海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『ビッグバン★セオリー』シーズン12 第1話には、口を出したい、首を突っ込みたい、言い返したいという相手を、周りが引き止める場面がいくつもあります。止め方は、動詞ひとつの短い一言から、相手の良識や行動の結果に訴える言い方まで、場面ごとに実にさまざまです。
止められた側がどう切り返しているかにも注目しながら、引き止めの英語を順に見ていきます。
「Don’t.」「let it go」「shouldn’t we ~?」で行動の前に止める
ニューヨークで、シェルドンとエイミーはニコラ・テスラゆかりの地を巡るツアーに参加しています。ツアーガイドの説明を聞いたシェルドンが、黙っていられなくなります。
Sheldon: That’s wrong. I’m gonna say something.
(間違っている。ひと言言わせてもらおう。)Amy: Don’t.
(やめて。)Sheldon: Well, then how will everyone know I’m the smartest boy here?
(では、僕がここでいちばん賢い子だと、どうやってみんなに分からせるのだ?)Amy: Just let it go.
(いいから、放っておいて。)TBBT Season12 Episode01
Don’t. はいちばん短い制止です。理由を添えないぶん、強くはっきり止める響きがあります。それでも引かないシェルドンに対し、エイミーは Just let it go.(いいから、放っておいて)と、こだわり自体を手放すよう促しています。
ガイドの説明が本当に誤りだったかどうかは描かれていません。ここで見どころになるのは、止める側が一言目と二言目で言い方を変えている点です。
一方、レナードとペニーの場面では、もう少し遠回しな止め方が使われます。エイミーの母が夫を捜して部屋の中を見て回るなか、ペニーも乗り気になったところで、レナードが口を挟みます。
Penny: Ooh, come on.
(ねえ、ほら。)Leonard: Ah, shouldn’t we mind our own business?
(あ、よそのことに首を突っ込まないほうがいいんじゃない?)Penny: Wow, sometimes it’s like you don’t know me at all.
(わあ、ときどきあなたって私のこと全然分かってないみたい。)TBBT Season12 Episode01
shouldn’t we ~? は「〜すべきじゃない?」と、主語を we にして自分も含めて提案する形です。mind one’s own business は「自分のことだけ気にする、よそに口を出さない」という意味になります。ペニーの返しは、自分がこういう状況を放っておける人ではない、と冗談めかして言い返すものと読み取れます。
「you’re better than this」で良識に訴える
テレビ出演をきっかけに、ラージは天文学者ニール・ドグラース・タイソンと Twitter 上で言い合いを始めます。それをたしなめるのがバーナデットです。
Bernadette: Raj, you need to apologize to Dr. Tyson.
(ラージ、タイソン博士に謝らなきゃだめよ。)Raj: Why? This could be good for me. Everybody loves a good Twitter feud.
(なんで? 僕にとっては得になるかもしれないんだ。みんな Twitter での言い合いが大好きだからね。)Bernadette: Come on, Raj, you’re better than this.
(ちょっと、ラージ、あなたはこんなことする人じゃないでしょ。)Raj: Oh, leave room for dessert ‘cause I’m gonna make you eat those words.
(おっと、デザートの分のお腹を空けておいて。その言葉、撤回させてやるからさ。)TBBT Season12 Episode01
you need to ~ はやるべきことをはっきり示す表現です。それが効かないと見るや、バーナデットは you’re better than this(あなたはこんなことをする人じゃない)と、相手の良識に訴える言い方に切り替えています。ラージの返す eat one’s words は「前言を撤回する」という意味で、ここでの you はバーナデットを指しています。
別の場面でも、バーナデットは止めるのをやめていません。
Bernadette: Really? Don’t you think this Twitter feud is a little silly?
(本気? この Twitter の言い合い、ちょっとばかげてると思わない?)TBBT Season12 Episode01
Don’t you think ~? は否定疑問の形で同意を誘う、遠回しな制止です。ラージがこれを即座に否定し、ハワードの一言を挟んだあと、バーナデットはさらに続けます。
Bernadette: Raj, you’re not going to impress anyone by attacking him.
(ラージ、彼を攻撃しても誰も感心しないわよ。)Raj: Oh, Bernadette, you sound so old right now.
(ああ、バーナデット、今の君、すごく年寄りくさいよ。)TBBT Season12 Episode01
you’re not going to impress anyone by ~ing は、行動の結果を示して思いとどまらせる言い方です。止められたラージが you sound so old と、説教くさいと言わんばかりに切り返しているのも、引き止めの会話らしい流れと言えます。
まとめ|短い制止から良識に訴える言い方まで
今回は、Don’t. と Just let it go. の短い制止、shouldn’t we ~? の提案型、you’re better than this や you’re not going to impress anyone by ~ing の良識や結果に訴える言い方を見てきました。止める強さを場面に合わせて選べるようになります。
止める側と止められる側の掛け合いを、これからも『ビッグバン★セオリー』を観ながら楽しんでいきましょう。
このエピソードのほかのコラムやフレーズ記事を読むと、同じ回の英語を別の切り口からたどれます。


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