海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン6第16話は、仲間が「もしあのとき別の道を選んでいたら」と想像する前後編の後編です。もしもの世界では、フィービーは株の売り買いを仕事にしています。体調を崩して入院していたあいだに解雇が決まっていたのですが、本人はそれを知らないまま職場に戻ってきます。
聞きたくない知らせを突きつけられたとき、英語でどう言い返すかは迷いやすいところです。否定疑問への返し方から、言い張り方、切り返し方までを順に見ていきます。
「Didn’t you get fired?」否定疑問で確かめられたときの返し方
もしもの世界のフィービーは、職場に着くなり、こう声をかけます。
Phoebe: Surprise, look who’s back.
(サプライズ!ほら、戻ってきたわよ。)
Friends Season6 Episode16(The One That Could Have Been, Part 2)
Look who’s back. は直訳すると「誰が戻ってきたか見て」で、自分が戻ってきたことを自分で知らせるときにも使えるひと言です。主語を自分にせず、相手の目を向けさせる形にしているので、軽く明るい響きになります。前に置いた Surprise で、知らせずに戻ってきたことも表しています。
ところが、同僚のアーサーは別の同僚に警備を呼ぶよう伝えてから、フィービーにこう尋ねます。
Arthur: Pheebs, uh, didn’t you get fired?
(フィーブス、あのさ、君ってクビになったんじゃなかった?)
Phoebe: Heh, I don’t think so.
(ふふ、そんなことないと思うけど。)
Friends Season6 Episode16(The One That Could Have Been, Part 2)
Didn’t you get fired? は否定疑問文で、「クビになったんじゃなかった?」と、そうだと思っていることを確かめる聞き方です。get fired は「解雇される」という意味のくだけた言い方で、be fired よりも会話で耳にすることが多い形です。
フィービーの I don’t think so. は「そうは思わない」と否定する返事です。No. とだけ言うよりも柔らかく、相手の言い分を正面から打ち消さずに退けています。ここでは、知らせを聞いていないフィービーが、本気でそう思って答えている場面です。
「I didn’t get that message」知らせを受け取っていないと言い張る
もしもの世界の職場で、戻ってきた理由を聞かれて、もう治ったから仕事に戻ると答えたフィービーは、職場のジャックに続けてこう話します。
Phoebe: This clown from research told me I was fired. He should do his research, huh?
(調査部のあのおかしな人が、私はクビだって言ってきたの。ちゃんと調査したほうがいいわよね?)
Jack: Well, you were fired.
(いや、君はクビになったんだよ。)
Phoebe: Nuh-uh.
(違うもん。)
Jack: I told that guy who answered your phone.
(君の電話に出た男に伝えたんだ。)
Phoebe: Oh, okay. I didn’t get that message. So this doesn’t count.
(ああ、そう。その伝言は受け取ってないわ。だから、これは無効ね。)
Friends Season6 Episode16(The One That Could Have Been, Part 2)
He should do his research は、部署名の research と「下調べする」の do one’s research を掛けた冗談です。should で「〜したほうがいい」と、相手の手落ちを軽く指摘しています。
ジャックの Well, you were fired. の Well は、相手の思い込みを正す前置きです。それでもフィービーは Nuh-uh. と子どものような言い方で打ち消します。
注目したいのは最後の I didn’t get that message. と So this doesn’t count. の組み合わせです。message は電話で残された伝言のことで、I didn’t get ~ で「受け取っていない」と事実を述べています。count は「数に入る」「有効である」という意味で、this doesn’t count は「これはなしね」と取り消す言い方になります。伝言を受け取っていないから解雇も無効だ、という理屈は通りませんが、英語の組み立てとしては「事実+だから」の分かりやすい形です。
「You don’t have an office」言い返しの応酬を追う
フィービーが自分の部屋へ行こうとしたところで、ジャックは次の事実を告げます。
Jack: Phoebe, you don’t have an office.
(フィービー、君には部屋がないんだよ。)
Phoebe: All right, I’ll work right here.
(いいわ、ここで仕事する。)
Phoebe: This is good. Next to this plant.
(ここ、いいわね。この植物の隣。)
Friends Season6 Episode16(The One That Could Have Been, Part 2)
office は建物全体ではなく、ここでは自分専用の部屋を指しています。フィービーの All right は相手の言葉をいったん受け入れる返事ですが、続く I’ll work right here. で、引き下がらずに場所だけを変えています。right here の right は「まさに」と場所を強める語です。
もしもの世界のフィービーは、植物の横に陣取ったあとも、さらに言い返します。
Phoebe: Look, I’ve made a lot of cash for this company. I am talking big bucks!
(いい?私はこの会社にたくさん稼がせてきたのよ。大金の話をしてるの!)
Phoebe: Pesos! Yen! Rubles! You make one little mistake––
(ペソ!円!ルーブル!たった一度の小さなミスで……)
Jack: You lost 13 million dollars.
(君は1300万ドルの損を出したんだ。)
Phoebe: So now this is all about money?
(じゃあ今度はお金の話ってわけ?)
Friends Season6 Episode16(The One That Could Have Been, Part 2)
big bucks は「大金」のくだけた言い方で、I am talking ~ は「〜の話をしているんだ」と規模を強調する形です。You make one little mistake は言いかけで止まっていますが、「たった一度の小さなミスで(クビにするの?)」と訴える流れになっています。ジャックが金額を示すと、フィービーは So now this is all about money? と論点をずらして切り返します。this is all about ~ は「結局は〜のことなんだ」と、話の中心がどこにあるかを言い当てる形です。
まとめ|聞きたくない知らせへの言い返し
Didn’t you get fired? への I don’t think so. や、I didn’t get that message.、I’ll work right here. など、知らせを受け入れずに言い返す英語を見てきました。否定疑問への答え方は、日常の会話でも役に立ちます。
もしもの世界のフィービーの言い張り方を思い出しながら観ると、言い返しの英語がいっそう耳に残ります。
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