「No offense」と前置きすれば、何を言っても許される?|『ビッグバン★セオリー』S12E17で学ぶ英会話

『The Big Bang Theory』コラム: 「No offense」と前置きすれば、何を言っても許される?|『ビッグバン★セオリー』S12E17で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回は『ビッグバン★セオリー』シーズン12 第17話から、No offense という前置きを取り上げます。週末の誘いを断るシェルドンが、この一言を添えてかなり率直な理由を口にする場面が起点です。

失礼に聞こえそうな一言の前に置く決まり文句は、英語の会話でよく耳にします。ただ、前置きがあれば相手が気を悪くしないとは限りません。言う側と言われる側の英語を、2つの場面から見ていきます。

目次

「No offense, but」の前置きと「I am offended」

ハワードが友人たちを週末の自宅に誘うと、シェルドンがこう答えます。

Sheldon: No offense, Howard, but I don’t want to spend my weekend around your loud, sticky babies.
(気を悪くしないでほしいんだが、ハワード、僕は君のうるさくてべたべたした赤ん坊たちのそばで週末を過ごしたくない。)

Howard: You can’t insult my kids. I am offended.
(俺の子どもを侮辱するなよ。気分悪いぞ。)

Sheldon: N-No, you can’t be. I said “no offense.” That’s like “no backsies” but for offense.
(い、いや、それはありえない。僕は「no offense」と言った。あれは「取り消しなし」の、気分を害する版のようなものだ。)

TBBT Season12 Episode17

No offense, but ~ は「悪く思わないでほしいけど」と、これから言う内容が相手の気に障るかもしれないと断ってから本題に入る言い方です。offense は「気分を害すること」を表し、take offense なら「気を悪くする」になります。

ハワードの I am offended. は、その前置きに対して「気分を害した」とはっきり返す一言です。シェルドンは前置きをしたのだから怒れないはずだと言い張り、子どもが使う no backsies(一度決めたら取り消しなし)を引き合いに出します。

この屁理屈が笑いになるのは、No offense が相手の気持ちまで決められる言葉ではないからです。前置きはあくまで「悪気はない」という意思表示で、受け取り方は相手に委ねられています。率直な意見を伝えたいときは、No offense に頼るより、言い方そのものをやわらげるほうが安全と言えます。

同じ場面の少し前にも、きつい冗談とその返しがあります。スチュアートに子どもたちの居場所を聞かれたハワードが「君と一緒だと思っていた」と答え、慌てたスチュアートにすぐ種明かしをします。

Howard: I’m kidding. They’re at daycare.
(冗談だよ。保育園にいる。)

Stuart: What about me makes you think my heart can handle that joke?
(僕のどこを見て、その冗談に心臓が耐えられると思ったの?)

TBBT Season12 Episode17

I’m kidding. は冗談だったと明かす一言、スチュアートの返事は「笑えない冗談だった」と伝える、遠回しな抗議と読み取れます。

言ったあとに付け足す「No offense」

後の場面で、ハワードの家に友人たちが集まっています。エイミーが赤ちゃんの実験の話をすると皆が「かわいい」と受け止めるのに、自分だと嫌がられるのはなぜか、とシェルドンが尋ねます。

Sheldon: How come when she talks about experiments on babies, you think it’s adorable, but when I do it, everyone gets upset?
(なぜ彼女が赤ん坊の実験の話をすると君たちは愛らしいと思うのに、僕がすると皆が腹を立てるんだ?)

Leonard: I think I can speak for all of us. You’re just creepy.
(みんなを代表して言わせてもらうと、君はただ気味が悪いんだよ。)

Howard: No offense.
(悪気はないぞ。)

TBBT Season12 Episode17

I think I can speak for all of us. は「ここにいる全員の意見として言うと」と前置きする言い方です。レナードの率直な答えのあとに、ハワードが No offense. だけを付け足しています。

No offense は、このように言い終えたあとに添えることもできます。ただ、ここでの一言は、先ほど自分の子どもについて No offense を盾にされたハワードが、同じ言葉を返した形になっているのが面白いところです。前置きでも後付けでも、言葉の中身が変わるわけではないことが、この二つの場面から伝わってきます。

なお、No offense と言われた側が「気にしていない」と返すときは、一般に None taken.(気にしてないよ)という短い返事が使われます。劇中のハワードのように I am offended. と返せば、気分を害したことをはっきり伝えられます。どちらで返すかによって、その後の会話の流れも変わってきます。

まとめ|前置きは免罪符ではない

No offense, but で始める前置き、I am offended という返し、I’m kidding の種明かし、言い終えてから添える No offense を見てきました。前置きの意味と限界を知っておくと、率直な一言を言うときも言われたときも、落ち着いて受け答えができます。

何気ない軽口の応酬にも英語の使い方が詰まっているのが、『ビッグバン★セオリー』の面白さです。

同じ回のほかのコラムやフレーズ記事でも、この話の英語を取り上げています。

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