海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン6第16話は、仲間が「もしあのとき別の道を選んでいたら」と想像する前後編の後編です。もしもの世界では、ジョーイはテレビドラマに出演している俳優で、レイチェルはその部屋に招かれています。部屋に飾られた置物や仕掛けに、レイチェルは次々と声を上げます。
人の家を訪ねたとき、置いてあるものをほめる言葉や、トイレを借りる言葉は短いひと言で足ります。その言い方を場面の順に見ていきます。
「It’s just so realistic」飾ってあるものをほめて、ほめ言葉を受け取る
もしもの世界のジョーイの部屋には、大きな犬の置物が置いてあります。それを眺めるレイチェルと、部屋の主のジョーイのやりとりです。
Rachel: Ugh, I mean, it’s just so realistic.
(もう、ほんとに本物みたいなんだもの。)
Joey: I know. Yeah.
(だろ。うん。)
Friends Season6 Episode16(The One That Could Have Been, Part 2)
realistic は「本物そっくりの」「写実的な」という意味で、置物や絵、模型などの出来をほめるときに使えます。so で程度を強め、just を添えて「とにかく」という気持ちを重ねています。冒頭の Ugh は言葉にならない声で、続く I mean は言いたいことを言い直す前置きです。感心が先に立って、言葉を探している様子が台詞の形に表れています。
ジョーイの I know. は、ほめられたことをそのまま受け取る返事です。日本語なら「そんなことないよ」と謙遜しそうな場面ですが、英語では Thank you. や I know. のように受け止める返し方もあります。ただし I know. は「でしょ」と得意げにも聞こえるため、親しい相手との軽いやりとりで使われることが多い言い方です。
置物には名前がついていて、その名前を聞いたレイチェルはこう反応します。
Rachel: Oh! Oh! I get it!
(あっ!あっ!分かった!)
Friends Season6 Episode16(The One That Could Have Been, Part 2)
置物の名前は Pat で、「犬をなでる」という意味の pat the dog と同じ響きになります。I get it! の get は「理解する」という意味で、冗談や言葉遊びの仕組みがのみ込めたときに使えるひと言です。逆に分からないときは I don’t get it. と言えば通じます。
「Can I use your bathroom?」人の家でトイレを借りる
もしもの世界のこの部屋には、雨が降っているように見える仕掛けもあります。レイチェルはその仕掛けにも声を上げ、ジョーイから仕組みの説明を聞いたあと、こう尋ねます。
Rachel: Um, can I use your bathroom?
(あの、トイレ借りてもいい?)
Friends Season6 Episode16(The One That Could Have Been, Part 2)
Can I use ~? は「〜を使ってもいい?」と許可を求める形で、人の家の物や場所を借りるときの基本の言い方です。少し改まった場では May I use ~? や Could I use ~? に置き換えられます。冒頭の Um は、切り出す前の軽いためらいを表しています。
日本語では「借りる」と言うので borrow を使いたくなりますが、borrow は持って行って返す物に使うことが多く、トイレのようにその場で使う場所には use を使う、と説明されることが多い語です。
トイレを指す語にもいくつか種類があります。家の中では、浴室とトイレが同じ部屋にあることも多いため bathroom と言うのが自然とされています。toilet は便器そのものを指すことが多く、アメリカ英語では直接的に聞こえる場合があります。お店や施設のトイレは restroom と呼ばれることが多い、と覚えておくと使い分けやすくなります。
レイチェルは場所を教えてもらって、そちらへ向かいます。尋ねる側は短いひと言で済み、答える側も「あっちだよ」と指し示すだけで会話が成り立っています。
「Life’s pretty great, isn’t it?」信じられない気持ちと、それに応える一言
もしもの世界のジョーイの部屋で、トイレへ向かいながら、レイチェルは今の状況について話し始めます。
Rachel: If someone told me a week ago that I would be peeing in Joey Tribbiani’s apartment…
(1週間前に誰かに、ジョーイ・トリビアーニの部屋でおしっこすることになるって言われてたら……)
Joey: Life’s pretty great, isn’t it?
(人生って最高だろ?)
Friends Season6 Episode16(The One That Could Have Been, Part 2)
If someone told me a week ago that I would ~ は、「1週間前に誰かから『〜することになる』と言われていたら」と、過去を仮定して話す形です。文法書では If someone had told me と過去完了で書く形が基本ですが、会話では過去形の told のまま使われることもあります。続きは言わずに、文の途中で止めています。言い切らなくても、驚いている気持ちは相手に伝わります。
ジョーイはその途切れた文を受けて、Life’s pretty great, isn’t it? と返します。pretty は「かなり」、文末の isn’t it? は付加疑問で、「そうだろ?」と相手の同意を求める形です。レイチェルの言葉の続きを、自分に都合のいい形で引き取った返事になっています。
まとめ|招かれた部屋でのひと言
it’s just so realistic で飾ってあるものをほめ、I get it! で冗談に気づき、Can I use your bathroom? でトイレを借りる流れを見てきました。どれも短く、訪ねた先ですぐに使える形です。
もしもの世界のジョーイの部屋を思い浮かべながら観ると、訪問先での英語がぐっと身近になります。
同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事では、この回の別の場面の英語を取り上げています。


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