海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
締め切りに少し遅れてしまって、なんとか融通をきかせてもらえないかとお願いしたくなった経験はありませんか。
そんな場面にぴったりの「make an exception」を、『モダンファミリー』シーズン3第17話の終盤、トラピーズ教室の受付時間に間に合わなかったフィルのために、家族が講師に食い下がる場面から、一緒に見ていきましょう。
「make an exception」の意味とニュアンス
make an exception
意味:例外を認める、特別に許す
make an exceptionは、本来なら適用されるはずのルールや決まりごとを、特定の状況に限って曲げてもらう、あるいは自分から曲げるときに使われる表現です。makeという動詞を使うことで、「もともと存在しない例外を、その場で作り出す」という能動的なニュアンスが加わります。
forを伴って、誰のために、あるいは何のために例外を作るのかを示す使い方がよく見られます。学校の宿題の締め切りや、店の予約ルール、会社の規則など、「本来は認められないことを、特別な事情を考慮して許してほしい」という場面で幅広く使われる表現です。
否定文ではcan’t make any exceptions(どんな例外も認められない)のようにanyと複数形を組み合わせた形がよく使われ、規則を守る側の断り文句になります。
【ここがポイント!】
- 「make an exception」の核は、その場で特別に例外を作り出すイメージ
- forを使って、誰のための例外かを示すことが多い表現
- 「規則を守る側」にも「例外を頼む側」にも使える汎用性がコツ
『モダンファミリー』S03E17のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
締め切りに間に合わなかったフィルのために、クレアがトラピーズ教室の講師のピートに掛け合う場面です。ヘイリーとアレックスも会話に加わり、家族がそれぞれの言葉で後押しする様子に注目です。
Phil: Seriously? There’s nothing you can do?
(マジで? どうにもならないの?)Pete: I’m sorry. You just missed the cutoff. How about we see you next time?
(すみません。ちょうど締め切りを過ぎてしまったんです。また次回にいらしていただけますか?)Claire: How about you make an exception and strap him in there?
(例外を認めて、彼を乗せてあげてくれない?)Haley: Yeah, we’re, like, ten minutes past your deadline, anyway.
(そうそう、まだ締め切りから10分しか過ぎてないんだし。)Alex: And you don’t want to make us angry today.
(それに、今日はあたしたちを怒らせない方がいいと思うよ。)Pete: Ladies, uh, I really can’t make any exceptions.
(あの、お嬢さん方、本当に例外は認められないんです。)Modern Family Season3 Episode17 (Leap Day)
シーン解説と心理考察
締め切りを過ぎてトラピーズ教室に間に合わなかったフィルのために、クレアが「例外を認めて、彼を乗せてあげてよ」と講師のピートに詰め寄ります。ヘイリーも「まだ10分しか過ぎていない」と後押しし、アレックスも「今日は怒らせない方がいい」と加勢することで、クレアたち3人がフィルのために結束している様子が伝わってきます。
3人の頼み込みにも、ピートは「本当に例外は認められない」と譲りません。ピートは代案として次回にいらしてくださいとも伝えていますが、家族はそれでは納得しません。この応酬が場面のテンポを作っています。規則を守ろうとする講師と、なんとか例外を勝ち取ろうとする家族との攻防が見どころです。
クレアが例外を持ちかけ、ヘイリーが時間の近さで補強し、アレックスが軽い脅し文句で畳みかけるという役割分担にも、家族それぞれの持ち味が表れています。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
決まったルールの列の中に、その場で特別な一つの「例外(exception)」を手作りして差し込むイメージを思い浮かべてみましょう。もともと無かったはずの隙間を、その場で作り出す様子です。
クレアたちが講師に詰め寄ったように、例外を認めてもらうには、それなりの理由や後押しが必要になります。誰かのために例外を作ってもらう場面を思い出すと、このフレーズのイメージがより鮮明になります。
例文で覚える「make an exception」
規則を特別に曲げてもらう場面で使えるmake an exceptionを、3つの例文で確認していきましょう。
The teacher doesn’t usually accept late homework, but she made an exception for him.
(先生は普段、宿題の遅れを認めないが、彼には例外を認めた。)
学校での特別な事情を考慮する場面です。forのあとに対象を示すことで、誰のための例外かが明確になり、単なるルール違反ではなく特別な配慮であることが伝わります。
The company policy is strict, but management is willing to make an exception in emergencies.
(会社の規則は厳しいが、緊急時には経営陣が例外を認める用意がある。)
社内ルールを説明するビジネスの場面です。in emergenciesのように条件を添えると、例外が認められる状況が具体的になり、無制限に例外を認めているわけではないことも伝わります。
A: Can we get a table without a reservation?
B: We’ll make an exception just this once.
(A:予約なしで席を用意してもらえますか?)
(B:今回だけ例外にしますね。)
レストランでのやり取りです。just this onceを添えることで、あくまで一度限りの対応であることが伝わり、今後も同じ対応をするわけではないという線引きができます。
3つの例文を通して見ると、学校・職場・お店のいずれの場面でも、条件を添えることで例外の範囲がはっきりする点が共通しています。
あわせて覚えたい関連表現
bend the rules
(規則を曲げる、融通をきかせる)
make an exceptionが特定のケースに限定して例外を作るのに対し、bend the rulesはルールそのものを緩く運用するニュアンスを持つ表現です。
let something slide
((違反などを)見逃す)
make an exceptionが積極的に許可を与えるのに対し、let something slideは咎めずに黙認するという消極的なニュアンスを持ちます。
cut someone some slack
((人に)大目に見る)
make an exceptionが規則面での特例を指すのに対し、cut someone some slackは態度や評価の面で厳しくしすぎないという意味合いが強い表現です。
Note|make an exception・bend the rules・let something slideの強さの違い
講師のピートに詰め寄ったクレアたちの一言には、似た意味を持つ「規則を緩める」表現がいくつかあります。強さの違いを整理してみましょう。
make an exceptionは、決められたルールに対して、特定の一人・一件だけに限定した特例を積極的に作り出す表現です。あくまでルール自体は変わらず、その一件だけを別扱いにするというニュアンスが強く出ます。これに対してbend the rulesは、ルールそのものを少し緩めて運用するという、より広い範囲での柔軟さを表します。特定の一人のためというより、その場の状況に合わせて全体的に基準を緩めるイメージです。さらにlet something slideになると、積極的に許可を与えるというより、見て見ぬふりをして咎めないという、消極的な対応を表す表現になります。同じ「厳しくしない」でも、能動的に特例を作るのか、ルールの運用自体を緩めるのか、単に見逃すだけなのかによって、選ぶべき表現は変わってきます。
ピートが最終的に「本当に例外は認められない」と繰り返したのは、フィル一人のためのmake an exceptionという、もっとも積極的な対応を求められていたからだと考えると、この場面での攻防の意味がより明確になります。
規則との向き合い方ひとつで、選ぶべき表現の強さも変わってきます。
まとめ|家族の後押しから学ぶ、make an exceptionの一言
make an exceptionは、決められたルールに対して特定の状況だけ特別に例外を作るときに使う表現です。ルールそのものは変えずに、一人・一件だけを別扱いにするのが特徴です。
学校や職場、お店の規則など、「本来は認められないことを、この場合だけ許してほしい」という場面で幅広く使うことができます。
フィルのためにクレアたちが結束して講師に詰め寄った場面には、家族ならではの後押しの力が表れていました。決められたルールを前にしても、誰かのために少しだけ融通をきかせてほしいときに、表現の引き出しに加えてみてください。


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