海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン5第9話で、フィービーは文学の講座にレイチェルを誘います。ところが、課題の本を読まずに授業へ来るレイチェルと、きちんと学びたいフィービーの間には、少しずつすれ違いが生まれていきます。
同じ授業に出ていても、そこに何を求めるかは人によって違います。読んでいないことをめぐるやりとりから本音の言い合いまで、2人の言葉を追っていきます。
「You didn’t read this one either?」読んでいないことをめぐるやりとり
1回目の授業のあと、フィービーはレイチェルに Why didn’t you just say that you hadn’t read the book?(読んでないって、どうして言わなかったの?)と尋ねます。レイチェルの答えは Because I didn’t want him to think I was stupid.(あの講師にばかだと思われたくなかったから)でした。Why didn’t you just ~? は「どうして素直に〜しなかったの」と、もっと簡単な道があったことを指摘する聞き方です。
2回目の授業の前にも、同じやりとりが繰り返されます。
Rachel: So, um what’s this book about?
(それで、ええと、この本ってどんな話?)
Phoebe: You didn’t read this one either?
(これも読んでないの?)
Rachel: Well, I was going to but I accidentally read something else.
(まあ、読むつもりだったんだけど、うっかり別のものを読んじゃって。)
Friends Season5 Episode9(The One with Ross’s Sandwich)
否定文の最後に置く either は「〜も(…ない)」で、this one either で「今回のも」となります。レイチェルの I was going to but ~ は「〜するつもりだったけど」と、予定どおりにできなかった言い訳を始める形です。
このあとレイチェルは、本の内容を教えてほしいと頼みます。
Rachel: Okay, so tell me about this Jane Eyre woman.
(じゃあ、そのジェーン・エアって女の人のこと教えて。)
Phoebe: No, you should have read it yourself.
(だめ、自分で読んでおくべきだったのよ。)
Rachel: Oh, come on, Phoebe don’t be such a goody-goody.
(ちょっと、フィービー、そんなにいい子ぶらないでよ。)
Phoebe: Fine.
(わかったわよ。)
Friends Season5 Episode9(The One with Ross’s Sandwich)
should have + 過去分詞 は「〜すべきだったのに」と、済んだことへの指摘になります。goody-goody は「いい子ぶる人」「真面目すぎる人」を軽くからかう、くだけた語です。ここでフィービーは Fine. と折れたように見えますが、この直後に作品とは違う説明をしています。
「You weren’t taking the class seriously.」本音を言い合う
2回目の授業で恥をかいたレイチェルは、部屋に戻ると I can’t believe you let me go on and on like that.(あんなふうに延々と話させておくなんて)と抗議します。go on and on は「延々と話し続ける」という意味です。フィービーが謝ったあと、2人の言い合いは本音に進みます。
Phoebe: Well, I snapped, okay? You weren’t taking the class seriously.
(だって、キレちゃったのよ。あなたは授業を真剣に受けてなかったでしょ。)
Rachel: Phoebe, come on, what is the big deal?
(フィービー、ねえ、何がそんなに問題なの?)
Rachel: I thought this was going to be something we could do together. You know, I thought it would be fun.
(2人で一緒にできることだと思ってたのに。楽しいと思ったのよ。)
Phoebe: Well, yeah, fun is good but, you know, I also wanted to learn. You know, people are always talking about what they learned in high school and I never went to high school.
(まあね、楽しいのはいいことよ。でも、私は学びたくもあったの。みんないつも高校で習ったことを話してるでしょ。私は高校に行ってないから。)
Rachel: Oh, so you really wanted to learn?
(ああ、じゃあ本当に学びたかったのね?)
Rachel: Yeah, you know, Pheebs, I just wanted to have fun.
(そっか、フィーブス、私はただ楽しみたかっただけなの。)
Rachel: You know who you should go with?
(誰と行けばいいか分かる?)
Friends Season5 Episode9(The One with Ross’s Sandwich)
snap は「我慢の糸が切れる」という意味で、I snapped は「キレちゃった」と自分の行動を認める言い方です。take ~ seriously は「〜を真剣に受け止める」で、進行形の weren’t taking によって、授業のあいだずっとそうだったという様子が出ています。一方の have fun は「楽しむ」で、just が付くと「ただ楽しみたかっただけ」と目的を絞り込む響きになります。
フィービーは fun is good but と楽しさを否定せずに、I also wanted to learn と自分の目的を付け足しています。対立する二つの言い方に見えますが、2人とも相手の言い分を一度受けてから自分の考えを返しているのが分かります。
「Tests make us all better learners.」代わりに来た受講生
レイチェルが You know who you should go with? と言ったあと、次の授業ではモニカがレイチェルの席に座っています。
Monica: I know! I know! I know!
(分かる!分かる!分かる!)
The Teacher: Monica, you asked the question.
(モニカ、質問したのはあなたですよ。)
Friends Season5 Episode9(The One with Ross’s Sandwich)
I know! を繰り返すのは、答えが分かっているから当ててほしいと知らせるときに使われることのある言い方です。ところがモニカは、自分が出した質問に自分で答えようとしています。講師の you asked the question は「質問したのはあなた」と、立場の取り違えを指摘する一言です。
エンディングでは、授業が終わった教室で、フィービーがほかの受講生に I didn’t come with her.(あの子と一緒に来たわけじゃないの)と話しています。そこへモニカが入ってきて、テストについてこう話します。
Monica: Oh, come on, tests make us all better learners. Oh, yeah! We should have essay questions!
(ねえ、テストがあるとみんなもっとよく学べるのよ。そうだ!記述問題もあるといいわね!)
Friends Season5 Episode9(The One with Ross’s Sandwich)
make + 人 + 形容詞・名詞 は「人を〜にする」で、make us all better learners は「私たちみんなを、よりよい学び手にする」となります。essay question は、選択式ではなく文章で答える「記述問題」です。
まとめ|授業への向き合い方の違いを伝える英語
You weren’t taking the class seriously. と I just wanted to have fun. を中心に、2人の言い分を見てきました。真剣さと楽しさのどちらを求めるかを、相手の言葉を受けながら伝える言い方がそろっています。
2人のすれ違いと、そのあとに来たモニカの意気込みを見比べると、この回の教室の場面の言葉が結びついてきます。
このエピソードのほかのコラムやフレーズ記事では、授業の外の場面の英語も扱っています。


コメント