海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ビッグバン★セオリー』シーズン12 第8話から、get along with と bond with の違いを取り上げます。結婚したシェルドンが、エイミーの両親とよい関係を築こうと動き出す話に、この2つの表現がそろって登場します。
どちらも「仲良く」と訳されがちですが、指しているものは少し違います。状態を表すのか、働きかけを表すのか。台詞の流れに沿って順番に見ていきます。
「get along with」はうまくやれている状態
冒頭の場面では、仲間たちがそれぞれの結婚相手の家族との付き合いを話題にします。シェルドンは、エイミーの家族とはまったく話さないと言い切ります。バーナデットは、父がハワードのことを has grown to really like(だんだん本当に好きになってきた)と途中で言葉に詰まりながら話し、ハワードは a nice coolness between us(俺たちの間にはほどよい涼しさがある)と冗談で応じます。
別の朝の場面で、シェルドンはエイミーに、昨夜のことを受けて have a better relationship with your family(君の家族ともっとよい関係を持つ)べきだと考えたと告げます。エイミーは今の関係で完璧だと返しますが、シェルドンの考えは変わりません。続くやり取りがこちらです。
Amy: Well, you know that my mom can be… well, difficult to get along with.
(まあ、知ってると思うけど、母はちょっと……付き合いにくいところがあるのよ。)Sheldon: Which is why I’m starting with your dad and working my way up.
(だからこそ、君のお父さんから始めて、段階的に上へ進むんだ。)TBBT Season12 Episode08
get along with someone は、衝突せずにうまくやっていける状態を表します。difficult to get along with は「付き合いにくい」で、人柄について遠回しに注意を促すときに使える形です。エイミーの言いよどみからも、自分の母を悪く言いすぎないよう言葉を選んでいる様子が伝わってきます。
シェルドンの work my way up は「下から順に上がっていく」という言い方です。父を足がかりにして、手ごわい母へ進むという計画が、この一言に詰まっています。
「bond with」は距離を縮める働きかけ
次の場面はコミックブックストアです。何をしているのかとハワードに聞かれ、シェルドンは father-in-law, son-in-law bonding(しゅうと婿の親睦)の最中だと答えます。ところがエイミーの父は、ハワードの手品に夢中になっていきます。シェルドンはハワードを呼び止めます。
Sheldon: I need you to stop being so delightful.
(楽しい人でいるのをやめてくれ。)Howard: What?
(は?)Sheldon: I’m supposed to be bonding with him. You have your own father-in-law; leave mine alone.
(僕は彼と親睦を深めるはずなんだ。君には君のしゅうとがいるだろう。僕のには手を出すな。)TBBT Season12 Episode08
bond with someone は、一緒に時間を過ごしたり何かを共有したりして、距離を縮めることを指します。get along with が「今うまくいっているか」を表すのに対し、bond with は関係を近づけるための行動そのものに焦点があります。
その後シェルドンは、相手をエイミーの母に切り替え、I’m bonding with you. と告げます。後の場面では、夫人の怒りの矛先がエイミーに移ります。
Mrs. Fowler: I can’t believe it. All this time I’ve been angry at you when I should have been angry at Amy.
(信じられない。ずっとあなたに怒っていたけれど、怒るべき相手はエイミーだったのね。)Sheldon: Look at that. We’re both angry at Amy. Maybe that’s something we could bond over.
(見てください。僕たちはどちらもエイミーに怒っている。それで親睦を深められるかもしれません。)TBBT Season12 Episode08
bond over something は「〜をきっかけに打ち解ける」で、over の後ろに共通の話題や体験を置きます。
| 表現 | 表すもの | 例 |
|---|---|---|
| get along with | うまくやれている状態 | difficult to get along with |
| bond with | 距離を縮める行動 | bonding with him |
| bond over | 共通点をきっかけに打ち解ける | something we could bond over |
親睦を予定表どおりの作業のように進めようとするシェルドンの姿が、bond の使い方からも見えてきます。
まとめ|状態の get along、行動の bond
今回は、うまくやれている状態を表す get along with と、距離を縮める行動を表す bond with、共通点をきっかけにする bond over を見てきました。違いをつかむと、人間関係の話を英語で整理しやすくなります。
結婚相手の家族との距離に悩む姿も、『ビッグバン★セオリー』では言葉の選び方からユーモラスに描かれています。
同じ回のほかのコラムやフレーズ記事でも、この話の英語表現を取り上げています。


コメント