「busywork」と「grunt work」はどう違う?|『ビッグバン★セオリー』S12E09で学ぶ英会話

『The Big Bang Theory』コラム: 「busywork」と「grunt work」はどう違う?|『ビッグバン★セオリー』S12E09で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回は『ビッグバン★セオリー』シーズン12 第9話から、busywork と grunt work の違いを取り上げます。論文の仕上げに入ったシェルドンとエイミーが、引用文献の確認をレナードに頼む流れの中で、この2語がそれぞれ別の場面に登場します。

どちらも「面倒な作業」と訳せそうですが、目のつけどころが少し違います。調べ物の動詞もあわせて、場面の順に見ていきます。

目次

頼まれた時点の評価が「busywork」

物語の冒頭、シェルドンは divide and conquer(手分けして片づける)と言い、引用文献を track down(突き止める)作業をエイミーに割り振ります。自分はフォントを決めると言い添えるので、分担というより押し付けに近い冗談です。エイミーは、図書館で何週間も古い論文を look up(調べる)のは嫌だと返し、院生を雇えないかと持ちかけます。シェルドンが院生を信用しないため、友人に頼む案としてエイミーがレナードの名前を挙げます。

別の場面で、2人はレナードに大きな頼みがあると切り出します。

Sheldon: You know we’re almost finished with our paper; we just need help tracking down the citations.
(知ってのとおり論文はほぼ完成している。引用文献を突き止めるのを手伝ってほしいだけだ。)

Leonard: That’s busywork. Can’t you just get a grad student to do it?
(それって雑用じゃないか。院生にやらせればいいだろ?)

Amy: No, this paper is incredibly important to us, and we need someone we can trust.
(だめよ。この論文は私たちにとってすごく大事なの。信頼できる人が必要なのよ。)

Sheldon: Please, it would mean a lot.
(頼む。とても助かるんだ。)

TBBT Season12 Episode09

busywork は、手間と時間はかかるのに、頭を使う要素や成果としての価値が小さい作業を指します。学校で時間を埋めるために出される課題を指すこともある語で、「やる意味の薄い作業」という評価が含まれます。家事などの決まった用事を指す chore と比べると、busywork には「わざわざやる意味があるのか」という含みが強く出ます。レナードは内容を聞いた瞬間にこの語で切り捨て、院生に回せばいいと続けています。

エイミーの someone we can trust と、シェルドンの it would mean a lot は、面倒な作業を頼む側の言い方として対になっています。レナードはそのあと Sure. と引き受け、3人で図書館に行くのも楽しそうだと言いますが、シェルドンに「僕たちは行かない」と返されます。続く It just got more fun.(ますます楽しくなった)は皮肉です。

地下で手を動かす「grunt work」

その後の場面は大学図書館の地下書庫です。レナードの作業をラージが手伝っています。

Leonard: Thanks for helping with this.
(手伝ってくれてありがとう。)

Raj: What are friends for?
(友達ってそういうものだろ?)

Leonard: My friend sent me down to this basement to do his grunt work, so I wouldn’t know.
(僕は友達にこの地下へ送り込まれて、そいつの下働きをやらされてるんだ。だから分からないね。)

TBBT Season12 Episode09

grunt work は、骨が折れて地味で、下の立場の人に回されがちな単純作業です。grunt はアメリカ軍の俗語で歩兵を指す語として知られ、そこから「下っ端の仕事」という響きが生まれたとされます。busywork が作業の価値の低さに目を向けるのに対し、grunt work は自分がその労力を背負わされている点に目を向けた言い方です。ラージの「友達だから」に、レナードは友情への皮肉で返しています。

どちらも自分の作業を軽くぼやくときに使える語です。ただ、人に頼む側が相手の作業をこう呼ぶと、その仕事を見下しているように響くことがあるので注意が要ります。

作業の中身を表す動詞も、この場面にそろっています。

表現 意味 場面での使われ方
busywork 価値の薄い手間仕事 頼まれた時点の評価
grunt work 下っ端が担う骨の折れる作業 地下での自嘲
track down 探し出す・突き止める 引用文献を追う
pull (資料を棚から)引っ張り出す papers we need to pull
check out 確かめる ロシア語の論文を確認する

レナードは Why don’t we split up? You take half, I take half.(手分けしよう。半分ずつだ)と提案し、後の場面ではラージが、ほかの論文に引用されていたから check it out(確認する)ために引いてきた、とロシア語の論文について説明します。

まとめ|評価の busywork、負担の grunt work

今回は、作業の価値の低さを言う busywork と、労力を背負わされる側から言う grunt work、そして track down や pull といった調べ物の動詞を見てきました。同じ作業でも、どこに目を向けるかで選ぶ語が変わります。

面倒な仕事を押し付け合う会話の中にも、『ビッグバン★セオリー』らしい言葉選びが詰まっています。

同じ回のほかのコラムやフレーズ記事でも、この話の英語表現を取り上げています。

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