「not fooling anyone」の意味と使い方|『モダンファミリー』S06E08で学ぶ英会話

「not fooling anyone」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

うまく隠せているつもりだったのに、周りにはすっかり見抜かれていた、という経験はありませんか。

そんな場面で使える「not fooling anyone」を、『モダンファミリー』シーズン6第8話の終盤の場面、七面鳥を食べ終えたあとの会話のなかで、クレアがフィルに向かって指摘するシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「not fooling anyone」の意味とニュアンス

not fooling anyone
意味:誰もだませていない、見え見えだ

not fooling anyoneは、取り繕ったりごまかしたりしていることが、周りにはすっかりばれている、という意味で使われる表現です。foolは「だます、ばかにする」、anyoneは「誰も」で、直訳すれば「誰もだましていない」となります。ごまかそうとしている本人だけが、うまくいっていると思っている、という食い違いがこの表現の中心にあります。

相手への「もうばれている」という指摘として使うのが基本で、やや呆れたような、あるいはからかうような響きを持ちます。強い非難というより、「そんなことをしても無駄だよ」と軽く指摘するときに向いていますが、口調によっては少し辛辣にも聞こえます。嘘や言い訳、強がり、隠し事など、ごまかしの中身は幅広く、どの場面でも「周りには見え見え」という状況を言い当てられます。

形の面では、主語にyouを置いた You’re not fooling anyone. が基本の形です。He’s not fooling anyone.(彼は誰もだませていない)のように主語を変えたり、I’m not fooling anyone.(自分でも誰もだませていないと分かっている)のように自分について述べたりすることもできます。また、you can + 動詞 + all you want, but … という形と組み合わせると、「いくら〜しても、…だ」という譲歩の言い方になり、シーンでもこの形が使われています。

日本語にするときは、「誰もだませていない」「見え見えだ」「みんなにばれている」あたりが目安です。だます側の立場から述べているため、「ばれている」という結果よりも、「通じていない」という状態に焦点があります。

【ここがポイント!】

  • 「not fooling anyone」の核は、本人だけが隠せたつもりで、周りには見え見えというイメージ
  • 「もうばれている」と軽く指摘する、呆れやからかいを含んだ響きの表現
  • you can … all you want, but … の形と組み合わせると、譲歩の言い方になるのがコツ

『モダンファミリー』S06E08のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

七面鳥を食べ終えたあとの場面で、誰かの一言に続いて、ヘイリー、アレックスの順に会話が進みます。アレックスがクレアに頼みごとをしたあと、クレアがアレックスに返事をし、続けてフィルに呼びかけて、not fooling anyoneを口にします。

— Why did we eat all three turkeys?
(どうして七面鳥を3羽とも全部食べちゃったんだろう?)

Haley: I hope that Thanksgiving’s on a Friday next year, so that I can sleep through the entire weekend.
(来年の感謝祭は金曜日だといいな。そしたら週末ずっと寝ていられるもん。)

Alex: Mom, can you take this one? I’m exhausted.
(ママ、これお願いできる? もうくたくた。)

Claire: Wow, you really must be. Phil, give it up. Honey, you can dance all you want, but you’re not fooling anyone.
(まあ、本当にそうみたいね。フィル、もう観念しなさい。ねえ、いくら踊ったところで、誰もだませてないわよ。)

Modern Family Season6 Episode8 (Three Turkeys)

シーン解説と心理考察

「どうして七面鳥を3羽とも全部食べちゃったんだろう」という一言は、食べ終えた出来事をふり返る問いかけです。続くヘイリーの「来年の感謝祭は金曜日だといい」という発言は、そのあとの週末ずっと寝ていたいという願いを、そのまま言葉にしています。

アレックスが「もうくたくた」と訴えると、クレアは「本当にそうみたいね」と受け止めます。相手の言葉を一度受け入れてから、次の話題に移る流れが、クレアの会話の運び方に出ています。

そこから、クレアはフィルに呼びかけ直します。「もう観念しなさい」と言い、続けて「ねえ」と親しげに声をかけながら、いくら踊っても誰もだませていない、と指摘します。命令のような強い言葉と、呼びかけの柔らかさが同じ一言のなかに並んでいる点が見どころです。

not fooling anyoneという言葉が使われているのは、通じていないと本人に知らせるためです。責めるというより、もう見え見えだから観念しなさいという、呆れまじりの親しい調子として響きます。夫婦のあいだの気安さが、短い一言に表れています。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

隠したつもりのプレゼントが、包み紙の形からもう中身まで分かってしまっている場面を思い浮かべてみましょう。本人だけが隠せていると思っていて、周りは全員が気づいている、という構図です。この食い違いが、not fooling anyoneの「誰もだませていない」につながります。

クレアの言葉に重ねると、フィルがどれだけ踊ってごまかそうとしても、そのごまかしは周りの誰にも通じていない、という見え方になります。本人の動きと、周りの冷静な目のあいだの温度差が、この一言の可笑しさです。

覚えるときは、包み紙の形が透けて見えているプレゼントを、fool(だます)と結びつけるとよいでしょう。だませていないのは、包み紙が役目を果たしていないからです。そんな絵と一緒に口にしておけば、見え見えの状況を指す言葉として自然に出てきます。

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例文で覚える「not fooling anyone」

日常会話から職場の場面まで使えるnot fooling anyoneを、3つの例文で確認していきましょう。

You’re not fooling anyone with that excuse.
(そんな言い訳では、誰もだませませんよ。)
言い訳を見抜いて指摘する場面です。with that excuseのように何でごまかそうとしているのかを添えると、指摘の中身がはっきりします。

A: I’m totally fine!
B: You’re not fooling anyone. Tell me what’s wrong.
(A:私は全然平気!)
(B:見え見えだよ。何があったのか話して。)
強がる友人に声をかける場面です。指摘のあとに、Tell me what’s wrong.と続けると、責めるのではなく寄り添う調子になります。

Trying to look busy in front of the boss isn’t fooling anyone.
(上司の前で忙しそうに見せても、誰もだませません。)
忙しいふりをする同僚を諭す場面です。主語を動名詞で始めると、「〜しても」という一般的な言い方になります。

あわせて覚えたい関連表現

see through someone
((人の)本心やごまかしを見抜く)
see through someoneは、見抜く側の動作に焦点があります。not fooling anyoneは、ごまかしている側から見て、誰にも通じていない状態を表します。

kid oneself
(自分に言い聞かせて思い込む)
kid oneselfは、自分自身をだます場合に使います。not fooling anyoneは、周りの人を対象にして、だませていないことを表す点が違います。

can’t fool me
(私はだまされない)
can’t fool meは、「私」を主語にして、自分が見抜いていることを伝えます。not fooling anyoneは、「誰も」を対象にして、周り全員に通じていないことを表します。

Note|だます側と見抜く側、not fooling anyone と see through と kid oneself の視点の違い

ごまかしを表す英語の表現は、誰の視点から述べるのかによって、形が変わります。ここでは、not fooling anyone、see through、kid oneselfの3つを、辞書的な意味の範囲で比べます。

not fooling anyoneは、ごまかそうとしている人の側から、その効果を述べる表現です。主語はだまそうとしている人で、目的語のanyoneは、だまそうとしている相手全員を表します。ごまかしがうまくいっていない、という結果を述べます。

see throughは、見抜く側の動作を述べる表現です。I can see through that excuse.(その言い訳は見抜けるよ)のように、主語は見抜く人になります。同じ状況でも、見抜く側の視点から述べるか、だます側の視点から述べるかの違いがあります。

kid oneselfは、だます相手が自分自身である場合の表現です。You’re kidding yourself.(自分に言い聞かせているだけだ)のように、思い込みや自己欺瞞を指摘するときに使います。周りではなく、自分自身をだましているという点で、ほかの2つとは向きが変わります。

3つを並べると、視点の違いが見えてきます。だます側から述べるのがnot fooling anyone、見抜く側から述べるのがsee through、だます相手が自分なのがkid oneselfです。クレアが言った you’re not fooling anyone は、フィルの側から見た結果を、本人に伝える言い方でした。

視点の軸で並べると、似た表現も迷わず選べます。

まとめ|隠したつもりの、見え見えの一言

not fooling anyoneは、取り繕いやごまかしが周りには見え見えで、誰にも通じていない、という意味の表現です。You’re not fooling anyone.の形が基本で、you can … all you want, but … と組み合わせると、いくらそうしても、という譲歩の言い方になります。

言い訳、強がり、隠し事など、ごまかしの中身を問わず、「もうばれている」と軽く指摘する場面で使えます。see throughやkid oneself、can’t fool meとの違いを押さえておくと、だます側、見抜く側、自分自身という視点を言い分けられます。

クレアの一言は、フィルに向かってもう観念しなさいと親しく促す言葉でした。見え見えになったごまかしを、笑い混じりに言い当てる一言です。

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