海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン6第2話では、一緒に住むと決めたモニカとチャンドラーが、それぞれのルームメイトであるレイチェルとジョーイにどう伝えるかで悩みます。言いかけてはやめてしまう話し方や、本題に入る前の前置きが、短い英語で描かれています。
うれしい知らせでも、相手の暮らしが変わる話は切り出しにくいものです。言い出せない気持ちの伝え方、本題への入り方、言えなかった理由の説明を順に見ていきます。
「I lose my nerve」言いかけて気後れしてしまうときの英語
モニカとレイチェルの部屋のソファで、モニカとチャンドラーが一緒に住む話をしています。チャンドラーは、ルームメイトのジョーイに出ていくことをまだ伝えられていません。
Monica: Hey, have you figured out a way to tell him you’re moving out?
(ねえ、出ていくってジョーイに伝える方法、思いついた?)
Chandler: No, no, I keep trying, you know and I can get out “Joey, I have to”
(いや、ずっと頑張ってはいるんだよ。『ジョーイ、俺、〜しなきゃ』までは言えるんだ。)
Chandler: but then I lose my nerve and I always finish with “Go to the bathroom.”
(でもそこで気後れして、いつも『トイレに行かなきゃ』で終わっちゃう。)
Chandler: He may think I’m sick.
(具合が悪いと思われてるかもな。)
Monica: You know, I really have to tell Rachel, but I.. We just got to get it over with.
(私もレイチェルに言わなきゃいけないんだけど……。とにかく、さっさと済ませなきゃ。)
Friends Season6 Episode2(The One Where Ross Hugs Rachel)
モニカの have you figured out a way to ~? は「〜する方法を思いついた?」と、相手が答えを見つけたかを確かめる形です。figure out は「考えて答えを出す」という意味で、ここでは伝え方を考えついたかどうかを聞いています。
チャンドラーの I can get out “~” の get out は、ここでは「言葉を口から出す」という意味です。言いかけるところまではできる、と伝えています。続く lose my nerve は「気後れする」「度胸がなくなる」で、nerve は「度胸」の意味で使われています。I always finish with ~ は「いつも〜で終わってしまう」という形で、言いかけた have to のあとを別の用事につなげてしまう、と話しています。
モニカの get it over with は、気の重いことを早く済ませてしまう、という意味です。自分もレイチェルに伝えなければならないと認めたうえで、先延ばしにしない方向へ話をまとめています。
「Monica and I have decided to live together」決めたことを前置きから伝える
そこへジョーイが入ってきます。モニカが「話したいことがある」と切り出したあと、本題を伝えるのはチャンドラーです。
Chandler: Look, Joe, here’s the thing. Um..
(なあ、ジョー、実はさ。えっと……)
Chandler: …Monica and I have decided to live together, here. So..
(……モニカと俺、ここで一緒に住むことにしたんだ。だから……)
Chandler: …I’m gonna be moving out, man.
(……俺、出ていくことになるんだ、相棒。)
Joey: Well, uh, hey. I’m really happy for you guys. Congratulations.
(えっと、その、おう。お前らのこと、マジでうれしいよ。おめでとう。)
Friends Season6 Episode2(The One Where Ross Hugs Rachel)
モニカの切り出しは have something to tell you を使った形で、「話したいことがある」と前もって知らせる言い方です。チャンドラーの here’s the thing は「実はね」「要するにさ」にあたる前置きで、ここから本題に入ると相手に示しています。言いにくい話の前に置かれることが多い言い回しです。
have decided to ~ は現在完了で、すでに決めたことを伝えています。相談ではなく決定の報告だと分かる形です。続く I’m gonna be moving out は、be going to と進行形を組み合わせて「出ていくことになる」と、この先の予定として伝えています。here を後ろに足すことで、モニカの部屋で住むという場所も補っています。
ジョーイは I’m really happy for you guys. と祝福を返します。happy for ~ は「〜のことを喜ぶ」という意味です。ただ、そのあとジョーイは仕事があると言って出ていこうとし、自分ですぐにそれを打ち消します。祝福の言葉のあとにどんな言葉が続くかまで追うと、知らせを受けた側の受け止め方も英語から読み取れます。
「I couldn’t do that to her」言い出せなかった理由を説明する
一方、モニカはまだレイチェルに本当のことを伝えられていません。同じ部屋で、チャンドラーがモニカに尋ねます。
Chandler: Okay, when are we gonna tell Rachel what actually is going to happen?
(で、実際どうなるのか、いつレイチェルに言うの?)
Monica: Soon. I just couldn’t before.
(もうすぐよ。さっきは言えなかったの。)
Monica: I mean, you saw how upset Joey got. I couldn’t do that to her, she’s my best friend.
(だって、ジョーイがどれだけ落ち込んだか見たでしょ。あんなこと、レイチェルにはできない。私の親友なんだから。)
Chandler: Well, Joey’s my best friend.
(まあ、ジョーイは俺の親友だけどね。)
Monica: I’m not your best friend?
(私はあなたの親友じゃないの?)
Chandler: You just said..
(いや、今君が……)
Chandler: Of course, you’re my best friend.
(もちろん、君は俺の親友だよ。)
Chandler: Would you please tell Rachel, though?
(それはそれとして、レイチェルには言ってくれるよね?)
Friends Season6 Episode2(The One Where Ross Hugs Rachel)
チャンドラーの when are we gonna tell ~? は、主語を we にして「いつ言うの?」と、二人の問題として尋ねています。モニカの I just couldn’t before. の before は「さっき」で、前の機会には言えなかったと認めています。
I couldn’t do that to her の do that to someone は「相手にそんなことをする」という意味で、相手にとってつらいことをする場面で使われる形です。モニカはジョーイの反応を見たことを理由に挙げ、親友にはできなかったと説明しています。
そのあとの「親友」をめぐるやりとりは、チャンドラーの一言にモニカが反応し、チャンドラーが言い直す流れです。最後の Would you please ~, though? の though は文末に置かれて「それはそれとして」と話を本題に戻す働きをしています。言い出せなかった理由を聞いたうえで、頼みごとをもう一度伝える形になっています。
まとめ|言い出しにくい知らせを切り出す英語
lose my nerve で言い出せない状態を、here’s the thing と have decided to ~ で本題と決めたことを、I couldn’t do that to her で言えなかった理由を伝える流れを見てきました。前置きと理由を添えると、言いにくい知らせも伝えやすくなります。
切り出し方に迷う二人の会話を観ながら、言い回しの違いを追ってみると楽しめます。
このエピソードの別の場面の英語は、同じ回のほかのコラムやフレーズ記事でも取り上げています。


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