海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン5第4話のジョーイは、テレビの寄付番組で共同司会を務めると聞いて、番組のスタジオに向かいます。ところが現場で任された役目は、聞いていた話とまるで違うものでした。
思っていた役目と違うと分かったときに、その場で食い違いを伝える言い方と、あとで友達に事情を話すときの言い方を、ジョーイが登場する二つの場面から、順に見ていきます。
「But I’m the host.」役目の食い違いを訴える
朝、仲間の前でジョーイは、エージェントが寄付番組の共同司会の仕事を取ってきてくれたと話していました。番組のスタジオに着くと、ステージ・ディレクターがジョーイを案内し、持ち場の電話を示します。
Stage Director: This will be your phone.
(これがあなたの電話です。)
Joey: That’s great, but, uh… I’m not really expecting a lot of calls.
(そりゃいいね、でも、えっと……電話はそんなにかかってこないと思うけど。)
Stage Director: No, you answer it and take pledges.
(いいえ、あなたが電話に出て、寄付の申し込みを受けるんです。)
Joey: But I’m the host.
(でも、俺は司会だぜ。)
Friends Season5 Episode4(The One Where Phoebe Hates PBS)
This will be your ~. は「これがあなたの〜になります」と、相手に割り当てるものを示す言い方です。ジョーイはこれを「自分あての電話」と受け取り、I’m not really expecting a lot of calls. と返します。expect は「予期する、当てにする」で、自分は電話を受ける立場ではないという思い込みがそのまま出ています。
ステージ・ディレクターの No で役目が言い直されると、ジョーイは But I’m the host. と訴えます。But I’m ~ は、相手の説明と自分が聞いていた前提が食い違うときに、「でも自分は〜のはず」と押し返す形です。この後、司会は別の人で、ジョーイは電話を受ける係だと告げられます。それでもジョーイは引き下がりません。
役割分担の説明を受けて自分の理解と違う点があったとき、But I thought I was ~.(でも、私は〜だと思っていました)のように thought を使うと、相手を責めずに確認する響きになると言われます。ジョーイの But I’m ~ は、そこを言い切る形なので、より強く押し返す言い方に聞こえます。
Joey: You don’t seem to understand. See, I was Dr. Drake Ramoray.
(わかってないみたいだな。ほら、俺はドクター・ドレイク・ラモーレイだったんだぜ。)
Stage Director: Well, here’s your phone, doctor.
(じゃあ、こちらがあなたの電話です、先生。)
Friends Season5 Episode4(The One Where Phoebe Hates PBS)
Dr. Drake Ramoray は、ジョーイが以前ドラマで演じていた医師の役名です。You don’t seem to understand. は「分かっていないようですね」と相手の理解不足を指摘する言い方で、使う相手や口調によっては角が立ちやすい表現とされます。ステージ・ディレクターは役名にひっかけて doctor と呼び、改めて電話を示して話を終えています。
「There was kind of a mix-up」事情を前向きに言い換える
場面がモニカとレイチェルの部屋に移り、テレビで番組を見ていた仲間のところへ、スタジオにいるジョーイから電話がかかってきます。モニカはまだ画面にジョーイを見つけられていません。
Monica: When are you going to be on TV?
(いつテレビに出るの?)
Joey: See, there was kind of a mix-up in my agent’s office but I’m still on TV and that’s good exposure.
(それがさ、エージェントの事務所でちょっとした手違いがあってさ。でもテレビには出てるし、いい宣伝になるんだよ。)
Monica: You’re not on TV.
(映ってないじゃない。)
Joey: How… how about now?
(じゃ……じゃあ、今は?)
Chandler: Yeah! There he is!
(おっ!いたいた!)
Joey: Hello, New York.
(ハロー、ニューヨーク。)
Friends Season5 Episode4(The One Where Phoebe Hates PBS)
mix-up は「取り違え、手違い」という意味の名詞です。there was a mix-up と言うと、誰の落ち度かをはっきりさせずに「行き違いがあった」と伝えられます。ジョーイは kind of を挟んで、さらに大ごとではないような響きにしています。仕事の場面でも、there was a mix-up with ~(〜で行き違いがあった)の形で、予約や注文の食い違いを伝えるときに使われることがあります。
続く I’m still on TV and that’s good exposure. は、不本意な状況の中から良い面を拾って言い換える言い方です。exposure はここでは「人目に触れること、露出」の意味で、俳優のジョーイにとってテレビに映ること自体に価値があるという言い分になっています。
モニカの You’re not on TV. に対して、ジョーイは How about now? と聞き返します。チャンドラーの There he is! で、画面にジョーイが映ったことが分かります。「〜はどう?」と提案や確認に使う How about ~? が、ここでは「これなら映ってる?」という確認として使われています。
最後の Hello, New York. は、それまで電話の向こうの仲間と話していたジョーイが、画面の向こうの視聴者に向けて呼びかける形の一言です。相手が仲間から視聴者に切り替わるところで、言い方も呼びかけの形に変わっています。
まとめ|食い違いを伝える英語と、前向きに受け止める英語
But I’m the host. で前提の食い違いを訴え、There was kind of a mix-up で事情をぼかして伝え、that’s good exposure で良い面を拾う流れを見てきました。同じ出来事でも、その場で訴える言い方と、あとで友達に話す言い方は違ってきます。
思い通りにいかない場面でのジョーイの言い回しを追いながら、『フレンズ』の英語を楽しんでいきましょう。
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