海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン5第23話では、キャメロンの両親マールとバーブがジェイとグロリアの家に泊まっています。その朝の短いやり取りのあと、バーブはグロリアに、2人の間のぎくしゃくを打ち明けます。
言い合いを表す snap at と snipe at は、形は似ていても指す様子が少し違います。バーブの言葉を順に追いながら、関係の不調を当事者ではない相手に説明するときの英語を整理していきます。
「snapped at each other」と「rough patch」
出かけるマールに、バーブは「ネクタイを結ぶから時間までに戻って」と声をかけ、マールは yes, ma’am と応じます。そのあと、バーブはグロリアにこう話します。
Barb Tucker: I’m so sorry you had to see that.
(あんなところを見せてしまって、本当にごめんなさいね。)Gloria: See what?
(何のこと?)Barb Tucker: The way we just snapped at each other.
(さっき、お互いにきつく言い合ったでしょう。)Gloria: Are you joking?
(冗談でしょ?)Barb Tucker: Obviously, Merle and I are going through a heck of a rough patch.
(見てのとおり、マールと私はひどくぎくしゃくしている時期なのよ。)Gloria: If I talked to Jay that nice, he would think I’m cheating on him.
(私がジェイにあんなに優しく話したら、浮気してるって思われちゃうわよ。)Modern Family Season5 Episode23 (The Wedding (Part 1))
snap at ~ は、犬が急にかみつくような動きから来た言い方とされ、「〜にカッとなってきつく言う」という意味です。each other を付けると「お互いにきつく言い合う」になり、その場の短いぶつかり合いを指します。
I’m so sorry you had to see that. は、身内のもめごとを人に見られてしまったときに使える謝り方です。you had to see that と言うことで、相手に気まずい思いをさせたことをわびる形です。
go through a rough patch は「(関係や状況が)うまくいかない時期を過ごす」という言い方で、a heck of a を挟むと「相当な」と強まります。面白いのは、グロリアが Are you joking? と返し、自分なら同じ言い方でも優しすぎるほどだと冗談めかす点です。同じやり取りでも、聞き手によって受け止め方が違うことが伝わってきます。
「started sniping at each other」で続いている不和を語る
別の場面で、バーブはいきさつをさらに詳しく話します。
Barb Tucker: Well, I guess I first noticed it after Pameron moved out, and Merle and I just started sniping at each other.
(そうね、最初に気づいたのは、パムとキャメロンが家を出てからね。マールと私、ちくちく言い合うようになったの。)Gloria: Yeah, like that bloodbath this morning?
(ええ、今朝のあの大げんかみたいに?)Barb Tucker: Ohh.
(ああ。)Barb Tucker: Again, I am so sorry.
(重ね重ね、本当にごめんなさい。)Barb Tucker: But Merle is not the type you can talk to about things.
(でもマールは、何でも話し合えるような人じゃないの。)Barb Tucker: I mean, the man’s had a toothpick in his mouth our whole marriage, and I can’t say a word.
(だって、結婚してからずっとつまようじをくわえてるのに、私は一言も文句を言えないんだから。)Modern Family Season5 Episode23 (The Wedding (Part 1))
snipe at ~ は、離れた所から狙い撃つ「狙撃」の意味を持つ snipe から来た言い方とされ、「〜に嫌みや皮肉をちくちく言う」ことを表します。started sniping と言うと、一度のけんかではなく、そうしたやり取りが始まって続いている様子になります。Pameron は、バーブがパムとキャメロンをまとめて呼んだ言い方です。
| 表現 | 指す様子 |
|---|---|
| snap at each other | その場でカッとなって、きつく言い合う |
| snipe at each other | 嫌みや皮肉を、ちくちく言い合う状態が続く |
not the type you can talk to about things は「何でも話し合えるタイプではない」と人柄を説明する形で、type の後ろに関係詞の節を続けています。I can’t say a word は「一言も言えない」で、不満を口にできない立場を伝えます。I guess I first noticed it after ~ も、いつから変わったのかを振り返るときにそのまま使える言い回しです。I guess で「たぶん」と断定を和らげ、first noticed で「最初に気づいた」時点を示す組み立てと言えます。
一方、グロリアの bloodbath は「流血の惨事」という強い語で、朝のやり取りを大げさに言い表しています。バーブの控えめな説明と、グロリアの誇張した言い方の対比も、この場面の見どころです。
「run out the clock」と「what is bothering you」
グロリアが、気持ちをため込まないよう言葉をかけたあと、バーブはこう返します。
Barb Tucker: Well, we’ve had 48 good years.
(まあ、48年いい年月を過ごしてきたし。)Barb Tucker: I guess we’re just gonna run out the clock.
(このまま時間切れまでやり過ごすことになるんでしょうね。)Gloria: You have to tell Merle what is bothering you.
(マールに、何が嫌なのか言わなきゃだめよ。)Barb Tucker: Oh, he doesn’t want to hear all that.
(あら、あの人はそんな話、聞きたがらないわ。)Modern Family Season5 Episode23 (The Wedding (Part 1))
run out the clock は、スポーツでリードしている側が残り時間を使い切る戦い方を指す言い方として知られ、日常会話では「何もせずに時間が過ぎるのを待つ」という意味でも使われます。バーブは we’ve had 48 good years とこれまでの年月に触れてから、このまま何も変えないでやり過ごすつもりだと口にしています。
グロリアの tell ~ what is bothering you は、「何があなたを悩ませているのか」を相手に伝えるよう促す言い方です。bother は「悩ませる」「気にさわる」の意味で、What’s bothering you? と聞けば、相手の不満や心配ごとをたずねる定番の問いになります。
対するバーブの he doesn’t want to hear all that は、「そんな話はみんな聞きたがらない」と、打ち明けても無駄だと先回りする返しです。all that が、マールに言えずにいる不満の数々をまとめて指しているのが分かります。相手の反応を決めつけて行動しない理由にする言い方で、日常でも She doesn’t want to hear it. のような形でよく耳にする言い回しです。
まとめ|言い合いの種類と、打ち明けるための言葉
その場できつく言い合う snap at、ちくちく言い合いが続く snipe at、不調の時期を表す rough patch、時間切れを待つ run out the clock と、バーブの言葉には関係のぎくしゃくを第三者に説明するための語彙がそろっています。
似た言い方の違いに注目すると、登場人物の心の距離まで見えてきます。
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