「man of the hour」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S01E12で学ぶ英会話

「man of the hour」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

授賞式やパーティーで、その日の主役が華々しく紹介される――そんな場の空気が一気に高まる瞬間が、ドラマにはよくあります。

そんな場面で使われる「man of the hour」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン1第12話、大学が天才少年デニスの歓迎会を開き、学長が彼を紹介するシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「man of the hour」の意味とニュアンス

man of the hour
意味:時の人/(その場の)主役/いま最も注目される人

直訳すると「その時間の男」。特定の場面や時期に、脚光を浴びている人物を指す表現です。

ここでの the hour は「60分」のことではなく、「特別な、いま注目すべき時」を意味します。授賞式や歓迎会で功労者を紹介するときの定番フレーズで、最大級の賛辞として使われます。一方で、状況によっては軽い皮肉やからかいとして使うこともできる、表情の豊かな表現です。女性が主役のときは woman of the hour と形を変えます。お祝いの場でそのまま使える、覚えておくと便利な一言です。

【ここがポイント!】

  • the hour は「60分」ではなく「いま脚光を浴びる特別な時」を指す
  • 授賞式・歓迎会で主役を称える、紹介の定番フレーズ
  • トーン次第で皮肉にもなる、表情豊かな表現なのが面白いところ

『ビッグバン★セオリー』S01E12のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

大学が天才少年デニス・キムの歓迎会を開いています。学長ガブルハウザーが彼の輝かしい経歴を並べ立て、いよいよ主役として紹介する場面で、この表現が登場します。

Gablehouser: He is the youngest recipient of the prestigious Stephenson Award.
(彼は名誉あるスティーブンソン賞の史上最年少受賞者だ。)

Sheldon: Youngest till the cyborgs rise up!
(サイボーグが台頭するまでの最年少だけどな!)

Gablehouser: Let me introduce the man of the hour, Mr Dennis Kim.
(本日の主役、デニス・キム君を紹介しよう。)

The Big Bang Theory Season1 Episode12(The Jerusalem Duality)

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シーン解説と心理考察

学長がデニスを man of the hour と紹介する晴れやかさと、その横でシェルドンがこぼす負け惜しみのコントラストが、このシーンの可笑しさを支えています。最大級の賛辞で迎えられる少年と、かつての最年少記録保持者として脇に追いやられた男――その対比が、短いやり取りに表れています。

学長にとってデニスは、大学の威信を高めてくれる「時の人」そのものです。一方のシェルドンは、自分から主役の座を奪った相手を前に、皮肉でしか応戦できません。”till the cyborgs rise up” という捨て台詞には、栄誉の場における主役交代を受け入れられない心情がにじみます。華やかな紹介の言葉の裏で、ひとりの自尊心が静かに揺れている空気があります。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

スポットライトが当たる舞台の中央で、いまこの時間だけ全員の視線を独り占めしている人を思い描いてみてください。the hour=「その栄光の一時」、その時間の主人公が man of the hour です。

学長が歓迎会で「本日の主役」とデニスを紹介し、その横でシェルドンが悔しがる場面。あの光と影のコントラストを思い出せば、「一時的に脚光を浴びる主役」というニュアンスと同時に、主役の座は移ろうものだという含みまで、まとめて記憶に残ります。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「man of the hour」

主役を迎える定番のこの表現は、お祝いの場で活躍します。3つの例文で使い方を見ていきましょう。

Let’s give a warm welcome to the man of the hour.
(本日の主役を、温かく迎えましょう。)
式典や表彰で主役を紹介する場面です。司会者が使う、改まった定番の言い回しです。

After scoring the winning goal, he was the man of the hour.
(決勝点を決めて、彼はその日の時の人になった。)
活躍した人を称える場面です。功績の直後に注目を集める様子を表しています。

A: Here she is, the woman of the hour!
B: Oh, stop it. I just did my job.
(A:さあ登場、本日の主役だ!)
(B:もう、やめてよ。仕事をしただけだから。)
お祝いの席で主役を迎える場面です。主役が女性なら woman of the hour と形を変えて使えます。

あわせて覚えたい関連表現

the center of attention
(注目の的/関心の中心)
単に「皆の注目を集めている人や物」を指します。man of the hour が「特定の機会に称えられる主役」であるのに対し、こちらは栄誉のニュアンスを必ずしも含みません。

the star of the show
(主役/一番の立役者)
ショーやイベントの花形を指します。man of the hour が授賞・歓迎など「その時の功労者」を表し、より一時性が強いのに対し、star of the show は催し全体の中心という意味合いです。

talk of the town
(町の噂の的/みんなの話題)
「世間で広く話題になっている人や物」を指します。man of the hour が目の前の場での主役を指すのに対し、talk of the town はその場を離れて噂が広がっている状態を表します。

Note|the hour が表す「特別な一時」

man of the hour を直訳すると「その時間の男」。でも、なぜ day でも moment でもなく、hour なのでしょうか。ここには、英語の hour が持つ特別な意味合いが関わっています。

英語の hour は、単なる「60分」を超えて、「運命的な、重要なその時」を表すことがあります。man of the hour の hour も、まさにこの用法です。同じ発想は、ほかの表現にも見られます。たとえば one’s finest hour は「最も輝かしい時・絶頂期」を意味し、第二次大戦中のチャーチルの演説で知られるようになった言い回しとされています。また、the eleventh hour は「土壇場・最後の瞬間」を表します。これらに共通するのは、hour が時計の単位ではなく、「ある人や物事にとって決定的な、ひとまとまりの時」を指している点です。day だと漠然と長すぎ、moment だと一瞬すぎる。その中間の、ちょうど「ひとつの場面・ひとつの局面」を切り取るのに、hour という単位がしっくりくるのでしょう。

この感覚をつかむと、man of the hour が「いまこの局面の主役」という、時間の区切りを伴った表現だと見えてきます。永遠の主役ではなく、あくまで「この一時の」主役。だからこそ、主役交代の皮肉も込めやすい言葉なのです。

時計の針が刻むのは、分や秒だけではない。栄光のひとときもまた、hour なのですね。

まとめ|その一時の主役を指す言葉

man of the hour は、特定の場面で脚光を浴びている人物、その時の主役を指す表現です。the hour が「特別な一時」を意味するため、「いまこの局面の主役」という時間の区切りを伴ったニュアンスを持っています。

授賞式や歓迎会で誰かを紹介するとき、お祝いの席で主役を迎えるとき、この一言があれば場の空気をぐっと盛り上げられます。woman of the hour と形を変えれば、女性の主役にも使えます。

学長に華々しく迎えられた少年と、その座を明け渡した男。主役の座が移ろっていく一瞬を、man of the hour という言葉がそっと照らし出していた場面でした。

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