海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『メンタリスト』シーズン5第14話には、好きな恐竜をめぐって言い合う場面が二度あります。理由を尋ね、たとえで言い返し、根拠を挙げ、最後に勝ちを宣言する、という流れです。どちらの場面も、短い台詞の積み重ねで進んでいきます。
勝負ごとの言い合いに使える短い英語を、たとえの言い方、根拠の示し方、勝ちの宣言とその返し方の順に、台詞の形を確かめながら整理していきます。
「Beats ~ any day of the week.」好みの理由を尋ね、たとえで言い返す
最初の場面では、好きな恐竜の理由を問う質問から、言い合いが始まります。
— How can you like triceratops more than… T. rex?
(どうしてT. rexよりトリケラトプスのほうが好きになれるんだ?)
— T. rex are losers.
(T. rexなんて負け犬だ。)
— Little arms. It’s a big chicken with teeth.
(腕は短いし。歯の生えた大きなニワトリだ。)
— Yeah, and triceratops is basically a pig with horns.
(そっちこそ、トリケラトプスは要するに角の生えたブタじゃないか。)
— And a shield on its head.
(頭には盾も付いている。)
— Beats a giant chicken any day of the week.
(巨大なニワトリなんか、いつでも負かせる。)
The Mentalist Season5 Episode14 (Red in Tooth and Claw)
How can you like A more than B? は、好みを比べたうえで「どうしてAのほうを好きになれるのか」と理由を尋ねる形です。How can you ~? には「どうして〜できるのか」と、相手の選択に疑問を向ける響きがあります。
返しに出てくる loser は、勝負で負ける人を指す語で、ここでは恐竜に向けた「負け犬」という悪口です。It’s a big chicken with teeth. は、姿をほかの動物にたとえて言い切る形で、a pig with horns と並べると、たとえをたとえで返す応酬になっています。basically は「要するに」「基本的には」という意味で、複雑な話をひと言にまとめるときの前置きです。
最後の Beats ~ any day of the week. は、主語を省いた言い方で、「〜になら、いつだって勝てる」と言い切ります。any day of the week は「どの曜日でも」が直訳で、いつ勝負しても結果は変わらない、という強調として使われます。ここで確かめられるのは、台詞の中のたとえの言い方までです。
「some scientists think ~」根拠を挙げて言い切る
しばらくあとの場面で、再び恐竜の話題が出ます。今度は、根拠を挙げて自分の側の強さを示す発言です。
— And some scientists think the T. rex could run up to 45 miles an hour.
(それに、T. rexは時速45マイルまで走れたと考える科学者もいる。)
— That’s apex predator. You know what that means?
(それは頂点捕食者だ。それが何を意味するか分かるか?)
The Mentalist Season5 Episode14 (Red in Tooth and Claw)
some scientists think ~ は、「〜と考える科学者もいる」と、自分の意見ではなく他者の見解として根拠を添える言い方です。some が付くと、全員がそう考えているわけではない、という含みになり、断定を避けながら主張を支える形になります。up to ~ は「最大で〜まで」という上限を示す表現で、could run up to 45 miles an hour で「最大で時速45マイルほどで走れた可能性がある」という意味になります。
apex predator は、一般に食物連鎖の頂点にいる捕食者を指す語です。そのあとの You know what that means? は、答えを自分で述べる前に相手の注意を引く問いかけで、「これが何を意味するか分かるか」と、次の結論へつなぎます。根拠を挙げてから、問いかけで間を作り、結論を言う、という順序になっています。
「I win.」勝ちを宣言する言葉と、その返し方
続けて、勝ちの宣言とそれに続く発言が出てきます。
— So… T. rex beats triceratops. I win.
(つまり、T. rexの勝ちだ。こっちの勝ちだな。)
— You went home last night and googled dinosaurs, didn’t you?
(昨夜、家に帰って恐竜をネットで調べたんだろう、違うか?)
The Mentalist Season5 Episode14 (Red in Tooth and Claw)
So… は、それまでの説明を受けて結論を述べるときの切り出しで、beats が「勝つ」、I win. が「こっちの勝ちだ」と勝ちを宣言する短い一言です。勝ちの宣言のすぐあとには、議論の中身に戻らず、前夜に調べてきたのではないかと指摘する発言が続きます。その形が、宣言への返し方を考える手がかりになります。
You went home last night and ~, didn’t you? は、相手の行動を言い当てるように述べ、最後に didn’t you? を付けて確かめる付加疑問です。ここでの付加疑問は、自分では分かっているつもりのことを相手に確かめる形で、相手の準備を言い当てる言い方になっています。last night は「昨夜」で、時間の語を添えることで、具体的な指摘に聞こえます。
そのあとにも、短い発言があります。
— You have no life. I win.
(それしかやることがないんだな。こっちの勝ちだ。)
The Mentalist Season5 Episode14 (Red in Tooth and Claw)
have no life は、直訳すると「生活がない」ですが、ほかに楽しみがなく、ひとつのことに打ち込んでいる人をからかう口語として使われることがあります。I win. を繰り返して、軽い言い合いの決めの一言にしています。親しい間柄の軽口として成り立つ言い方なので、実際の場面では相手との関係に気をつけたい表現です。
まとめ|たとえで言い返し、勝ちを宣言する
How can you like A more than B? で理由を尋ね、たとえで返し、some scientists think ~ で根拠を挙げる。I win. の宣言には、didn’t you? の付加疑問で指摘する返しが続きます。
次回も『メンタリスト』と一緒に英語を学んでいきましょう。
このエピソードのほかのコラムやフレーズ記事では、別の場面の英語を取り上げています。


コメント