思い出話で話の腰を折られたとき、話を戻す・切り上げる英語|『フレンズ』S05E02で学ぶ英会話

『FRIENDS』コラム: 思い出話で話の腰を折られたとき、話を戻す・切り上げる英語|『フレンズ』S05E02で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『フレンズ』シーズン5第2話の序盤で、フィービーは仲間に聞かせたい話を持ってやって来ます。ところが、話し始めたとたんにロンドン旅行の思い出が割り込み、話はなかなか先へ進みません。

話を切り出す、割り込まれる、話を戻す、そして切り上げる。雑談の中で起きがちなこの流れを、割り込まれた側の返し方に注目しながら、短いやりとりの英語から順に見ていきます。

目次

「All right, anyway…」割り込まれた話を戻すひと言

モニカとレイチェルの部屋には、チャンドラー、ジョーイ、モニカがいます。そこへ来たフィービーが話を切り出します。

Phoebe: Oh, I have to tell you this story. I was coming over here and this cab driver…
(ねえ、この話は聞いてもらわなきゃ。ここに来る途中でね、タクシーの運転手が……)
Joey: Was his name Angus?
(そいつ、アンガスって名前だった?)
Phoebe: What?
(え?)
Joey: He was this cab driver we had in London.
(ロンドンで乗ったタクシーの運転手だよ。)
Phoebe: Oh. Ha-ha-ha. All right, anyway…
(ああ。ハハハ。わかった、それでね……)
Friends Season5 Episode2(The One with All the Kissing)

I have to tell you this story. は「この話は聞いてもらわなきゃ」と、話す前に聞き手の注意を集める前置きです。have to を使うことで、どうしても伝えたい気持ちが言葉に表れます。続く I was coming over here and ~ は過去進行形で「ここへ来る途中で」と場面を置き、そこから出来事を語り始める形です。

ここで目を引くのが this cab driver の this です。話し言葉では、聞き手がまだ知らない人や物を「ある〜」の意味で this を付けて持ち出すことがあります。フィービーも、割り込んだジョーイも、同じ this cab driver を使っています。

ジョーイの Was his name Angus? は、相手の話の登場人物から自分たちの思い出を連想して口をはさむ問いです。フィービーは What? と聞き返し、ジョーイはロンドンで乗った運転手のことだと説明します。ロンドンに行った仲間どうしの話で、フィービーはその旅に加わっていません。

フィービーの Ha-ha-ha は、笑い声をそのまま言葉にした返しです。そのうえで All right, anyway… と続け、話を元に戻そうとします。anyway は「とにかく」「それはそうと」の意味で、脱線した話題を切り上げて本題に戻るときに使われることの多い語です。

「I don’t want to talk about it.」振り直された話を切り上げる

ところが、その直後にロンドンで連れて行かれた店の話がまた始まり、仲間は思い出話で盛り上がります。そこでチャンドラーが話を戻します。

Chandler: Oh, Pheebs was going to tell a story.
(あ、フィービーが話をしようとしてたんだった。)
Phoebe: Okay, so, he had a really funny hat. I don’t want to talk about it.
(うん、それでね、その人がすごく変な帽子をかぶってて。もうその話はしたくない。)
Friends Season5 Episode2(The One with All the Kissing)

チャンドラーの ~ was going to tell a story は、be going to の過去形で「〜しようとしていた」という意味です。途中で止まっていたことを思い出し、話の主導権を本人に返すひと言として働いています。フィービー本人に向けて言うなら、You were going to tell us something. のように you を主語にする形もあります。

話を振られたフィービーは、Okay, so, で仕切り直します。so は話を再開するときの「それでね」に当たる語で、ここでは止まっていた話の続きを始める合図です。ところが、帽子の話を一文だけ言ったところで、I don’t want to talk about it. と話を打ち切ります。

I don’t want to talk about it. は直訳すると「その話はしたくない」です。何かを聞かれて答えたくないときの返事として使われることが多い言い方ですが、この場面では自分で始めた話を自分で終わらせています。2度話の腰を折られたあとの一言という順序で見ると、決まり文句の使い方の幅が分かります。

「And me.」写真に写る顔ぶれに自分を加えるひと言

場面は変わり、カフェのセントラルパークで、モニカがロンドンの写真を見せます。写真を見たフィービーはこう言います。

Phoebe: Oh, yeah, there we all are.
(ああ、うん、みんな写ってるね。)
Phoebe: Yeah, there’s Ross and Joey and you and… And me.
(うん、ロスでしょ、ジョーイでしょ、あなたでしょ……それと私。)
Friends Season5 Episode2(The One with All the Kissing)

There we all are. は、写真や離れた場所にいる人を見つけて「みんないる」と示す言い方です。続く there’s ~ and ~ and ~ で、写っている人を一人ずつ挙げていきます。話し言葉では、このように複数の人を並べるときにも there’s が使われることがあります。

人の名前を A and B and you のように and でつないでいくと、写っている人を一人ずつ挙げて確かめていく話し方になります。ここでの you は、写真を見せているモニカを指しています。冒頭の Oh, yeah は、見せられたものに「うん、そうそう」と応じる相づちです。

最後の And me. は、ロンドンに行けなかったフィービーが、自分も顔ぶれに加える一言です。話を遮られた最初の2つの場面と並べると、3つのやりとりがどれもロンドン旅行の話題をめぐって起きていることが分かります。

まとめ|話を戻す・切り上げる英語

I have to tell you this story. で話を切り出し、割り込まれたら All right, anyway… で戻し、~ was going to tell a story で話を振り直す流れを見てきました。I don’t want to talk about it. は、話を自分で終わらせる一言にもなります。

脱線と仕切り直しを繰り返す場面に注目しながら観ると、雑談の英語のリズムがつかみやすくなります。

同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事では、仲間どうしの別の場面の英語を取り上げています。

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