夫としての頼みと会社としての申し出、立場で変わる言い方の違い|『CHUCK』S05E08で学ぶ英会話

『CHUCK』コラム: 夫としての頼みと会社としての申し出、立場で変わる言い方の違い|『CHUCK』S05E08で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回は『CHUCK』シーズン5 第8話から、同じ相手に「夫」として話すか「会社」として話すかで、頼み方や申し出の言い方が変わる場面を取り上げます。詳しい事情を明かさずに出かけようとするサラに、チャックは立場を切り替えて手を貸そうとします。

呼び止めの言い方、改まった申し出、相手に主導権を委ねる一言、そして夫の立場に戻って食い下がる言い方の順に見ていきます。

目次

夫として呼び止め、会社として申し出る

出かけようとするサラに、チャックは行き先と事情を尋ねたうえで、こう続けます。

Chuck: I thought we decided no more secrets, no more doing things on our own. Your words, not mine.
(もう秘密はなし、一人で勝手に動くのもなしって決めたと思ってたけど。君が言ったことだよ、僕じゃない。)

CHUCK Season5 Episode8 (Chuck Versus the Baby)

I thought we decided ~ は、以前の取り決めを持ち出して「〜と決めたはずだよね」と相手に思い出させる切り出しです。Your words, not mine. と添えると、その約束を言い出したのは相手のほうだと念を押せます。サラが自分を信じてほしいと返すと、チャックは信じていないわけではないと答えます。

ケイシーとモーガンが加わったあと、チャックは知りたいことはあるがそれは脇に置くと告げ、話の向きを変えます。

Chuck: Sure, husbands ask a lot of questions. You know who doesn’t? Carmichael Industries, and as CEO of Carmichael Industries, I would like to offer you our services– pro bono, of course.
(そりゃ、夫はあれこれ聞くものさ。じゃあ聞かないのは誰か? カーマイケル・インダストリーズだよ。カーマイケル・インダストリーズのCEOとして、我が社のサービスを提供したい。もちろん無償でね。)

CHUCK Season5 Episode8 (Chuck Versus the Baby)

自分で問いを立てて自分で答える You know who doesn’t? の形が、ここから話す立場が変わることをはっきり示しています。I would like to offer you our services は会社として仕事を引き受ける改まった申し出で、pro bono は「無報酬で」を意味するラテン語由来の語です。

主導権を委ね、取り決めを盾にされる

サラの答えは、それでも状況は変わらないというものです。

Sarah: Well, it wouldn’t change anything. There are still things I can’t tell you.
(でも、それで何かが変わるわけじゃない。あなたに話せないことは、やっぱりあるの。)

Chuck: You’re the client, you’re the boss.
(君が依頼人だ。君がボスだよ。)

CHUCK Season5 Episode8 (Chuck Versus the Baby)

サラの There are still things I can’t tell you. は、話せない事柄があるという事実だけを告げる言い方で、中身には踏み込みません。チャックの You’re the client, you’re the boss. は、同じ形の短い文を二つ並べ、依頼人である相手に判断を任せると示す一言です。このあとケイシーも手を貸すと申し出て、サラは話せる範囲だけを説明すると応じます。

ところが任務先で、サラがチャックとケイシーに持ち場を指示すると、チャックはこう切り出します。

Chuck: You know what, Sarah? Sarah, no, not okay. Can’t we just set aside the whole CEO of Carmichael Industries thing just for a second?
(あのさ、サラ。サラ、だめだよ、よくない。カーマイケル・インダストリーズのCEOがどうこうって話、ちょっとだけ脇に置けないかな?)

Sarah: No, Chuck, that wasn’t part of the deal.
(だめよ、チャック。それは約束にはなかったでしょう。)

Chuck: Yeah, except that I’m your husband who would do anything in the world for you, and I’m worried.
(ああ、ただ僕は、君のためなら何だってする夫なんだよ。それに、心配なんだ。)

CHUCK Season5 Episode8 (Chuck Versus the Baby)

set aside は「脇に置く、いったん保留する」という句動詞で、the whole ~ thing と組み合わせると「〜の件はまるごと」と、自分がいったん持ち出した枠組みを軽く扱う響きが出ます。サラの part of the deal は「取り決めのうち」という意味で、前の場面で決めた引き受け方を持ち出した断りです。チャックは except that ~ で「ただ〜だけどね」と条件を差し込み、会社のCEOから夫の立場へ戻って心配を伝えています。

まとめ|立場を切り替えて話す英語

夫として聞く husbands ask a lot of questions、会社として申し出る offer you our services、夫に戻って食い下がる except that I’m your husband を見てきました。立場の名乗り方ひとつで、言葉選びも変わります。

次回も『CHUCK』の会話とともに、英語表現の型を見ていきましょう。

同じエピソードの英語表現は、フレーズ記事やエピソードまとめでも扱っています。

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