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『メンタリスト』シーズン4第23話には、進み具合を尋ね、「特にない」と報告し合う台詞が、場面を変えて何度か出てきます。同じ「ない」でも、目立つものがない、つながるものがない、手元にないと、言い方がそれぞれ違います。報告の言い回しだけに注目すると、短い台詞の差が見えてきます。
ここでは、進み具合を聞く言い方、可能性を確かめる言い方、「ない」を言い分ける言い方を、台詞の順に見ていきます。
「Anything jump out?」進み具合を聞き、目につくものを確かめる
最初に取り上げるのは、作業の進み具合を尋ねる台詞と、それに続く台詞です。
— Hey. How’s the time line going? Anything jump out?
(どうですか、時系列の整理は。何か目につくことはありますか?)
— Yeah. Castro did completely normal stuff, then disappeared.
(ええ。カストロはごく普通のことをしていて、そのあと姿を消しています。)
The Mentalist Season4 Episode23 (Red Rover, Red Rover)
How’s ~ going? は、「〜の調子はどうですか」と進み具合を尋ねる、使われることの多い言い方です。time line は「時系列」で、出来事を時間の順に並べたものを指します。go が「物事が進む」という意味で使われ、作業の進行をまとめて聞く形になっています。
続く Anything jump out? の jump out は、「飛び出す」から転じて、「目に飛び込んでくる、際立つ」という意味です。Anything ~? で「何か〜はありますか」と聞くため、「何か目立つものはある?」という問いになります。見落としがないかを確かめる、短い聞き方です。
続く返事では、Yeah. のあとに completely normal stuff が続き、「ごく普通のこと」をしていたと返されています。completely で、普通であることの度合いを強めています。
「Could it be ~?」可能性を確かめ、打ち消され、助けを求める
続いて取り上げるのは、見つかったものについて可能性を挙げ、それが打ち消されて、助けを求めるまでの流れです。
— He was ex-military. Could it be military time?
(彼は元軍人です。軍隊式の時刻表記ではないでしょうか?)
— No, there wouldn’t be a colon between the nine and two. It’s something else.
(いいえ、9と2のあいだにコロンは入りません。別の何かです。)
— Well, if you have any ideas, let me know. I’m not finding anything else useful.
(もし何か考えがあれば教えてください。ほかには役に立ちそうなものが見つかっていません。)
The Mentalist Season4 Episode23 (Red Rover, Red Rover)
Could it be ~? は、「〜という可能性はありませんか」と控えめに推測を投げる形をとっています。can ではなく could を使うと、断定を避けて可能性を挙げる響きになります。military time は軍隊式の時刻表記を指す語で、ここでは推測の中身を示す言葉として使われています。
打ち消す側の there wouldn’t be ~ も、would で言い切りをやわらげる形です。「ありません」と突き放すのではなく、「〜は入らないはずです」という言い方になっています。そのあとの It’s something else. は、推測を退けたうえで、別の何かだと結論を保留する短い一文です。
最後の if you have any ideas, let me know は、「考えがあれば知らせてください」と助けを求める形です。let me know は、結果を知らせてほしいときの基本的な言い方で、if ~ の条件と組み合わせて、相手に押しつけずに頼んでいます。続く I’m not finding anything else useful. は、find を進行形にして、探している途中の状態を表しています。
「Nothing jumps out」「Nothing that leads anywhere」「ない」を言い分ける
かなりあとの場面では、報告を順に聞いていく流れで、「ない」を表す台詞が重なって出てきます。まず、一文だけを取り上げます。
— Nothing unusual or suspicious.
(変わったことも、怪しいこともありませんでした。)
The Mentalist Season4 Episode23 (Red Rover, Red Rover)
unusual は「普段と違う」、suspicious は「疑わしい」という意味で、二語を or でつないで、気になる点の幅を広くとっています。続いて、報告が重なる部分です。
— Nothing jumps out. Time line?
(目につくものはありません。時系列は?)
Cho: Nothing that leads anywhere.
(どこにも行き着くものはない。)
Van Pelt: We don’t have anything, boss.
(何もありません、ボス。)
— We have something. We just don’t know what it is yet.
(何かはあるんです。それが何なのか、まだ分からないだけで。)
The Mentalist Season4 Episode23 (Red Rover, Red Rover)
Nothing jumps out. は、目に留まるものがない、という意味合いで使われています。Nothing that leads anywhere. は、lead ~ が「〜へ通じる」の意味で、材料があっても進展につながらないことを表します。チョウの台詞は短く、飾りがありません。
ヴァン・ペルトの台詞の We don’t have anything は、手元に何もないという言い方で、boss の呼びかけが添えられています。三つを比べると、「目立たない」「つながらない」「手元にない」と、同じ「ない」でも見ている角度が違います。
最後の We have something. We just don’t know what it is yet. は、「ない」を打ち消す形です。just は「ただ〜だけ」を表し、yet は「まだ」を示します。ここまでの「ない」の流れの中に、まだ分からないだけだ、という言い方が入っています。
まとめ|進み具合を聞き、「ない」を言い分ける
How’s ~ going? と Anything jump out? で進み具合を聞き、Could it be ~? で可能性を挙げ、Nothing jumps out. などで「ない」を言い分けていました。
「何もない」と言うとき、何について、どの角度で言うのかに注目して観ると、短い報告の違いがはっきり見えてきます。
同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事でも、この回の別の場面の英語を扱っています。


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