいわよ。)
Friends Season5 Episode5(The One with the Kips)

最初の I just came over to drop off… nothing. は、用事があるふりをしかけて「何も」と打ち消すひと言です。続く kind of sucked の kind of は「ちょっと」と言い方をやわらげる働きで、sucked は「ひどかった」という意味のくだけた口語です。

I guess this is over. の over は「終わった」という状態を表し、ここでは二人の関係そのものの終わりを指します。I guess を付けることで、「そういうことなんだろう」と自分で結論を先に出す形です。さらに It had to end sometime. と、いつかは終わるはずだったと付け加えます。had to は「〜しなければならなかった」のほかに、「〜するのは避けられなかった」という見通しを表すこともあり、ここでは後者の使い方です。

モニカの Why, exactly? は、exactly を後ろに置いて「具体的に、どうして?」と理由を問い直す聞き方です。チャンドラーが挙げた理由は「けんかをしたから」の一つだけでした。

「You deal with it and you move on.」けんかは乗り越えるものと返す

モニカは何か言いかけたところで言葉が途切れます。そのあとの会話はこう続きます。

Chandler: So, this isn’t over?
(じゃあ、終わりじゃないのか?)
Monica: You are so cute.
(あなたって本当にかわいいわね。)
Monica: No, no. It was a fight. You deal with it and you move on.
(違う違う。ただのけんかよ。ちゃんと向き合って、先に進むの。)
Monica: It’s nothing to freak out about.
(大騒ぎするようなことじゃないわ。)
Friends Season5 Episode5(The One with the Kips)

チャンドラーの So, this isn’t over? は、さっきの this is over を否定の形にして確かめ直す聞き方です。同じ語を使って問い返すことで、自分の思い込みが違っていたのかを確認しています。

モニカの答えの中心は You deal with it and you move on. です。deal with it は「その問題に向き合って対処する」、move on は「先へ進む」という意味です。ここでの you は特定の相手ではなく、「人は誰でも」という一般論の主語として使われています。

二つの表現を並べると、違いがはっきりします。

表現 意味 この場面での使われ方
this is over 関係そのものが終わった チャンドラーがけんか=終わりと受け取る
move on 出来事を片づけて先へ進む モニカがけんか=乗り越えるものと返す

It’s nothing to freak out about. の freak out は「取り乱す、大騒ぎする」というくだけた句動詞で、「慌てるようなことではない」と相手を落ち着かせる言い方です。

move on は、別れや失敗のあとで気持ちを切り替える場面にも使われる句動詞です。モニカの使い方は、関係を続けたまま出来事だけを過去のものにするという意味合いです。deal with it と組み合わせることで、問題を放っておくのではなく、向き合ったうえで進むという順序も伝わります。

「I’m afraid so.」冗談めかして肯定する

モニカの言葉を聞いたチャンドラーとのやりとりは、こう続きます。

Chandler: Really? Okay. Great.
(本当か?そうか。よかった。)
Monica: Welcome to an adult relationship.
(大人の付き合いへようこそ。)
Chandler: We’re in a relationship?
(俺たち、付き合ってるのか?)
Monica: I’m afraid so.
(残念ながら、そうみたいね。)
Friends Season5 Episode5(The One with the Kips)

Welcome to ~. は「〜へようこそ」という歓迎の決まり文句で、新しい状況に入った相手に冗談まじりに使われることがあります。ここでは、直前の「けんかは向き合って先へ進むもの」という話を受けた言葉として使われています。

チャンドラーの We’re in a relationship? は、平叙文の語順のまま語尾を上げて聞き返す形です。この問いは、relationship という言葉が出たことへの反応です。その直前の Really? Okay. Great. は、終わりではないと分かったところで短い言葉を三つ重ねた返事です。

I’m afraid so. は本来「残念ながらそうです」と、よくない知らせを認めるときに使います。たとえば Is it raining? と聞かれて I’m afraid so. と答えれば、「あいにく降っています」という意味になります。前向きな内容にあえてこの形を使うことで、冗談めかした肯定になっています。

まとめ|over と move on の違い

I guess this is over. で終わりを先回りする言い方と、You deal with it and you move on. で乗り越えると返す言い方を比べてきました。同じけんかでも、選ぶ表現で関係の見え方が変わります。

二人の会話の言葉選びに注目しながら観ると、over と move on の違いがより身近に感じられます。

この回の別の場面の英語は、同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事で取り上げています。

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