海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『BONES』シーズン9エピソード22の終盤には、記入中の質問票のある質問について、「それは飛ばしたほうがいい」と勧められる場面があります。今回は、そこで使われる skip と、同じ回に出てくる ignore を比べながら、質問を「飛ばす」と「無視する」の違いを読み解きます。
どちらも日本語では「答えない」「触れない」と訳せそうですが、英語では相手に伝わる印象がかなり違います。違いが分かると、アンケートや会話で答えにくい質問に出会ったときの言い方も選びやすくなります。
「ignore」は気づいたうえで取り合わない
先に出てくるのは ignore です。この回の前半、研究所の面々がそろう場面で、指示を聞かずに動いたことを指摘されると、こんな言葉が返されます。
— And which I would ignore again.
(そして、同じことがあれば、また無視します。)BONES Season9 Episode22 (The Nail in the Coffin)
ignore は、相手の言葉や指示、合図などに気づいていながら、あえて取り合わないことを表します。ここでは「指示があったのは分かっているが、従わない」という意思がはっきり出ています。
ignore の目的語には、人・忠告・電話・問題など、本来は反応すべきものが来ます。He ignored my advice.(彼は私の忠告を聞き流した)、Don’t ignore me.(無視しないで)、You can’t ignore the problem.(その問題を見て見ぬふりはできない)のように使います。どの例にも「本当は向き合うべきなのに」という含みがあり、言われた側には冷たく響きやすい語だと言えます。
「skip」は順に進むものの一部を飛ばす
一方の skip は、終盤の場面で出てきます。記入中の質問票を最後まで書かなくていいのかと聞くと、それでも書いたほうがいいと返され、話は答えにくい質問へと移ります。
— Does that mean I… don’t have to finish filling out this questionnaire?
(ということは…この質問票、最後まで書かなくていいの?)— No, you know what, uh, you should still do it.
(いや、そうだな、それでも書いたほうがいい。)— The government, they love their paperwork.
(政府は書類仕事が大好きだから。)— Okay. There was one question asking if we had a relationship outside of work, so…
(分かった。仕事以外で関係があるかを聞く質問がひとつあったんだけど…。)— You should probably just skip that one.
(それは飛ばしておいたほうがいいと思う。)BONES Season9 Episode22 (The Nail in the Coffin)
skip は、順番に並んだものの一部を、意図して抜かして先へ進むことです。質問、授業、朝食、曲など、本来は順に進むものに使います。skip that one は「その1問は飛ばして」で、残りには答える前提が含まれています。
ところが、その後の会話では、飛ばすよう勧められた質問の扱いを心配する言葉が出てきます。
— What if I’m called before Congress to testify, and they ask why I ignored the question?
(もし議会に証言に呼ばれて、なぜ質問を無視したのかと聞かれたらどうするの?)BONES Season9 Episode22 (The Nail in the Coffin)
勧められたのは skip(飛ばす)でしたが、心配する側は ignored(無視した)と言い換えています。同じ「答えない」でも、skip は手順の話、ignore は「気づいていて取り合わなかった」という態度の話になるため、責められる響きが強まるのが面白いところです。この言葉には、今は気にしなくていいと返されます。
質問に答えないときの言い方
答えない・触れないことを表す言い方を、印象の違いとあわせて整理しておきます。
| 表現 | 意味 | 印象 |
|---|---|---|
| skip a question | 質問を飛ばす | 手順として抜かす・中立 |
| leave it blank | 空欄のままにする | 書類で記入しない |
| pass | (その質問は)パス | 会話やクイズで軽く断る |
| ignore a question | 質問を無視する | 気づいていて取り合わない |
会話で答えたくない質問を受けたときは、ignore するより I’d rather not answer that.(それには答えないでおきたい)と言うほうが、角が立ちません。アンケートの選択肢では Prefer not to answer(回答しない)という表記もよく見かけます。
Can we skip this part?(ここは飛ばしてもいい?)、I skipped breakfast.(朝食を抜いた)のように、skip は日常でも気軽に使える語です。
まとめ|「飛ばす」と「無視する」の差は態度の差
今回は『BONES』シーズン9エピソード22から、順に進むものの一部を抜かす skip と、気づいていて取り合わない ignore の違いを読み解きました。同じ質問でも、skip と言うか ignore と言うかで、伝わる態度が変わることが見えてきます。
ドラマを観ながら、登場人物がどちらの語を選んでいるかに耳を澄ませると、言葉の温度差が感じ取れます。
同じ回の英語は、伝える役になったときの言い方や、アメリカの職場の人事評価を扱ったコラムでも取り上げています。


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