海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『BONES』シーズン5エピソード13では、研究所に運び込まれた土の塊から、小さなクモが次々に這い出してくる場面があります。悲鳴を上げるカムと、まったく動じないブレナン。今回はこの対照的な二人の反応を起点に、「苦手」と「平気」を言い分ける英語を読み解きます。
どちらも否定文の形をしているのに、意味はほぼ逆になります。その違いが短いやりとりの中にくっきり表れているのが見どころです。
「苦手」を伝える I don’t like と really
土の塊を調べていたカムがライトを当てると、割れ目から小さなクモがあふれ出します。カムは思わず後ずさりし、何が起きたのかと聞くブレナンにこう答えます。
Cam: Spiders. I don’t like spiders, and…
(クモよ。クモは苦手なの、それに…)Vincent: Oh.
(あっ。)Cam: …there are thousands of little spiders coming out of…
(…小さなクモが何千匹も出てきてるのよ…)Vincent: I’ll go get Hodgins.
(ホッジンスを呼んできます。)Cam: Uh… I really don’t like spiders.
(あの…本当にクモはだめなの。)Brennan: I don’t mind them, actually.
(私は、実は平気よ。)BONES Season5 Episode13 (The Dentist in the Ditch)
I don’t like 〜は「〜が好きではない」が直訳ですが、日常会話では「〜は苦手」「〜は嫌い」にあたる、角の立ちにくい言い方です。いきなりI hate 〜と言うより穏やかに聞こえるため、食べ物や虫、人混みなど、苦手なものを伝える場面で広く使われます。
カムは二度目にreallyを足しています。I really don’t like 〜は「本当にだめ」と、苦手の度合いを強める形です。同じ文を繰り返しながら一語だけ足すことで、気持ちの高まりが伝わってきます。
「平気」を示す I don’t mind と actually
ブレナンの返事I don’t mind themは、「好き」とは言っていません。mindは「気にする・嫌がる」という動詞で、否定のdon’t mindは「気にならない」「平気」という意味になります。
| 言い方 | ニュアンス |
|---|---|
| I hate spiders. | クモが大嫌い |
| I don’t like spiders. | クモは苦手 |
| I don’t mind spiders. | クモは平気、気にならない |
| I like spiders. | クモが好き |
文末のactuallyは「実は」と、相手と違う立場をそっと示すときによく添えられます。カムの苦手を否定するのではなく、「私は大丈夫」と自分の側だけを述べているのが分かります。
その後、駆けつけたホッジンスがクモを掃除機で吸い取りながら、毒のない種類だと説明します。それでもカムの表情は晴れません。
Hodgins: Yup. These bad boys are Frontinella communis; they’re non-poisonous.
(ああ。こいつらはフロンティネラ・コミュニスってクモで、毒はないよ。)Cam: Yeah, still with those gross spider faces and legs, though…
(ええ、でも気持ち悪いクモの顔と脚なのは変わらないわ…)BONES Season5 Episode13 (The Dentist in the Ditch)
grossは「気持ち悪い」「うえっ」と感じたときのくだけた形容詞です。理屈で安全だと分かっても苦手は苦手、という気持ちがstill 〜 thoughの形に表れています。
依頼の if you don’t mind と、断りの I do mind
mindは、苦手と平気の話だけでなく、頼みごとの場面でもよく登場します。捜査の聞き込みで、話を早く切り上げたい相手に、ブースがまだ質問があると告げる場面です。
Booth: Actually, no. I’d like to ask you, uh, quite a few more questions, if you don’t mind.
(いや、実はね。まだかなりたくさん聞きたいことがあるんだ、構わなければ。)Fife: I do mind, so, excuse me…
(構うね。だから、失礼するよ…)BONES Season5 Episode13 (The Dentist in the Ditch)
if you don’t mindは「差し支えなければ」と、依頼をやわらかくする決まった言い方です。それに対して相手は、doを挟んだI do mindで「いや、構う」と強く返しています。
同じmindでも、Do you mind if 〜?と聞かれた場合は、「いいですよ」と答えるときにNo, not at all.のように否定で返すのが基本です。「気にしますか?」に「いいえ」と答える形になるため、日本語の感覚とは逆向きになる点に注意が要ります。
まとめ|否定の形が同じでも、意味は逆になる
I don’t like は苦手、I really don’t like は強い苦手、I don’t mind は平気という違いが、クモをめぐるカムとブレナンの会話にそのまま表れていました。依頼の if you don’t mind と、断りの I do mind まで押さえると、mind の使い方がひとまとまりで見えてきます。
二人の反応の違いを思い出しながら、次回も『BONES』と一緒に英語を学んでいきましょう。
このエピソードの英語表現は、別のコラムやエピソードまとめでも扱っています。


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