海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『メンタリスト』シーズン5第13話には、食堂で飲み物や追加の注文を勧められたり、会計を持つと申し出られたりする場面があります。勧められたものを断る場面でも、返す言葉は一つに決まっていません。同じ「断る」でも、返しの形が分かれる様子が見て取れます。
No, thanks. と That’s okay. の違いを、食堂のやりとりから順に見ていきます。
「Lemon for your tea?」勧められたものを断る「No, thanks.」
食堂の場面では、お茶にレモンを添えるかどうかを聞かれます。
— Lemon for your tea?
(お茶にレモンは?)
— No, thanks.
(いえ、結構です。)
The Mentalist Season5 Episode13 (The Red Barn)
Lemon for your tea? は、Would you like lemon for your tea? から言葉を省いた形です。for は「〜用に」という意味で、お茶に合わせるものとしてレモンを勧めています。短い問いなので、返しも短く済みます。
No, thanks. は、勧められたものを受けないと伝える最も短い形の一つです。No だけでは、そっけなく響く場合があります。thanks を添えることで、勧めてくれたことへの礼が加わります。断りと礼を一言ずつ重ねる形です。thanks は thank you をくだけた形にした語で、短い返しに合います。
同じ席の少しあとにも、同じ形が出てきます。
— Can I get you anything else?
(ほかに何かお持ちしましょうか?)
— No, thanks.
(いえ、結構です。)
The Mentalist Season5 Episode13 (The Red Barn)
Can I get you anything else? は、直訳すると「ほかに何かお持ちできますか」で、追加の注文を聞く問いです。anything else が付くことで、すでに何かを出したあとの確認だと分かります。店で聞かれることのある形です。
この食堂の場面では、No, thanks. が二度出てきます。勧められたものを受けない、追加はいらない。どちらの問いにも、同じ形で足りています。短い問いには短い返しで済む、という対応が分かります。
「Aw, that’s okay.」厚意への遠慮と、重ねられる「Please.」
同じ食堂の場面の少しあとで、会計をめぐる申し出が出てきます。
— Tell Elena to put your check on my tab.
(エレナに、あなたの勘定を私の付けにするよう伝えて。)
— Aw, that’s okay.
(いえいえ、お気遣いなく。)
— Please. It’s a long tab.
(まあ、どうぞ。付けは長いので。)
— Enjoy.
(ごゆっくり。)
The Mentalist Season5 Episode13 (The Red Barn)
最初の一文では、名前を挙げて、その人に伝えるよう頼んでいます。put A on B は、「AをBにつける」という形で、put your check on my tab は、あなたの勘定を私の付けに回す、という意味です。my tab と言っているので、話し手が自分の付けにまとめる形になります。アメリカでは、check が飲食店の勘定書を指すことがあります。
これに対する Aw, that’s okay. は、相手の厚意に遠慮を示す返しです。Aw, は、感情を込めた前置きの声として使われます。ここでは、返しの冒頭に付いて、その後の遠慮の言葉につなげています。That’s okay. は、直訳すると「それで大丈夫」で、申し出を受けなくても困らないと伝えます。
その返しに、Please. と重ねる声が続きます。遠慮を押し返す一言です。続く It’s a long tab. は、tab が長い、という形で理由を添えています。台詞だけでは、その含みまでは読み取れません。最後の Enjoy. は、食事を楽しんでほしいという短い一言です。動詞だけで言い切る形で、Enjoy your meal. の後半を省いた言い方と見ることもできます。申し出と遠慮のやりとりが、この一言で締まります。
「No, thanks.」と「That’s okay.」の違い
二つの返しは、断る対象が違います。
No, thanks. は、勧められたものそのものを受けない返しです。レモンや追加の注文のように、受けるか受けないかを選ぶ問いに合います。Lemon for your tea? と Can I get you anything else? は、どちらも選択肢を示す問いでした。
That’s okay. は、相手の厚意そのものに遠慮を示す返しです。勘定を持つという申し出は、物を勧める問いと違い、相手の負担を伴います。そのため、品物を断る No, thanks. よりも、気遣いを示す返しが選ばれていると読み取れます。この例では、返しのあとに Please. が重なるので、遠慮とその押し返しという流れが見えます。
使い分けの目安として、飲み物や追加を聞かれたときは No, thanks.、費用や手間を引き受けると言われたときは That’s okay. が、それぞれ候補になります。ただし、どちらも場面や言い方によって響きが変わります。That’s okay. は、ほかの場面では「大丈夫」と許す返しにもなります。
まとめ|勧めを断る二つの返し
No, thanks. は勧められたものを受けない返し、That’s okay. は厚意への遠慮を示す返しです。食堂の場面で、二つの働きの違いが並びました。
次回も『メンタリスト』と一緒に英語を学んでいきましょう。
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